∏i⊥n,0<i<ni≡−1(modn)
nが素数の場合、これはウィルソンの定理になります。個人的にウィルソンの定理の証明は原始根を使う証明が好きなのですが、一般の(Z/nZ)×では原始根が存在するとは限らないので、この命題の証明では因数定理を使います。
a⊥n⇒aφ(n)≡1(modn)
(証明略)
では命題1の証明に入ります。
f(x)=xφ(n)−1を考える。定理2よりi⊥nかつ0<i<nであるような全てのiについてf(i)≡0(modn)が成り立つので、因数定理よりf(x)は∏i(x−i)を因数にもつ。f(x)と∏i(x−i)は共に次数φ(n)かつ最高次の係数がどちらも1なので、∏i(x−i)≡f(x)(modn)である。これにx=0を代入すると(−1)φ(n)∏ii≡−1(modn)が分かり、定理2から導かれる(−1)φ(n)≡1(modn)と合わせて所望の式を得る。
有限体上へと一般化できるフェルマーの小定理と同様に、ウィルソンの定理も有限体上へと一般化できる。すなわち、以下のような定理が成り立つ。
有限体Kの全ての非零元の積は乗法単位元の加法逆元と等しい。
以下、Kの零元を0、乗法単位元を1、乗法単位元の加法逆元を-1と略記する。Kから0を除くと可換な乗法群が得られ、これは逆元を取る操作について閉じている。特に、Kから0,1,-1を除いた集合はA∪B=K−{0,1,−1},∀a∈A∃b∈B{AB=1}を満たすように2つの集合A,Bに分割できる。有限体は可換であるので、所望の値は∏a∈K−{0}a=1×(−1)×∏x∈A,y∈Bxy=1×(−1)×1=−1である。
原始根なんてなかったんや
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