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エンタメ解説
文献あり

2つ目も赤玉の確率は?

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概要

参考文献参考文献1のサイトに載っていた確率の問題が、モンティ・ホール問題と同じくらい素晴らしかった。ただ、そのサイトに載っている解法の意味が分かりにくかったので考察を記す。

問題(サイト参考文献1から少し修正)

100個のボールが入ったつぼがあります。そのうちn個が赤で、100-n個が緑です。ただし、nは0~100の間で一様分布しています。つぼからボールをランダムに1つ取り出したところ、赤でした。それを捨ててから、残り99個からボールを選ぶとき次に引くボールの色が赤である確率は?

解法

数式で求める解法は参考文献解法文献のサイトで紹介されているので、そちらをご覧いただきたい。

この記事では、問題のサイト参考文献1に載っていた数学者ジョージ・ローザー氏による以下の解法(一部の文言を修正)について考察したい。

つぼに入ったボールを計101個の番号付きボールと見なし、1個を取り除きます。その左側のボールを緑色に、右側のボールを赤色に着色。続いて、2つ目のボールをランダムに選択します。今回の問題では赤いボールを引いたため、最初のボールより右側のボールです。次に選ばれる3番目のボールは『最初のボールの左側』『最初のボールと2つ目のボールの間』『2つ目のボールの右側』のうちの1つになるため、ボールが赤色である確率は2/3です。

3番目のボールが『最初のボールの左側』になる確率と『最初のボールと2つ目のボールの間』になる確率と『2つ目のボールの右側』になる確率は1/3ずつではないので、最初は意味が分からなかった。
例えば、1つ目のボールが51番で、2つ目のボールが53番だった場合、

  • 『最初のボールの左側』になる確率=50/99
  • 『最初のボールと2番目のボールの間』になる確率=1/99
  • 『2つ目のボールの右側』になる確率=48/99

であり、確率は1/3ずつではない。

ところが、以下のように考えれば、合点がいく。

今回の問題は、以下の確率を求めるのと同じである。

問題
まず、1番~101番の101個の白いボールがある。
1つ目のボールを選び黒く塗る。
1つ目のボールより小さい番号のボールを緑に塗り、1つ目のボールより大きい番号のボールを赤に塗る。
1つ目以外のボールから、2つ目のボールを選ぶ。
1つ目、2つ目以外のボールから3つ目のボールを選ぶ。
2つ目のボールが赤だった場合に3つ目のボールも赤色である確率は?

例えば、10番、50番、70番のように特定の3つの番号のボールが選ばれるケースを考える。これら3つのボールがどの順番に選ばれるかによって、2つ目のボールと3つ目のボールの色は変わる。
1つ目、2つ目、3つ目それぞれのボールの番号をi, j, kとする。先ほどの例では、(i, j, k)=(10, 50, 70)である。この場合、1~9番が緑、10番が黒、11~101番が赤であるため、2つ目に選んだ50番も3つ目に選んだ70番も赤である。
i, j, kの大小関係は6パターンあり、それぞれの場合の2つ目のボールの色と3つ目のボールの色は以下のとおりである。

i, j, kの大小関係2つ目のボール(j)の色3つ目のボール(k)の色
パターン1i<j<k
パターン2i<k<j
パターン3j<i<k
パターン4j<k<i
パターン5k<i<j
パターン6k<j<i

この6パターンのうち、2つ目が赤なのはパターン1、2、5の3つであり、そのうち3つ目も赤なのはパターン1、2の2つなので、確率は2/3である。

このことは、(i, j, k)が任意の3つの数の組み合わせで成り立つため、この問題の答えは2/3である。
なお、参考文献解法文献のサイトで解説されている数式による解法でも答えは2/3となっている。

参考文献

投稿日:824
更新日:828
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工学部出身の会社員です。数学は趣味程度です。

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