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今年の東大理系数学を解いた(遅い)

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概要

おはようございます。大学生になってからというもの、あまり受験数学みたいなのをしなくなったのですが、今年の数学はどうやら過去最難などと喧伝されているようなので、興味本位で解いてみました。
現役のときもそうだったのですが、基本150分で足りなくなることはなかったので大問の順番は1→6固定で解いています。

本編

大問1

ぱっと見の所感

(1)は微分するだけっぽい。(2)は式に$M$入ってるし、(1)が誘導なのかな?というか三角関数の引数に三角関数入っててヤバ。

(1)

3回微分すると$1-\cos\theta$なので、増減表は次の通り:

$\theta$$-1$$\cdots$$0$$\cdots$$1$
$f(\theta)$$m$$\nearrow$$0$$\nearrow$$M$
$f'(\theta)$$+$$+$$0$$+$$+$
$f''(\theta)$$-$$-$$0$$+$$+$
$f'''(\theta)$$+$$+$$0$$+$$+$

つまり$m=f(-1)=\dfrac56-\sin1$$M=f(1)=\sin1-\dfrac56$

(2)

置換$x\mapsto2\pi-x$(King Property)により、
\begin{align*} I:&=\int_0^{2\pi}\sin(\cos x-x)dx \\ &=\int_0^{2\pi}\sin(\cos (2\pi-x)-2\pi+x)dx \\ &=\int_0^{2\pi}\sin(\cos x+x)dx \\ &=\frac12\int_0^{2\pi}\sin(\cos x+x)+\sin(\cos x-x) dx \\ &=\int_0^{2\pi}\sin(\cos x)\cos x dx \end{align*}
被積分関数は$\cos x$についての偶関数になっているので、$I$$\left[0,\dfrac\pi2\right]$上での積分の4倍になる。
\begin{align*} I&=4\int_0^{\pi/2}\sin(\cos x)\cos x dx \\ &=4\int_0^{\pi/2}\left(f(\cos x)+\cos x-\frac{\cos^3x}{6}\right)\cos xdx \\ &=4\int_0^{\pi/2}f(\cos x)\cos xdx +\frac{7\pi}{8} \end{align*}
だから、$x\in\left[0,\dfrac\pi2\right]\Rightarrow0\leq\cos x\leq1$より
$$0\leq4\int_0^{\pi/2}f(\cos x)\cos xdx\leq4M\int_0^{\pi/2}\cos xdx=4M$$
となって示された。

大問2

ぱっと見の所感

領域が矩形でありがたい。三角形は成立しないほうが稀だから余事象とればOKかな。

(1)

まず「三角形が成立しない$\Leftrightarrow$3点が同一直線上に乗る」が成立する。$x$座標は$1,2,3$しか取りえないので、「3点が同一直線上に乗る$\Leftrightarrow$3点の$x$座標がすべて同じかすべて異なる」も成り立つ。後者の場合3点を通る直線の傾きは整数しかありえないので、傾きごとに数え上げると、
$$p_5=1-\frac{3\cdot{}_{5}\mathrm{C}_3+1+3+5+3+1}{{}_{15}\mathrm{C}_3}=1-\frac{43}{455}=\frac{412}{455}$$
と求まる。

(2)

3点を通る直線の傾きは$-m+1$から$m-1$までの整数しかとりえないから、三角形が成立しない場合の数は
$$3\cdot{}_{2m}\mathrm{C}_3+\sum_{k=-m+1}^{m-1}|2m-2k|=m(2m-1)(2m-2)+2m^2$$
になる。あとは$p_5$のときと同じように計算して、
\begin{align*} p_{2m}&=1-\frac{m(2m-1)(2m-2)+2m^2}{{}_{6m}\mathrm{C}_3} \\ &=1-\frac{m(2m-1)(2m-2)+2m^2}{m(6m-1)(6m-2)} \\ &=\frac{m(16m-7)}{(3m-1)(6m-1)} \\ \end{align*}
となる。

