$m$次元コンパクト多様体$M$から$n$次元多様体$N$への単射はめ込みは、埋め込みである。
はめ込みなので明らかに$m\leq n$であり、定ランク定理を使ってくれと言わんばかりの状況なので積極的に使っていきます(?)
$f$ははめ込みなので連続。従って、$f$はコンパクト空間からHausdorff空間$f(M)$への連続全単射なので、同相写像である。
また、$f$がはめ込みなので、その微分は各点で単射。
従って、各点$p\in M$とその近傍$U$に対して定ランク定理より、$f$を局所座標でみると、$\mathbb R^n$の後ろ$m-n$成分が全て0となるような局所座標が存在し、それによって$f(U)$が$N$の部分多様体として局所的に埋め込まれている事がわかる。
このようにして、各点$f(p)$にチャート$(f(U),\phi\circ f^{-1})$が存在する事がわかり、$f(M)$はこれにより$N$の部分多様体である事がわかる。
故に、定理1.3.1(部分集合が部分多様体であることの必要十分条件は、それが埋め込みの像であること)より、$f(M)$は埋め込みの像である事から従う。
以下の問題1.3.2にはパラコンパクト性(連結なので第二可算でも同じ)が元々仮定されてないですが、明らかに必要な気がするため追加しています。(それこそ長い直線とかを考えると…。)
連結Hausdorff・非コンパクトな$ C^r $級パラコンパクト多様体$M(r\geq0)$には、半直線$ [0,\infty) $を$ M $に閉$C^r$埋め込みできる。
埋め込みが閉という条件から、$M$上の半直線は外側に伸びていくものを構成すれば良いことは分かりますね。
左:埋め込みが閉ではない 右:埋め込みが閉
また、もしかしたら円になるように構成すればと思うかもしれませんが、これは埋め込みがその像に同型である事から、コンパクト性を考えるとそれはできない事がすぐに分かります。
多様体の“外側”に向かうように無限個の点列$\{p_n\}$をとって(上手くコンパクト増大列$\{K_n\}$をとって、各$n$に対して空でない$K_{n+1}\backslash K_n$の元を取れば良い。多様体がコンパクトでないので、この操作は可能。)、それを“外側に”結んで出来る区分的に$C^r$級な曲線をとる(これも連結性と$C^r$級微分構造を持っているから可能)。
また、各点$p_n$周りを局所座標で見て、区分的に$C^r$な曲線の角を平滑化したものを多様体に引き戻せば、それにより全体で$C^r$級の単射properな曲線$\gamma:[0,\infty)\to M$を得る。
これは局所コンパクトHausdorff空間への曲線なので、“位相的に”埋め込みである。
よって$r=0$ならこれで証明が完了。以降は$r\geq 1$を仮定する。
示すべきは、$\gamma'(t)\neq 0$となるように曲線を取り直せることである。
仮に、$\gamma'(t_0)=0$なる点$t_0$があったとする。このとき、適当に小さい$t_0$開近傍$I$と、$\gamma(t_0)$の開近傍$B\subset M$をとって、$B\cap \gamma[0,\infty)=\gamma(\overline I)$、
$\gamma'(t)\neq 0,(t\in I)$、かつ$I$の端で、もとの$\gamma$と$r$階微分まで一致、となるように$\gamma$を$t_0$付近で摂動させて取り直せる。
特に、$B$を十分小さくとってこの取り直しを行うことで、各点で干渉せずにこの操作を行えるため、よってこれにより$\gamma$の微分が各点で$0$にならないように$\gamma$を取り直せる。
故にこの$\gamma$により、$M$への閉$C^r$埋め込みができる。
今回は$r\geq 0$なので使えないですが、$r\geq 2$なら、以下の方法で示せるようです。
条件を満たす多様体にはproper(逆像がコンパクト)な関数$h:M\to [0,\infty)$が存在する$\to$Sardの定理より正則値$c$が存在する$\to$それにより$n-1$次元部分多様体$h^{-1}(c)$が存在$\to$その法線方向のベクトル場$\nabla h $の積分曲線を使用する