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高校数学(1) 整数の証明問題

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今回は高校数学で出てくる整数の証明問題をできるだけ短く解いてみます。

(問題1)
n2が偶数であるとき、nも偶数であることを証明しなさい。

この問題は対偶を習ったあたりで出てくるので元の命題の対偶を証明するのが一般的ですね。

(証明1)
元の命題の対偶は「nが奇数のとき、n2も奇数」である。
nが奇数のとき、整数kを用いてn=2k+1と表すことができ、(2k+1)2=2(2k2+2k)+1より、対偶が真なので元の命題も真である。 □

対偶を取ると記述量が増えてしまうので対偶を取らずに証明してみます。

(証明2)
n2で割りきれる最大の回数をkとする。
n2が偶数なので2k1より、k1
従って、nは偶数である。 □

対偶を取っていない分短くなりましたが、新たな変数を定義すると記述量が増えてしまうので、新たに変数を定義せずに証明してみます。

(証明3)
n(n1)は偶数なので、n=n2n(n1)は偶数である。□

32文字です。これでいいでしょう。

ですが、先生が同じ問題ばかり出してくるとは限らないので数字を変えて解いてみましょう。

(問題2)
n23の倍数であるとき、n3の倍数であることを示せ。

この問題は先ほどとは違って、n2±n3の倍数にならないときもあるので、少し工夫が必要です。

(証明)
(n1)n(n+1)3の倍数なので、n=nn2(n1)n(n+1)3の倍数である。 □

3の倍数には何を掛けても3の倍数のままなのでn23の倍数n33の倍数としたのがポイントです。
また、上に挙げたもの以外の数字、例えば5のときだと
n=n5(n2)(n1)n(n+1)(n+2)+5n(1n2)
と変形することで同様に解くことができます。

次の問題にいきます。

(問題3)
n23で割った余りが0または1であることを示せ。

この問題は数Aで出てきたと思います。

(証明1)
(i)n=3kのとき、n2=9k2=3(3k2)より、n23で割った余りは0である。
(ii)n=3k+1のとき、n2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1より、n23で割った余りは1である。
(iii)n=3k+2のとき、n2=9k2+12k+4=3(3k2+4k+1)+1より、n23で割った余りは1である。
従って、n23で割った余りは0または1である。□

場合分けが多いので、書いていると手が疲れますね。

従って、次のような証明を思いつきました。

(証明2)
(n1)n(n+1)3の倍数なので、n(n1)n(n+1)=n2(n21)3の倍数である。
これより、n2,n21のいずれか一方は3の倍数なので、n23で割った余りは0または1である。 □

今回はここまでにします。お読みいただきありがとうございました。

投稿日:20201111
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