大問3

ぱっと見の所感

$\mathrm{P,Q}$$xy$平面上に拘束されているから、重心の情報から$\mathrm{R}$$z$座標が$3$固定なのかこれ。じゃあ$xy$平面に射影して計算するのが楽かな。$\mathrm{P,Q}$の中点もすでに文字で置いてくれてるのね、ありがたい。

(1)

重心の座標の公式から、$\mathrm{R}$$z$座標は常に$3$。つまり、$\mathrm{R}$は半径$4$の円周$x^2+y^2=4^2,z=3$を動ける。重心の性質から$\mathrm{R}\mathrm{G}=2\mathrm{G}\mathrm{M}$なので、$\mathrm{M}$$\mathrm{G}$を中心とした$x^2+y^2=4^2,z=3$の相似縮小$(x-3)^2+y^2=2^2$の上を動けることになる。ただ、$\mathrm{M}$$(5,0,0)$にあるときだけ$\mathrm{P,Q}$が一致してしまうので、この点は除く必要がある。つまり、$(x-3)^2+y^2=2^2$から$(5,0)$を除いた点を図示すればよい。

(2)

図形的な考察から$\mathrm{PQ}\perp\mathrm{OM}$がわかるので、$\mathrm{M}$の座標を$(3+2\cos\theta,2\sin\theta)$とパラメトライズすると、直線$\mathrm{PQ}$を表す式は
$$(3+2\cos\theta)(x-3-2\cos\theta)+2\sin\theta(y-2\sin\theta)=0$$
となることがわかる。これを満たす$\theta$が存在すれば$x,y$$\mathrm{PQ}$の上に乗るので、この式を$\theta$についてまとめて
$$(2x-12)\cos\theta+2y\sin\theta=13-3x$$
という変形をすると、求めるべき条件
$$(2x-12)^2+(2y)^2\geq(13-3x)^2\Leftrightarrow\frac{(x-3)^2}{4}+\frac{y^2}{5}\leq1$$
が見える。あとはこれと$x^2+y^2\leq5^2$の共通部分を図示して$(5,0)$を除けばよい。

大問4

ぱっと見の所感

直線のなす角がきれいなので、定石通り$\tan$で処理するのが無難そう。

(1)

$\mathrm{O}(0,0),\mathrm{P}(p,p^3-kp),\mathrm{Q}(q,q^3-kq)$とおく。
条件の3つ目から、3本の接線の傾きがそれぞれ$\tan\theta,\tan\left(\theta+\dfrac\pi3\right),\tan\left(\theta+\dfrac{2\pi}3\right)$になるような$\theta$が存在する($\theta\mapsto\theta+\pi/3$で巡回することに注意)。このときどの二つも値が異なることから、どの2本の接線も互いに交わるため、2つ目の条件は考えなくてよい。$\mathrm{O}$での接線の傾きは$-k$なので、これが$\tan\theta$になるように$\theta$を選ぶと、残りの2本の傾きは
\begin{align*} \tan\left(\theta+\dfrac\pi3\right)&=\frac{\sqrt3+\tan\theta}{1-\sqrt3\tan\theta}=\frac{\sqrt3-k}{1+\sqrt3k}=3p^2-k \\ \tan\left(\theta+\dfrac{2\pi}3\right)&=\frac{-\sqrt3+\tan\theta}{1+\sqrt3\tan\theta}=\frac{-\sqrt3-k}{1-\sqrt3k}=3q^2-k \end{align*}
となる。この式は
\begin{align*} \frac{1+k^2}{3k+\sqrt3}&=p^2 \\ \frac{1+k^2}{3k-\sqrt3}&=q^2 \end{align*}
と書き換えられるので、求める$k$の範囲は$k\geq\dfrac{1}{\sqrt3}$

(2)

