こんにちは.今回は,初心者向けにJMO2024予選6の解説をしたいと思います.幾何を解くうえで大事なテクニックが凝縮されている問題なので,解いてない人は一度自力で挑戦してみましょう.
さて解説です.
まずは,ざっくりでいいので図を書いてみましょう.めちゃくちゃ正確な図は書かなくていいです(書けるに越したことはないですが,難しいことも多いです).
図が書けたら,問題の考察に入ります.ぱっと見接するという条件がだいぶ奇妙です.そして見えることがあまりないです.私も試験本番は,初手が見えずにかなり焦っていました.さて,困ったしまったので,ここで原則に戻ってみます.
鉄則
.相似,共円を探せ
ということで,相似や共円を探してみましょう.
鉄則
. 円が接するときは,接点における共通接線を考えよ.
点
となるので,
が成り立ちます.よって,
ここで,
あともう一息です.ここまでで得た結論をまとめてみましょう.
円に内接する四角形
これより,以下の式が成り立ちます.
長さを代入すると,
よって,
かなり詳しめに解説をしましたが,どうだったでしょうか.詰まったら共円を疑う.円が接しているときは接線を考える.などの考え方は非常に重要です.また,OMCやJMOのような求値問題では,長さを扱う公式であるトレミーの定理は必須知識と言っていいでしょう.知らなかった方はぜひ覚えてみてください.
また,今後も初心者向けに,詳しい解説を出していこうと考えています.一定層は幾何を敬遠しがちという話を聞いたことがありますが,少なくともJMOレベルであれば,原則をしっかり理解できていれば解けることが多いです.頑張ってください.