かえでです.
Twitter(@ka_Arc_math) に投稿した初等幾何の問題の解答を書きます.
三角形$ ABC $において,その内接円を$ ω $,外接円を$ Γ $,内心を$ I $とする.$ ω $と$ BC,CA,AB $の交点をそれぞれ$ D,E,F $とし,$ D $を通り$ EF $に垂直な直線と$ ω $の交点を$ P $($ ≠D $)とする.
$ Γ $上に$ AI=AX=AY $を満たすように異なる$ 2 $点$ X,Y $を取ったとき,
直線$ XY $は$ P $で$ ω $に接することを示せ.
↓解答↓
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直線$ XY $は一意に定まるから,$ P $における$ ω $の接線$ l $と$ Γ $の交点$ M,N $に対して,
$ AI=AM=AN $が成り立つことを示せば十分である.ここで,異なる$ 2 $点$ M,N $が少なくとも存在することに留意せよ.ただし,直線$ AB $に対して$ C $と異なる方にあるものを$ M $とする.
$ l $と$ AB,AC $の交点を$ S,T $とする.
以下を示す.
$ B,C,S,T $は共円.
$ ∠STC=∠PTE=180°-∠PIE=180°-2∠PDE=180°-2(90°-∠DEF)=2∠DEF=2(180°-(90°-∠A/2+90°-∠C/2))=2(∠A/2+∠C/2)=∠A+∠C=180°-∠B $
よって示される.
補題$ 1 $より,
$ ∠BMA=180°-∠BCA=∠MSA $であるから,
$ AM^2=AS・AB $.
また,$ ∠ASI=∠C+90°-∠C/2=90°+∠C/2=∠AIB $より,$ AI^2=AS・AB $
同様に$ AN^2=AT・AC=AI^2 $が成り立つから,
$ AM=AI=AN $となりこれより題意は示される. //
ここではAngle chaseに縋ったような解答を紹介しましたが,他にも色んなアプローチができそうですね.
以上です.