本稿では,確率論におけるBorel-Cantelliの補題の証明を与える.ただし,証明の一部は演習問題になっているため,初学者は実際に手を動かしてみるのが良いだろう.
以下,
Borel-Cantelliの補題には,事象の独立性を要するものとそうでないものがある.初めに独立性が不要なものから証明しよう.
事象の列
を
事象の列
事象の列
が成り立つ.
となり,結論を得る.
事象の列
を
事象の列
が成り立つことを示せ.
独立性が必要な補題を証明するにあたり,事象の列に対する独立性の定義を確認しておこう.
事象の列
が成り立つことを言う.
事象の列
が成り立つ.
任意の
任意の
である.よって,
となり,
事象の列
Borel-Cantelliの補題(1)
の証明中の
(1)
(2)
Borel-Cantelliの補題(2)
の証明について,以下の問いに答えよ.
(1) 任意の
(2) 事象
(3)
(4)
[1]
[2]
[2]より,任意の
[2']
である.よって,再び[1]から
よって,
となり,結論を得る.
任意の
である.よって,仮定より
となる.
となる.従って
である.さらに,これを用いると
となる.従って,
仮定より
となる.