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JGMO解説

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本記事について

先日行われたJGMO(EGMOの代表選抜的なやつ,詳しくは知らない)の問題を解いてみました。せっかくなので記事にしようと思いました。問題は https://www.imojp.org/archive/mo2026/jgmo/problems/jgmo1q.pdf
です。本稿には問題文を載せることはしませんので、問題文が見たい方はこのリンクを参照してください。

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本編

問1

$98\times 98$のマスに入る黒マスの個数の最大値を求めれば良いです。$2\times 2$のマス目$49\times 49$個に分割すれば、各$2\times 2$には高々黒マスは一つしか入らないことがわかるので、求める答えは$2500-49\times49$以上だとわかります。構成は$(i,j)$で上から$i$行目、左から$j$列目を表す時、$i$$j$が共に奇数のマスを黒く塗れば良いです。
答え:$2500-49 \times 49$

問2

$n\leq b_n$を示せば良いです。帰納法を使います。

base case

$b_1$は正の整数なので$1\leq b_n$

induction steps

$n\leq b_n$が成立しているとして$n\leq b_{n+1}$を示します。
$b_n=n$の時、
$b_{n+1}=\frac{a_1+a_2+\dots + a_{n+1}}{n+1}=\frac{nb_n+a_{n+1}}{n+1}>\frac{n^2-1}{n+1}=n-1$
及び、$n=b_n\neq b_{n+1}$より$n+1\leq b_{n+1}$
$n+1\leq b_n$の時、
$b_{n+1}=\frac{nb_n+a_{n+1}}{n+1}>n$
すなわち、$n+1\leq b_{n+1}$

よって示されました。あとは、$b_n=n$を示せば$a_n=2n-1$が自動的に決まりますが、$b_n=n$は帰納法で示せます。

問3

$2^m\equiv 8n^6+n^2-1\equiv -1\pmod 3$なので、$m$は奇数。
従って、$2^{m+1}=2(8n^6+n^2-1)$は平方数なので、
$(4n^3)^2\leq16n^6+2n^2-2< (4n^3+1)^2$
であり、左側の不等式の等号が$n=1$の時のみ成立することに注意すれば、あとは適当に計算すれば良いです。
答え:$(n,m)=(1,3)$
なお、$(n,m)=(1,3)$は確かに与式を満たす。

問4

より一般に任意の整数$n$について問題文の$100$$2n$に変えて$m=n^2$になることを示します。

upper bound

まず、全部$\neq$の時を考えます。割り当てる$0,1$の個数をそれぞれ$s,t$とすると$s+t=2n$です。また、成立する式の個数は、$\{x_i,x_j\}=\{0,1\}$であるような$\{i,j\}$の個数に等しく、これは$st\leq (\frac{s+t}{2})^2=n^2$個です。よって答えは$n^2$以下です。

lower bound

逆に、いかなる場合においても適切に$0,1$を割り当てることで$50^2$個以上の式が成立することを帰納法で示します。

base case

$n=1$の時、$1\leq i < j \leq 2n$なる$i,j$$1$組しか存在しないためupper boundと合わせて$m=1^2$です。

induction steps

$n=2k$$m=k^2$である時、$n=2(k+1)$$m=(k+1)^2$を示します。
仮定より$1\leq i< j\leq 2k$なる$(i,j)$について、黒板に書かれた式を満たす組が$k^2$個以上存在するような$0,1$の割り当て方が存在します。
また$ 1\leq i\leq 2k$であり、$(i,2k+1)$が黒板に書かれた式を満たすような$i$$\frac{2k}{2}=k$個以上存在するように$x_{2k+1}$$0$または$1$を割り当てることができます。
更に、$1\leq i\leq 2k+1$かつ$(i,2k+2)$が黒板に書かれた式を満たすような$i$$\lceil \frac{2k+1}{2} \rceil=k+1$個以上存在するように$x_{2k+2}$$0$または$1$を割り当てることができます。
よって全体として$x_1,x_2,\dots,x_{2(k+1)}$$0$または$1$を割り当てる方法であって黒板に書かれた式を満たす組が$k^2+k+(k+1)=(k+1)^2$組以上存在することがわかりました。従って$n=k+1$の時$m=(k+1)^2$です。

以上より、任意の整数$n$に対して答えが$n^2$であることが示されました。
答え:$50^2$

問5

$IJ$が円$IJBC$であることに注意します。
$\angle A=2\alpha,\angle B = 2\beta,\angle C=2\theta$と置きます。

$\angle ARC=180-\angle ACP=180-\angle ACI -\angle ICP=\angle IJP-\theta=90-\angle IAO-\theta=90-(\beta-\theta)-\theta=90-\beta$
$\angle CPJ=180-\angle CBJ=180-(90-\beta)=90+\beta$
よって、$P,C,R$が同一直線上にあることと合わせて、$AR//PJ$です。

同様に、$\angle AQB=90-\theta$及び、$AQ//PJ$なので、$A,R,Q$が同一直線上にあることがわかります。
今、$IP\perp JP//APQ$です。$PQR$の垂心と$P$から$QR$に下ろした垂線の足をそれぞれ$H,D$します。すると、有名事実として、

$\frac{PH}{PD}=\frac{\cos{QPR}}{\sin{PQR}\sin{PRQ}}$

です。

$\frac{\cos{QPR}}{\sin{PQR}\sin{PRQ}}=\frac{\cos{(180-BIC)}}{\sin{(90-\theta)}\sin{(90-\beta)}}=\frac{\cos{(90-\alpha)}}{\cos{\theta}\cos{\beta}}=\frac{\sin{\alpha}}{\cos{\beta}\cos{\theta}}$

いま、$PJ$$AO$の交点を$E$$JI$の中点を$M$とすると正弦定理及び加法定理より、

$\frac{PI}{PD}=\frac{PI}{AE}=\frac{IJ}{AJ}=\frac{2BM}{AM+BM}=\frac{2\sin{\alpha}}{\sin{\alpha}+\sin{(\alpha+2\beta)}}=\frac{2\sin{\alpha}}{\sin{(\beta+\theta)}+\sin{(90+(\beta-\theta))}}=\frac{\sin{\alpha}}{\cos{\beta}\cos{\theta}}$

となるため、$PI=PH$である。従って、$PI\perp QR$及び$PH\perp QR$$I$$H$$\angle QPR$内にあることなどと合わせて$I=H$である。

感想

JGMOは手頃な難易度感で、尚且つ解いていて楽しいので好きです。
誤字脱字や嘘主張などがあれば教えてください。

投稿日:3日前
OptHub AI Competition

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投稿者

ネギみたいなもんです

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