接線の式
\begin{align*} &l_{\mathrm{O}}:y=-kx \\ &l_{\mathrm{P}}:y=(3p^2-k)x-2p^3 \\ &l_{\mathrm{Q}}:y=(3q^2-k)x-2q^3 \end{align*}
より、$l_{\mathrm{O}}$$l_{\mathrm{P}}$の交点は$\left(\dfrac23p,-\dfrac23kp\right)$$l_{\mathrm{O}}$$l_{\mathrm{Q}}$の交点は$\left(\dfrac23q,-\dfrac23kq\right)$になる。この2点の距離$d=\dfrac23|p-q|\sqrt{1+k^2}$が正三角形の一辺の長さになるわけだから、$M=4m$という条件は$d_{max}=2d_{min}$すなわち$|p-q|_{max}=2|p-q|_{min}$と読み替えられて、これはつまり
\begin{align*} &\sqrt{\frac{1}{3k-\sqrt3}}+\sqrt{\frac{1}{3k+\sqrt3}}=2\left(\sqrt{\frac{1}{3k-\sqrt3}}-\sqrt{\frac{1}{3k+\sqrt3}}\right) \\ &\Leftrightarrow3\sqrt{\frac{1}{3k+\sqrt3}}=\sqrt{\frac{1}{3k-\sqrt3}} \\ &\Leftrightarrow k=\frac{5}{12}\sqrt3>\frac{1}{\sqrt3} \end{align*}
となる。

大問5

ぱっと見の所感

こういう複素数の軌跡・領域系は逆像法的に解いたほうが上手くいきがち。

(1)

$\arg(z-\alpha)=\phi$とおくと、$z$は円周上を動くので、図形的考察により$-\dfrac13\leq\sin\phi\leq\dfrac13$である。$\sin^{-1}\dfrac13$$\dfrac\pi6$より小さいので、$\theta=\arg w=\arg(z-\alpha)^3=3\phi$$\pm\sin\left(3\sin^{-1}\dfrac13\right)$の範囲を動く。三倍角の公式を使って計算すると、$\sin\theta$の動く範囲は$-\dfrac{23}{27}\leq\sin\theta\leq\dfrac{23}{27}$と求まる。

(2)

複素数平面上の偏角$a$の半直線を記号$l_a:=\{t(\cos a+i\sin a)|t\in\mathbb{R}_{>0}\}$で定める。また、集合$A,B\subset \mathbb{C}$に対して$A+B:=\{z_1+z_2|z_1\in A,z_2\in B\}$とする。
問題文の条件は
$$D\cap l_0\neq\varnothing\wedge D\cap l_\pi\neq\varnothing$$
と書き換えられる。
\begin{align*} &D\cap l_0\neq\varnothing\wedge D\cap l_\pi\neq\varnothing \\ &\Leftrightarrow ({}^\exists z\in C:(z-\alpha)^3\in l_0)\wedge({}^\exists z\in C:(z-\alpha)^3\in l_\pi) \\ &\Leftrightarrow ({}^\exists z\in C:(z-\alpha)\in l_0\cup l_{2\pi/3}\cup l_{4\pi/3})\wedge({}^\exists z\in C:(z-\alpha)\in l_\pi\cup l_{\pi/3}\cup l_{5\pi/3}) \\ &\Leftrightarrow ({}^\exists z\in C:(\alpha-z)\in l_\pi\cup l_{\pi/3}\cup l_{5\pi/3})\wedge({}^\exists z\in C:(\alpha-z)\in l_0\cup l_{2\pi/3}\cup l_{4\pi/3}) \\ &\Leftrightarrow \alpha\in(C+l_{0}\cup l_{2\pi/3}\cup l_{4\pi/3})\cap(C+l_{\pi/3}\cup l_{\pi}\cup l_{5\pi/3}) \\ \end{align*}
であるから、この集合を図示すると画像のようになる。
!FORMULA[129][2033167959][0]の描き方 $R(\alpha)$の描き方
つまり$R(\alpha)$の面積は
$$(\mathrm{高さ1の正三角形の面積})\cdot12=4\sqrt3$$
となる。

