はじめに
こんにちは, ソーダ氷です. 今回は僕が改造した関数方程式を解説したいと思います.
僕が最初に思いついた解法なので最適解ではないです. もっと工夫の余地があります.
問題
これ
です. 2010 India TST の問題をもとに作りました. そちらは簡単に解けると思いますが, 関数方程式botさんがレベル6にしていることが少し不安になります.
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↓以下解説
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解説
ということで, 思考過程も添えて解説していきたいと思います.
の値を考える
まずはの代入が思いつきます. するとよりがわかりました.
先にを片付けましょう. これを活用するため与式にを代入します. するとが得られますが, これを与式に代入してもの項が任意の値をとるため成立しません. ということははありえず, であることがわかりました.
零元の存在
次に何をしましょうか?僕だったらの中身が等しくなるような代入を考えます. 左辺のと右辺のが上手く消えそうです. 方程式をについて解くとのときとなります. これを与式に代入してみましょう. すると
・・・
という式が得られます. ここで注目すべきは右辺がとり得る値です. 右辺がになればとなる実数が存在します. ということでを解くとですから, にを代入すればとなります. 頭にラマヌジャンが宿っている人は一発でを代入するそうです. したがって, またはがわかりました.
この二つで場合分けしましょう.
のとき
ひとまず与式にを代入してみましょう. すると
・・・
がわかります. これは結構使えそうな式ですね. にを代入して
・・・①
で, 与式にを代入すれば
・・・➁
という連立方程式が得られました. 僕はこれになかなか気づけず, 沼にはまっていたのでここが難所だと思います. ① , ➁を連立して解くとが得られます. ここでも場合分けが必要ですね.
[Ⅰ]のとき
という条件が有力なので与式にを代入してみましょう. すると
・・・
という式が得られました. これはとよく似ていますね?そのためと置きなおすと
・・・
となり, の右辺と一致しました!よって, なのでは偶関数であることがわかります.
このことを利用しましょう. 与式にを代入して
・・・
が得られます. また, 与式にを代入して
・・・
となり, の右辺はよりの右辺と一致します. よって左辺を比較すればとなり, と置きなおせばが得られます!そしてこれを与式に代入したとき
となるため十分性もOKです.
[Ⅱ]のとき
与式にを代入するとがわかります. と相性が良さそうなのでとすると
・・・
となります. これをに代入すると
・・・
がわかりました. ここでとすると面白いことが起きます.
・・・
となり, これをに加えるととなります. これをに代入して整理すればが得られました!これを与式に代入すると
となるため十分性もOKです.
これでの場合が片付きました.
のとき.
こちらも前者と同様な手法で解けそうです. まずはを代入して
・・・
です. これは上でのに対応しますね. そして与式にを代入することでが得られます. 急にラマヌジャン代入をしましたが, ここも先ほどと同じく難所ですね. イメージとしてはどこかにを作りたくなってでそれを実現した感じです. だとしてもこれにはかなりの技量が必要でしょう.
さて, またはで場合分けですね.
[Ⅰ]のとき.
を代入してみましょう. するととなりとよく似ています. ここでとすれば
・・・
となります. とを比較すればとなり, と置きなおせばが得られました. これはさっきと同じパートですね. 与式にとを代入したものを比較すればが得られます. しかしこれはという仮定を満たしていません. よってこの場合は不適という扱いになります. そもそもこの解はさっき見つけてたし.
[Ⅱ]のとき.
を代入してみましょう. だからです. あとはと置きなおせばが得られました!これを与式に代入すると
となり, 十分性もOKです. 今回はあっさりと解けましたね.
ということで, 最終的な答えは任意の実数に対してであることが分かりました!
おわりに
今回の関数方程式はなんと解が3種類も出てくるという面白いものでした. 実は最近知ったことなんですが 2005年のIMOSLPA4もほとんど同じ見た目で, ほとんど同じ解法で解くことができるので, そちらにも挑戦してみるとよいでしょう. 最初からそのFEの解説記事書けばよかったやん.
最後まで見ていただきありがとうございました.