以下がコンテスト内容になります。
[1]容易編
概ね簡単な問題から順に並んでいる。
√((782!+783!+785!)/782!)を求めよ。
S(n)R(n)=nとなる自然数nについて、3番目に小さいものを求めよ。
S(n)とはnの各位の和であり、R(n)はnの各位を逆順に並び替えたものである。
(ただし、並び替えた後、余分な0は削除する)
例えば、R(406500)=5604,S(7809)=24である。
四角形ABCDは円に内接し、ΔBCDは直角二等辺三角形である。また、AB<ADである。劣弧CDの中点をEとし、BE,ACの交点をFとして、AB=CFが成立した。AC,BDの交点をGとして、ΔABG/ΔCDGを求めよ。
x^4-34x^3+373x^2-1526x+1777=0の4つの実数解を辺の長さとする
円に内接する四角形の面積を求めよ。
[2]困難編
注意:飛躍的に難易度が上がっています。
あつなべ君は1から10^100まで数えて、次のどちらかのときに賢者になる
・7の倍数である
・10進法で表したときに7が含まれる
あつなべ君は何回賢者になるか。
729^n-2n^2+4n-3は、3^n-nで割り切れた。このような自然数nを全て求めよ。
ΔABCの垂心をH,外心をOとする。BC,CA,ABの中点をD,E,Fとし、ΔDEFの内心をSとする。また、ΔABCの内接円と、CA,ABの接点をP,Qとし、BP,CQの交点をGとする。GSとOHの交点をXとする。GX=27,XS=13のとき、OX/XHを求めよ。
ある自然数n以下の自然数全てを2-9の後ろの黒板に書いて、TさんとYさんで交互にゲームを行う。Tさんが先手で、Yさんが後手である。
ルール
自分のターンのとき、何らかの自然数mを選んで、mの倍数の自然数を黒板から消すと、黒板から自然数が1つ以上消える。その後相手のターンになる。
黒板の自然数が全て消した方が負けになる。
このゲームがYさん必勝になるような
nのうち、最小の偶数となるものを求めよ。
解説
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$\displaystyle \begin{array}{{>{\displaystyle}l}}
\\
( 1)\sqrt{\frac{782!+783!+785!}{782!}}\\
=\sqrt{\frac{782!+782!\times 783+782!\times 783\times 784\times 785}{782!}}\\
=\sqrt{1+783+( 784-1) \times 784\times ( 784+1)}\\
=\sqrt{784+784( 784\hat{}2-1)}\\
=\sqrt{784^{3}}\\
\\
=21952\\
\\
( 2)\\
1桁で成立するのはn=1のみ。\\
\\
[ 補題] 1< nで、R( n) S( n)\\
=nが成立するとき、nの1の位は0である。\\
\\
[ 証明]\\
nの1の位が0でないなら、R( n) とnの桁数は一致するので、\\
m+1を桁数として、\\
n/R( n) \leq 9\\
S( n) \leq 9\\
0\leq A_{i} \leq 9( 0\leq i\leq m) として、\\
n=10^{m} A_{m} +10^{m-1} A_{m-1} +\dotsc +10A_{1} +A_{0} と表すと、\\
10^{m} A_{m} +10^{m-1} A_{m-1} +\dotsc +10A_{1} +A_{0}\\
=\left( A_{m} +10 A_{m-1} +\dotsc +10^{m-1} A_{1} +10^{m} A_{0}\right)( A_{m} +A_{m-1} +\dotsc +A_{1} +A_{0})\\
9を法として、\\
S( n) \equiv S( n)^{2}\\
0\equiv ( S( n) -1) S( n)\\
S( n) \leq 9だから、S( n) =1または9\\
S( n) =1ならばnの1の位が0でないのでn=1のみ条件を満たす。\\
S( n) =9ならばA_{m} =1,A_{0} =9となるので不成立。\\
\\
nの1の位が0であるとき、S( n) =10k\ ( kは自然数)\\
ありうるnを順に並べると、\\
190,280,370,460,550,640,730,820,910,1090,1180,1270,1360,1450,1540,\\
1630,1720,1810\dotsc \\
この中で10R( n) =nとなるのはn=550,1810,2620,\dotsc \\
よって1810が答え。\\
\\
( 3) 四角形BCDの外接円の中心をOとする。\\
C'Cの中点がOとなるようにC'をとる。\\
円周角より、\angle BEC=\angle BDC=45度\\
Pを\angle BCOの二等分線と外接円の交点で、Cでない方とすると、\\
四角形PBCEは等脚台形となり、AB=CE\\
P,O,Eは共線で、\angle ACE=90度だから、PCとBEの交点をF'として、\\
\Delta F'CEは二等辺三角形であり、PB=F'C\\
PはAについての条件を満たす。\\
CFの最大値はBCであり、Aが孤C'D上だとAB >BCで、条件は満たさない。\\
Bから始めて、Aを動かすと、ABはだんだん大きくなるのに対して、\\
CFはだんだん小さくなる。よってAはPでないと条件を満たさない。\\
CD=\surd 2BO\\
余弦定理より、\\
AB^{2} =( 2-\surd 2) BO\\
\Delta ABG\sim \Delta CDGより、\\
\Delta ABG/\Delta CDG=AB^{2} /CD^{2} =\frac{2-\sqrt{2}}{\left(\sqrt{2}\right)^{2}} =\frac{2-\sqrt{2}}{2}\\
\\
( 4)\\
\\
ブラーマグプタの公式より、方程式の解をa,b,c,d,\\
s=\frac{a+b+c+d}{2}\\
とすると、\sqrt{( s-a)( s-b)( s-c)( s-d)}\\
が答えとなる。f( x)\\
=x^{4} -34x^{3} +373x^{2} -1526x+1777=( x-a)( x-b)( x-c)( x-b)\\
\\
として、解と係数の関係より、a+b+c+d=34で、s=17\\
