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n人でジャンケンをした時に、あいこになる確率

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n人でジャンケンをした時に、あいこになる確率

n人のジャンケンであいこになる確率について考えたい。
 ※文献による確認などはしてないので間違いを含むかも。
 
1回のジャンケンで出現する手の種類は1~3種類のいずれかである。
n人でジャンケンを1回した時に出現する手が1、2、3種類の場合の事象の数をそれぞれ
anbncnとする。また、あいこになる事象の数をdnと定義する。
(ついでに、それぞれの事象が起こる確率をAnBnCnDnと定義しておく)
事象の数は基本的に(出現する手の選び方)× (各人への手の割り当て方) で求められる。

あいこになるのは、手の種類が1種類または3種類の場合である。
参考までに、3人以下の事象の数を下にまとめる。

3人までの事象の数

人数 n手が1種 an手が2種 bn手が3種 cn全事象
13003
23609
3318627

以下、一般の n人の場合について考察していく。

全事象

各人の手がそれぞれ3通りでるので、全事象の数は3nである。

出現する手が1種の場合

出現する手の選び方が3通りであるので、事象の数は3

漸化式的な考え方

k人の手が決まっていて、k+1人目の手が加わる場合を考える。
手が1種類になるのは、次の条件が同時に成り立つ場合である。

  1. k人の手が1種類
  2. k+1人目が他と同じ手をだす

定義より (1) はak通り。k+1人目が選べる手は1通りであるので

ak+1=ak×1=ak
明らかにa1=3である。したがって
an=3

出現する手が2種の場合

出現する2種の手の選び方は3C2で3通り
この2種から各人が手を選ぶ方法は2n通り。
そのうち全員の手が同じになる場合が2通りであるので、それを引くと
bn=3(2n2)

漸化式的な考え方

手が2種類になるのは、次のような場合である。
(1-1) k人の手が1種類
(1-2) k+1人目が別の手をだす
または
(2-1) k人の手が2種類
(2-2) k+1人目が既出の2種類のうちのいずれかをだす

(1-1)はak通り。(1-2)でk+1人目が選べる手は2通りであるので
(1)の事象の数は2ak通り
(2-1)はbk通り。(2-2)でk+1人目が選べる手は2通りであるので
(2)の事象の数は2bk通り
よって
bk+1=2bk+2ak
ak=3 なので
bk+1=2bk+6
b2=6 なので
{b2=6bk+1=2bk+6
これを解くと n2のとき
bn=3(2n2)
上式はn=1のときも成立する。

出現する手が3種の場合

漸化式的な考え方

手が3種類になるのは、次のような場合である。
(1-1) k人の手が2種類
(1-2) k+1人目が別の手をだす
または
(2-1) k人の手が3種類
(2-2) k+1人目が自由に手をだす

(1-1)はbk通り。(1-2)でk+1人目が選べる手は1通りであるので
(1)の事象の数はbk通り
(2-1)はck通り。(1-2)でk+1人目が選べる手は3通りであるので
(2)の事象の数は3ck通り
よって
ck+1=bk+3ck
したがってn3のとき
cn=3n32n+3=3n3(2n1)=3n3(2n2)3

上式はn=1n=2のときも成立する。

あいこになる事象

あいこになる場合とは、出現する手の種類が2種類でない場合。よって全事象の数からbnを引けば良い。
したがって、事象の数 dn
dn=3n3(2n2)

あいこになる確率

結論として、n人でジャンケンをしてあいこになる確率 Dn
Dn=3n3(2n2)3n

確率一覧(10人まで)

人数 n手が1種 An手が2種 Bn手が3種 Cnあいこ Dn
1100
21323013
319232913
41271427491327
5181102750811727
61243622432027181243
7172914816027296781
812187254218764472919332187
91656117021876050656120172187
10119683102219683622065611866119683

[おまけ]n人でジャンケンして、m人が勝ち抜ける確率(10人まで)

あいこではないことから、出現する手は2種類。出現する手の選び方は3C2で3通り。
m人の勝者を選ぶ方法はnCm通り(n>m)。
よって事象の数は 3nCm 通り。
事象が起こる確率をnWmとすると、
nWm=3nCm3n

人数 n123456789
1
223
31313
442729427
558110811081581
628158120243581281
777297243357293572972437729
88218728218756218770218756218728218782187
917294729282187147291472928218747291729
10101968352187406561706561282187706561406561521871019683

[おまけ2]n人でジャンケンして、自分を含むm人が勝ち残る確率(10人まで)

出現する手の選び方は3C2で3通り。
自分以外のm-1人の勝者を選ぶ方法はn1Cm1通り(n>m)。
よって事象の数は 3n1Cm1 通り。
事象が起こる確率をnWmとすると、
nWm=3n1Cm13n

人数 n123456789
1
213
31929
41271919
5181481227481
61243524310243102435243
71729224352432072952432243
812187721877729352187352187772972187
9165618656128656156656170656156656128656186561
1011968312187421872865611421871421872865614218712187
投稿日:2023811
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tanu
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  1. n人でジャンケンをした時に、あいこになる確率
  2. 3人までの事象の数
  3. 全事象
  4. 出現する手が1種の場合
  5. 出現する手が2種の場合
  6. 出現する手が3種の場合
  7. あいこになる事象
  8. あいこになる確率
  9. 確率一覧(10人まで)
  10. [おまけ]n人でジャンケンして、m人が勝ち抜ける確率(10人まで)
  11. [おまけ2]n人でジャンケンして、自分を含むm人が勝ち残る確率(10人まで)