0
算数解説
文献あり

代数学講義 - §2 - 複素数の四則

19
0
$$$$

§1では、実数の計算のルールをまとめました。
§2では、複素数を扱っていきます。

複素数は実数に比べて難しいです。計算自体は慣れればできるようになりますが、結局、二乗して$-1$になる数って何?という問いに答えられません。
とりあえず、計算をできるようになっておきましょうか。

-複素数の計算-

  • 足し算:$(4+5i)+(6-7i)=10-2i$
  • 引き算:$(9-2i)-(4-6i)=5+4i$
  • 掛け算:$(2+3i)×(6+i)=9+20i$
  • 割り算:$(4+i)÷i=\frac{4+i}{i}=\frac{(4+i)\times i}{i^2}=1-4i$

割り算をもう少し機械的にできるようにするために、次の概念を用意します。

  • 共役複素数:$a+bi$の共役複素数は$a-bi$です。複素数$\alpha$の共役複素数を$\overline{\alpha}$と書きます。
  • ノルム:$N(\alpha)=\alpha\cdot\overline{\alpha}$
  • スプール:$S(\alpha)=\alpha+\overline{\alpha}$

実際に具体的に表示してみましょう。
$N(a+bi)=(a+bi)\times (a-bi)=a^2+b^2$
$S(a+bi)=(a+bi)+(a-bi)=2a$

ノルムは0以上の実数、スプールは実数ですね。

一応計算例を見ておきましょうか。
$N(-5+4i)=(-5)^2+4^2=41$
$S(-5+4i)=-10$

さて、割り算を機械的に行います。
$$\alpha÷\beta=\frac{\alpha}{\beta}=\frac{\alpha\overline\beta}{\beta\overline\beta}=\frac{\alpha\overline\beta}{N(\beta)}$$

例:
$$(4+5i)÷(6-7i)=\frac{(4+5i)(6+7i)}{N(6-7i)}=\frac{-11+58i}{85}$$

参考文献

[1]
高木貞治, 代数学講義
投稿日:516
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

数学や物理にはいつも新しい刺激をいただいています。感謝!

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中