お久しぶりです。
ビールジョッキbotです。
Twitterで見かけた「証明で使わない接続詞」ネタに触発されたので、証明らしからぬ言葉遣い(というか、ほぼネットミーム)で$\sqrt{2}$が有理数でないことを証明していきます。
$\sqrt2$が有理数と仮定するZOY
ほならね、いい感じの自然数p,qを使えば
$\sqrt2= \frac{p}{q} $
となるに決まってるじょのいこ。
余談だが、有理数の定義を整係数一次方程式の解全体がなす集合とみなしたとき、ある整数a,bによる分数記法を用いて任意の有理数を示せることは自明としたぞ。閑話休題
$\sqrt2=\frac{p}{q}$としたんで、ですから、この値($\frac{p}{q}$)を!$\sqrt2$も同じやと思って、この値を!2乗したい!その一心でぇ!!!
やっと$\frac{p^2}{q^2}=\sqrt2 ^2=2$になったんです!!!!
そんなわけで、
$\frac{p^2}{q^2}=2$となったわけですが(等号の推移性)
$\frac{p^2}{q^2}=2\Longleftrightarrow p^2=2q^2$
そんな変形で大丈夫か?
大丈夫だ、($q^2\neq0だから$)問題ない。
つまり、$p^2$は偶数だけどpは自然数で、少なくとも$\sqrt2$は自然数でないことは明らかだからpも偶数で、だから$p^2$は4で割れる…ってコト!?
ん、$p^2$、ちょっと4で割るね。
$p^2=4P^2$
ヨシ!
$4P^2=2q^2\Longleftrightarrow 2P^2=q^2$
先の議論を利用して
$q^2=4Q^2$
ソックリサンダ
$p/q=2P/2Q=P/Q$と、$P< p,Q< q$を満たすような表示が得られた。
じゃあさ、今の議論は一般性を損なってないんだから、より小さい自然数による表示を得る操作はいくらでも続けることができる。
"永遠に"
ところがどっこい、任意の自然数は有限回しか2で割り切ることができないのさ!
『$\sqrt2$は有理数$\frac{p}{q}$である』、君はそう言った……。
私に歯向かった罰だ……。
その望みを……絶つ……!!
$\frac{p}{q}$ィ!
何故君が有理数であるのに、永遠に同じ変形が出来たのか。
何故より小さい自然数による表示を生み出せたのか。
何故変形後に形が変わらないのかァ!
その答えはただ一つ……ハァ……
$\sqrt2$ィ!
君が、この仮定にそぐわず、有理数でない値だからだぁーーっははははははっ!
はぁーはははは!!
とっぴんぱらりのぷう
読みにくいことこの上ないが?
OMAKE[WIP]
同様の方法による形式証明
$P=\sqrt2 \in \mathbb{Q}_{>0}$(仮定)
$\forall zQ(z)=[z\in\mathbb{Q}_{>0}\Longrightarrow\exists p\in\mathbb{N}\exists q\in\mathbb{N},z=\frac{p}{q}]$(任意の正の有理数は自然数による分数表示が存在する、定理、証明省略)
$\forall zQ(z) \vdash Q(\sqrt{2}/z)$(普遍例化)
$Q(\sqrt{2}/z)=[\sqrt2\in\mathbb{Q}_{>0}\Longrightarrow \exists p\in\mathbb{N}\exists q\in\mathbb{N},\sqrt{2}=\frac{p}{q}]$
$P,Q(\sqrt2 /z)\vdash[\exists p\in\mathbb{N}\exists q\in \mathbb{N},\sqrt2 = \frac pq]$(モーダス・ポネンス)
$[\exists p \in \mathbb{N}\exists q \in \mathbb{N},\sqrt2=\frac pq],[\sqrt2 = \frac pq \Longrightarrow \sqrt2^2=\frac {p^2}{q^2}]\vdash [\exists p\in\mathbb{N}\exists q\in\mathbb{N},\sqrt2 ^2 = \frac{p^2}{q^2}] $(モーダス・ポネンス)
$[a=b\land b=c\Longrightarrow a=c],[\exists p\in\mathbb{N}\exists q \in\mathbb{N},\sqrt2 ^2=\frac{p^2}{q^2}]\land[2=\sqrt2^2]\vdash[2=\frac{p^2}{q^2}]$(モーダス・ポネンス)