以下の の無限積は,以下のように高校範囲で証明することができる.
詳しく書けば長くなるので,以下に証明のプロットのみを示す.興味のあるかたは実際に手を動かして計算してみてほしい.なお,以下の証明はDavid Salwinski氏が2018年にThe College Mathematics Journalに公開したものである.
(i)とおいたとき,漸化式が成り立つことを示す.
(ii)被積分関数に注目したときに導かれる漸化式と,がによらない定数になるという事実および(i)の
漸化式を用いて.が成り立つことを示す
(iii)不等式および,等式がで成り立つことから得られる,において成り立つ不等式を示す.
(iv)を上連続であり,「上にある任意の実数に対してとなる」ような正の実数が存在するような関数とするとき,が成り立つことを示す.
注意:において(iii)と(iv)の不等式を用いて,積分可能な無理関数の積分に帰着したのち,(ii)の不等式を用いて上から評価すると,が0に収束することが分かる.
(v)とおいて,固定された0でない実数に対する数列
についての漸化式
を導く.
(vi) (v)の漸化式を繰り返し適用してつぎの等式を導く.
(vii) (iv)において,とおいて,のにおける極限が1であることを示す.
ここから
を導くことができる.