よって、\sqrt{f( 17)}\\
\\
を計算すると\sqrt{111}\\
\\
( 5)\\
\\
母関数を用いて解くことができる。各位に7を含まず、\\
なおかつ7の倍数であるような整数( 0〜10^{100}-1)\\
の個数を求める。\upzeta を1の7乗根として、\\
f( x) =\left( 1+2x+2x^{2} +x^{3} +x^{4} +x^{5} +x^{6}\right)^{17}\left( 1+x+2x^{2} +x^{3} +2x^{4} +x^{5} +x^{6}\right)^{17}\\
\left( 1+x+x^{2} +2x^{3} +x^{4} +x^{5} +2x^{6}\right)^{17}\left( 1+2x+x^{2} +x^{3} +2x^{4} +x^{5} +x^{6}\right)^{17}\\
\left( 1+x+x^{2} +2x^{3} +x^{4} +2x^{5} +x^{6}\right)^{16}\left( 1+x+x^{2} +x^{3} +x^{4} +2x^{5} +2x^{6}\right)^{16}\\
\\
\sum _{i=1}^{\infty }\left[ x^{7i}\right] f をもとめよう。\\
これは\frac{f( 1) +f( \upzeta ) +f\left( \upzeta ^{2}\right) +f\left( \upzeta ^{3}\right) +f\left( \upzeta ^{4}\right) +f\left( \upzeta ^{5}\right) +f\left( \upzeta ^{6}\right)}{7} と一致する。\\
f( 1) =9^{100}\\
f( \upzeta ) =\left( \upzeta +\upzeta ^{2}\right)^{17}\left( \upzeta ^{2} +\upzeta ^{4}\right)^{17}\left( \upzeta ^{3} +\upzeta ^{6}\right)^{17}\left( \upzeta +\upzeta ^{4}\right)^{17}\left( \upzeta ^{3} +\upzeta ^{5}\right)^{16}\left( \upzeta ^{5} +\upzeta ^{6}\right)^{16}\\
=( 1+\zeta )^{33}\left( 1+\zeta ^{2}\right)^{33}\left( 1+\zeta ^{3}\right)^{33}\left( \upzeta +\upzeta ^{4}\right)\\
=\left( 1+\zeta +\zeta ^{2} +2\zeta ^{3} +\zeta ^{4} +\zeta ^{5} +\zeta ^{6}\right)^{33}\left( \upzeta +\upzeta ^{4}\right)\\
=\zeta ^{99}\left( \zeta +\zeta ^{4}\right) =\zeta ^{2} +\zeta ^{5}\\
f( \upzeta ) +f\left( \upzeta ^{2}\right) +f\left( \upzeta ^{3}\right) +f\left( \upzeta ^{4}\right) +f\left( \upzeta ^{5}\right) +f\left( \upzeta ^{6}\right)\\
=2\left( \zeta +\zeta ^{2} +\zeta ^{3} +\zeta ^{4} +\zeta ^{5} +\zeta ^{6}\right) =-2\\
よって、\sum _{i=1}^{\infty }\left[ x^{7i}\right] f=\frac{9^{100} -2}{7}\\
各位に7を含まず、なおかつ7の倍数であるような整数( 1〜10^{100})\\
の個数と一致する。\\
7を含むものの個数は10^{100} -9^{100} だから、\\
10^{100} -9^{100} +\frac{9^{100} -2}{7} =10^{100} -\frac{6\times 9^{100}}{7} +\frac{2}{7}\\
これが答え。\\
\\
( 6)\\
\frac{729^{n} -2n^{2} +4n-3}{3^{n} -n} が整数になればよい。\\
729^{n} \equiv \left( 3^{n}\right)^{6} \equiv n^{6}\left( mod\ 3^{n} -n\right)\\
n^{6} -2n^{2} +4n-3\equiv 0と同値\\
n^{6} -2n^{2} +4n-3\geq 3^{n} -n\\
n >3ならn^{6} \geq 3^{n}\\
14^{3} =2744\\
3^{7} =2187\\
よって、n\geq 14のとき成立しない。\\
n=1,2,3,\dotsc ,13を調べたらよい。\\
n=1,3,11が答えとなる。\\
\\
( 7) G'を重心、Mをmittenpunktとする。\\
ここでは、Mを、半直線GG'上で、GG':G'M=2:1となる点と定義する。\\
Sはシュピーカー点、Gはジュルゴンヌ点である。\\
オイラー線よりO,G',Hは共線で、OG':G'H=1:2\\
[ 補題]\\
H,S,Mは共線\\
[ 証明]\\
重心座標を用いるとできる。\\
\\
よって、メネラウスの定理より、\\
1=\frac{GS}{SX}\frac{XH}{HG'}\frac{G'M}{MG} =\frac{40}{13}\frac{XH}{HG'}\frac{1}{3}\\
\frac{HG'}{XH} =\frac{40}{39} \ \\
オイラー線より、\\
\frac{OX}{XH} =\frac{OH}{XH} -1=\frac{3}{2}\frac{HG'}{XH} -1=\frac{20}{13} -1=\frac{7}{13}\\
これが答えである。\\
\\
( 8) 答えは32だ。この問題は、人間が答えられることを想定していない。後退解析を用いて\\
答えを出すには考慮すべき局面が約10^{6} 個になる。\\
\\
にも関わらず、正解した人間が現れた。ぜひ解法を教えて下さい。\\
\end{array}$