今回は高校数学で出てくる整数の証明問題をできるだけ短く解いてみます。
(問題1)
が偶数であるとき、も偶数であることを証明しなさい。
この問題は対偶を習ったあたりで出てくるので元の命題の対偶を証明するのが一般的ですね。
(証明1)
元の命題の対偶は「が奇数のとき、も奇数」である。
が奇数のとき、整数を用いてと表すことができ、より、対偶が真なので元の命題も真である。 □
対偶を取ると記述量が増えてしまうので対偶を取らずに証明してみます。
(証明2)
がで割りきれる最大の回数をとする。
が偶数なのでより、。
従って、は偶数である。 □
対偶を取っていない分短くなりましたが、新たな変数を定義すると記述量が増えてしまうので、新たに変数を定義せずに証明してみます。
(証明3)
は偶数なので、は偶数である。□
32文字です。これでいいでしょう。
ですが、先生が同じ問題ばかり出してくるとは限らないので数字を変えて解いてみましょう。
(問題2)
がの倍数であるとき、もの倍数であることを示せ。
この問題は先ほどとは違って、はの倍数にならないときもあるので、少し工夫が必要です。
(証明)
はの倍数なので、はの倍数である。 □
の倍数には何を掛けてもの倍数のままなのでがの倍数がの倍数としたのがポイントです。
また、上に挙げたもの以外の数字、例えばのときだと
と変形することで同様に解くことができます。
次の問題にいきます。
(問題3)
をで割った余りがまたはであることを示せ。
この問題は数Aで出てきたと思います。
(証明1)
(i)のとき、より、をで割った余りはである。
(ii)のとき、より、をで割った余りはである。
(iii)のとき、より、をで割った余りはである。
従って、をで割った余りはまたはである。□
場合分けが多いので、書いていると手が疲れますね。
従って、次のような証明を思いつきました。
(証明2)
はの倍数なので、もの倍数である。
これより、のいずれか一方はの倍数なので、をで割った余りはまたはである。 □
今回はここまでにします。お読みいただきありがとうございました。