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双子素数が無限にあることの証明

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双子素数が無限にあることの証明

超限帰納法に類似した方法を使います。
まず十分に大きい二つの自然数$k,n∈\mathbb{N}$に対し、$k,k-2,k-4, \cdots, k-2n$の範囲に双子素数$l, m$は存在します。
$101, 99, \cdots ,13,11$$2n$を大きくすれば$k-2n$は双子素数です。)
$l+m=k-2n$(前述の$n$と異なる$n$)とします。
$k=12, n=0$の時$l, m$は存在します。存在する時
「成り立つ」と呼ばせてもらいますね。
$k=6o+6$とします。$o∈\mathbb{N}$です。
$n=p$で、$p \geqq 3$なら$o=2$の時$k=18, 2n=2p=6$で、$k-2n=12$で、$l=5, m=7$があり成り立ちます。
そして、今$k$がどんな大きな値でも、$n=p$を大きくすれば$k-2n=12$です。
この時$l=5, m=7$で成り立ちますし、あるいは$k-2n=6$でも$k=18$なら$l=5, m=7$となり、成り立ちます。
(追記 この部分は誤りです。$k=18, n=3$なら$k-2n=12$で成り立ちます。)
つまり$N$をある存在する十分大きな自然数とした時に$p \geqq N$なら、$l+m=k-2n$が自然数で存在しているということが分かります。存在しているだけで$l, m$の組が存在し、双子素数$l, m$が存在することに注意して下さい。
それだけ証明できれば十分です。

そして、小さい双子素数に関しては列挙することで存在が証明できます。それを付け加えると、実質これで双子素数が存在することが証明できています。
では今度は、$p< N$の場合を証明しましょう。
そもそも何を証明したらいいんだっけ、となりますが、こっちが本丸で大事な所です。
$p=n$が小さいので、$k-2n$はとてつもなく大きくなる可能性があります。従ってこちらの方で無限に存在することを示せれば、証明したことになります。
今度は隣り合った双子素数の和を小さい方から並べた数列$T$と、その数列の隣り合う数同士の差を並べた数列$U$を考えます。$k-2n$同士の引き算です。$T$の差を取る数の、大きい方の添字を2とし、小さい方の添字を1とします。

一応数列の項は$K_q$$K_{q-1}$とします。$K_q>K_{q-1}$
$k=6o+6$なので、引き算すると$k_2-k_1=6(o_2-o_1)$となります。$2n$同士で引くと$2(n_1-n_2)$となります。
この二つの和は$6(o_2-o_1)+2(n_1-n_2)$となります。
ここで$k$を固定します。というのは、$k-2n$がどんな値であっても、$k$をムチャクチャ大きな数として定めてしまい、そこから$2n$を引くことで任意の値の$k-2n$を作ることができるということです。今$p=n$は小さいと言っても、あるとてつもなく大きな数$N$より小さいだけで、この$N$に上限は存在しません。

従って、$k$を十分に大きく取った後で、$N$を必要なだけ十分に大きく定め、そこで$p=n$$p< N$の範囲で大きく取ることが可能です。勿論二つの数の$k$が同じ値だとは言っていませんが、こうすることで$k_2-k_1=6(o_2-o_1)$の値が十分小さいことを示すことができます。
もっと分かりやすくするなら、$k_1=k_2=T$(既出の数列$T$のことではありません。)、みたいに置いて$n_1, n_2$だけを変化させても一般性は失われません。 
とにかく2つの$k, k_1$$k_2$の差は有限で、しかも十分小さいです。

更に、$2(n_1-n_2)$に関してですが、マイナスの付いた部分はどうでもいいので消去すると、$2n_1$が残ります。今$k-2n$$n$$p$として、$p< N$と置いたので、$p$は十分小さいです。つまり$2n_1$も十分小さいです。
従って、
$K_q-K_{q-1}=k_2-k_1+2(n_1-n_2) ≦K+2p-2n_2 < K+2N-2n_2$
とおけます。こうです。

つまり、双子素数の和$K_q$を数列として見た時に、
任意の十分大きな$K_q$と、一つ前の項$K_{q-1}$の差は、
$K_q-K_{q-1}< K+2N-2n_2$という風に押さえることができます。無限にはならないです。
つまり「隣り合った双子素数の和」の数列の隣り合った項同士の差は、有限です。
従って無限に双子素数が存在することが分かりました。証明終わり。

隣り合った双子素数の和の平均nが6の倍数になることは既に証明済みです。場合分けすると、簡単に分かります。
mを自然数として
$m=6k, 6k+2, 6k+3, 6k+4$の場合mは$2$$3$で割り切れるので、
$N=6k+1, 6k+5$しか素数になり得ません。その和は$6k+6=6(k+1)=6j$です。$(j=k+1)$

応用

拙作の
「ある特殊な性質を持った自然数が無限個あることの証明」
も参照のこと。この証明の応用の、一般化したものと同じことを証明している。
「レモワーヌの予想の証明」も参照のこと。

投稿日:2023418
更新日:2023129

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