今回は、Metachick-2021さんとの共同コンテストでした!
Metachick-2021さんの問題が僕に結構刺さるというのもあり、一緒にコンテストを組むことになりました。
さて、今回のコンテストを振り返っていきましょう。(この記事は、Metachick-2021さんとの共著です。)
分野横断の問題が多く、
A:整数/B:幾何/C:組合せ/D:幾何+代数/E:整数+代数/F:組合せ+整数
のような感じでした。
点数が等差数列をなしている嬉しい回になりました。(実は、Admin's pointは、1-2-2-3-4-5でしたが。)
難易度は、
でした。
道を歩いていたら、唐突にできた問題です。ベタな問題に見えますが、意外と見かけたことはありません。(鳩の巣原理っぽいですが、)道端で鳩を見かけたとかではないです。
本質を見抜けば、素数数えタイムの始まりです。もしかすると、29が10番目の素数であることは覚えている人も多かったかもしれませんね。
三平方の定理がトレミーの定理と似ていることから着想を得ました。いい感じに少ない情報で解ける幾何ができました。angle-chaseやlength-chaseのような段々とわかる情報を増やしていくタイプの幾何ではなかったので困惑した人もいたかもしれません。人によって得意不得意が分かれそうな問題ですね。
実は、OMC128(D)を思いついたときに、おまけとして出てきた問題です。
OMC128(D)において、求めるものは「条件をみたすような$a_1$の最大値」でしたが、問題を着想した当初は「条件をみたすような$a_1,\dots,a_{100}$の総数」を求めさせようとしていました。
しかし、数列$\{a_n\}$が第100項くらいまであると、いくら考えても上手く計算ができないんですよね。そこで、求めるものを「条件をみたすような$a_1$の最大値」へと変更しましたが、その思考の過程を捨てちゃうのって勿体無いじゃないですか。その精神で、数列$\{a_n\}$を4項まで減らしてできたのがこの問題となっています。
文字を置いてゴリゴリ計算していくのが想定解となっています。初見では、$_{n}\mathrm{C}_{r}$とかを使うアプローチも取れそうに見える気がしますが、僕には難しかったです。
【三角形の成立条件を使う問題を作りたい!】という発想から生まれた問題です。
今回のセットでWal_FHから提出した問題では、これが一番好きな問題です。これができた時は嬉しかったです。この問題の作成秘話は、僕が中学3年生の時から始まります。
中学生の僕は、「正弦定理」「余弦定理」の練習問題を解いていました。すると、「正弦定理と余弦定理のどちらでも答えが出るのに、どちらかは余計な答えを含んでいて間違っていた」ことがあったんです。その頃に私にとって、その現象がすごく謎で、先生に聞きに行きました。
すると、結構悩んだ末に先生が出してくださった答えが「三角形の成立条件」でした。正弦定理と余弦定理の一方を用いて出した答えのうちいくつかは、三角形の成立条件をみたしていないため、不適だったわけです。
この時から、僕は「三角形の成立条件」を用いて問題を作りたいと考え始めました。そして、大学生になって、やっとできた問題がこれです。個人的には、上手に落とし込めたのではないかと思っています。
皆さんは、「三角形の成立条件」を意識することがどれくらいありますか?
僕は、あまりありません。
想定解法では、式の値が$\dfrac{CB}{AB},\dfrac{CA}{AB}$のみに依存するということに気づくことや、線形計画法を使うことなどの、受験典型も多く登場しました。ぜひ糧にしてください。
【OMCに数え上げではない関数方程式を出したい!】という発想から生まれた問題です。
当初はIMO2012-4のような問題を作ろうと思っていましたが、最終的にはもっとOMC向きの問題を作ることができたと思っています。やはり、OMCで出題するうえではエスパー対策のために答えが予測しにくい関数方程式を作成する必要がありとても苦戦しました。フィボナッチ数の加法定理に感謝です。$\left\lfloor \dfrac{f(n+2)}{f(n)} \right\rfloor$ も一見求めるのが難しそうなのに、綺麗に値が計算できる点もポイントです。ちなみに、問題提出時点では500点の想定でした。
この問題はわるえふさんと共同で作りました。めっちゃ楽しかったです。漸化式を立てるパートを僕が作り、漸化式を解くパートをわるえふさんが作りました。こちらも問題提出時点では600点の想定でした。
前半部分は発想自体はいたって普通で、それ如何にうまく処理できるか?が問われていました。「正多面体を平面グラフにして見通しをよくすることができる」+「複雑な見た目なのに解けそうな漸化式が立つ!」という二点がポイントです。
上の文章では、後半部分は全部僕がやったかのような印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際僕が提案したのは、「余りを求める形式にしてはどうだろうか」ということでした。OMC120(E)のおかげで、3項間の漸化式の余りについて考えた経験がそこそこあったので、「合同特性方程式的な考え方があるぞい!」ということをお伝えして、余りを求める方向性でいくことが確定しました。面白い考え方なので、興味のある方は https://manabitimes.jp/math/1434 を見てみるとよいと思います。
参加してくださった皆さん!ありがとうございました!!
久しぶりのOMCはどうでしたか??