大問6

ぱっと見の所感

整数だ。素因数分解ゴリ押しで行けるか?余りが絡む数え上げだから1の累乗根が刺さりそう。

(1)

$$2800=2^4\cdot5^2\cdot7$$
の約数は$2^a5^b7^c(0\leq a\leq4,0\leq b\leq2,0\leq c\leq1)$という形をしていて、これを$3$で割った余りは$2^{a+b}$$3$で割った余りと等しい。これが$1$になるのは$a+b$が偶数のとき、$2$になるのは$a+b$が奇数のときだから、$c$がいつでも2通り取れることに注意すれば
\begin{align*} f(2800)&=2\cdot(1+3+3+1)=16 \\ g(2800)&=2\cdot(2+3+2)=14 \end{align*}
と求まった。

(2)

$$n=3^a\left(\prod_{i}p_i^{e_i}\right)\left(\prod_{j}q_j^{f_j}\right)$$
と素因数分解されているとする。ただし、各$p_i,q_j$は相異なる素数で、$3$で割った余りが$p_i$$1$$q_j$$2$であるように分けるものとする。また、$\displaystyle n^{(1)}=\prod_{i}p_i^{e_i},n^{(2)}=\prod_{j}q_j^{f_j}$とおく。
このとき、(1)と同じ発想で
\begin{align*} f(n)&=\left(\prod_{i}(e_i+1)\right)\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}\chi_2\left(\sum_{k}m_k\right)\right) \\ g(n)&=\left(\prod_{i}(e_i+1)\right)\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}\left(1-\chi_2\left(\sum_{k}m_j\right)\right)\right) \end{align*}
と書ける。ただし、$\chi_2$は引数が偶数なら$1$、奇数なら$0$を返す関数とする。$\displaystyle\chi_2(n)=\dfrac{1+(-1)^n}{2}=\sum_{k=0}^n(-1)^k$であったことを思い出すと、
\begin{align*} f(n)&=d(n^{(1)})\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}\chi_2\left(\sum_{k}m_k\right)\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}1+(-1)^{\sum_km_k}\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(\prod_{j}(f_j+1)+\prod_{j}\left(\sum_{m_j=0}^{f_j}(-1)^{m_j}\right)\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(d(n^{(2)})+\prod_{j}\chi_2(f_j)\right) \end{align*}
\begin{align*} g(n)&=d(n^{(1)})\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}\left(1-\chi_2\left(\sum_{k}m_j\right)\right)\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(\sum_{0\leq m_j\leq f_j}1-(-1)^{\sum_km_k}\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(\prod_{j}(f_j+1)-\prod_{j}\left(\sum_{m_j=0}^{f_j}(-1)^{m_j}\right)\right) \\ &=\frac12d(n^{(1)})\left(d(n^{(2)})-\prod_{j}\chi_2(f_j)\right) \end{align*}
となるので、$\displaystyle f(n)-g(n)=d(n^{(1)})\left(\prod_{j}\chi_2(f_j)\right)\geq0$より示される。

(3)

簡単な考察から、$\displaystyle \left(d(n^{(2)})-\prod_{j}\chi_2(f_j)\right)$は必ず偶数になることがわかる。この塊を$N$とおくと、$g(n)=15$から$d(n^{(1)})N=30$だから、考えられる$d(n^{(1)})$$N$の組み合わせは
$$(d(n^{(1)}),N)=(15,2),(5,6),(3,10),(1,30)$$
の4通り。ここから$f(n)-g(n)$の値として考えられるのは$0,1,3,5,15$の5通りあるので、$f(n)$としてありうる値は$15,16,18,20,30$の5つ。

投稿日:1日前
更新日:12時間前
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