curvilinear incircle の angle chase がややこしく,手順を忘れたり,頭が混線したりしたので,mixitilinear incircle (以下,「混線内接円」) のいくつかの性質を,反転で(curvilinear incircleなしに)示します.
混線内接円を定義します.
$\triangle ABC$において,半直線$AB,AC$に接し,$ABC$の外接円に内接する円を ($\angle A$内の) 混線内接円という.
今回の記事では,「$P_1,P_2, \dots, P_n$ の外接円」を$(P_1P_2 \dots P_n)$と略記します.
必要な点と円を定義します.
$\triangle ABC$において,
こんな感じの図になります.
定義した点
最終的にはもっと混線した図になります.
ごちゃごちゃした図
ユークリッド平面に無限遠点$P_{\infty}$を付け加えます.
中心$A$,半径$\sqrt{AB \cdot AC}$ での反転を行う写像を$f_1$,直線$AI$での鏡映を行う写像を$f_2$とすると,$f_2(f_1(B))=C,f_2(f_1(C))=B$です.
$f_1$と$f_2$は大体一緒に使うので,$f_2(f_1(X))$を$X^{\star}$と書くことにします.
また,集合$\Sigma$の像$f_2[f_1[\Sigma]]$$({}=\{X^{\star}|X \in \Sigma\})$も${\Sigma}^{\star}$と書きます.
${\Omega _A}^{\star} = \omega _A$
$B^{\star}=C,C^{\star}=B$より,$\Gamma = (ABC)$は直線$BC$にうつる.
よって,${\Omega _A}^{\star}$は直線$AC,AB,BC$に,それぞれ${K_1}^{\star},{K_2}^{\star},E$で接する.
$\Omega _A$は$\angle BAC$の内側に位置し,反転と鏡映でこれは変わらない.
$AK_1 \lt AC$より,$AB \lt {AK_1}^{\star}$であるから,${\Omega _A}^{\star}$は$\triangle ABC$の外側に存在する.
したがって,${\Omega _A}^{\star}$は$\triangle ABC$の$\angle A$内の傍接円.
${K_1}^{\star}={K_1}^{\prime}$
${K_2}^{\star}={K_2}^{\prime}$
${T}^{\star}=E$
$I^{\star}=I_A$
$\angle If_2(C)I_A = \angle ICI_A = \angle IBI_A = 90^{\circ}$より,$I,B,C,f_2(C),I_A$は共円.
方べきの定理より,$AI \cdot AI_A = AB \cdot Af_2(C) = AB \cdot AC$で,$A,I,I_A$は共線であるから,$I^{\star} =f_2(f_1(I)) = f_2(I_A) = I_A$
共線にして方べき
これを使って,$I$が絡む共円性・共線性を示します.
$(a)$ $K_1,I,K_2$は共線で,特に$K_1,I,K_2,P_{\infty}$は調和点列.
$(b)$ $I,K_2,B,T$は共円で,特に四角形$IK_2BT$は調和四角形.
$(c)$ $I,K_1,C,T$は共円で,特に四角形$IK_1CT$は調和四角形.
$A{K_1}^{\prime} \perp {K_1}^{\prime}I_A, A{K_2}^{\prime} \perp {K_2}^{\prime}I_A$であるから,
四角形${K_1}^{\prime}I_A{K_2}^{\prime}A,$$I_A{K_2}^{\prime}CE,$$I_A{K_1}^{\prime}CE$は,それぞれ,$AI_A,$$BI_A,$$CI_A$を直径とする円に内接する.
さらに,これらはそれぞれ外接円の直径を軸として対称であるから,調和四角形である.
よって,反転して$(a),(b),(c)$が得られる.
直角による共円
共点性
直線$BI$と円$\Gamma$の交点の,$B$でない方を$L_B$とおく.
直線$CI$と円$\Gamma$の交点の,$C$でない方を$L_C$とおく.
点$T$を中心として,$\Omega_A$を$\Gamma$にうつすような相似拡大で,$AB$は$AB$に平行な$\Gamma$の接線に,$AC$は$AC$に平行な$\Gamma$の接線にうつる.
これらは,それぞれ$L_C,L_B$における$\Gamma$の接線であるから,この相似拡大は,$K_1,K_2$をそれぞれ$L_B,L_C$にうつす.
したがって,$T,K_1,L_B$は共線,$T,K_2,L_C$は共線.
$AL_BTL_C$は調和四角形.
$A$は,$\Omega_A$に関する,$K_1K_2$の極であるから,$TA$は$\triangle K_2TK_1$の$T$-symmedianである.
これを相似拡大すれば良い.
これを反転すると$E$が${L_B}^{\star}{L_C}^{\star}$の中点であることもわかります.
これで混線内接円の基本的な性質はだいたい書けたんじゃないかな,と思います.この記事に書いていない性質も,反転を意識することで見通しが良くなるかもしれません.