はじめに
この記事ではギャンブルの攻略法の一つであるマーチンゲール法の期待値について考察していきます。
マーチンゲール法とは以下のような賭け方のことを言います。
初めのゲームでは枚のチップを賭ける。それ以降のゲームでは前回の勝敗に応じて次のようにチップを賭けていく。
・前回のゲームで負けたとき、今回のゲームでは前回の倍のチップを賭ける。
・前回のゲームで勝ったとき、今回のゲームでは(前回のベット枚数にかかわらず)枚だけ賭ける。
マーチンゲール法では回連続で負け続け、回目に枚賭けた時点で
枚のチップを失ったことになりますが、今回のゲームで勝てば枚のチップが戻って来るので結果的にチップ枚分の儲けが出ることになります。
このように「勝つまで続ければ儲けが出る」というのがマーチンゲール法の戦略なわけですが、現実的にはゲームのルールや手持ち枚数の関係で一度に賭けれるチップには上限があるので、負けが続くとこの戦略が破綻してしまいそう上手くはいかないようです。
それはそうとして際限なくチップを賭けれるとすれば数学的にはどの程度の儲けが期待されるのでしょうか。
勝つまでやったときの期待値
もっとも有名な議論としては一回勝つか回連続で負けたらゲームを降りることにした場合の話があります。この場合一回のゲームにつき負ける確率がであったとすると回目に勝って終わる確率はでそのときの儲けは枚、回連続で負ける確率はでそのときの儲けは枚なので期待される儲けは
となります。
例えばコイントスのような勝敗が完全にで決まるゲームなら期待値はですし、アメリカンルーレット()のように負ける確率がより大きい場合はとなります。そう上手くはいきませんね。
回のゲームにおける期待値
ただ個人的に何回勝っても何回負け続けてても丁度回だけゲームをやったときはどのくらいの儲けが期待されるのか気になったので、このときはどうなるか実際に計算してみました。
負ける確率がのゲームを丁度回行ったとき、マーチンゲール法による儲けの期待値は
となる。
最終的に合計回勝ち、最後の勝ちから回連続で負けていたときの儲けは枚であり、回目のゲームでは勝ちを収めていることに注意するとその確率は
となる。また一回も勝てなかったときの儲けは枚であり、その確率はなので求める期待値は
と表せる。また
をについて微分することで
が成り立つことに注意するとこれは
と計算できる。
ちなみにのときは
となるのでやはりそう上手くはいかないみたいですね。ついでに言うと
となるので引き際は見極めた方がよさそうですね。
モンテカルロ法によると
しかし期待値の計算に試行錯誤しているときにモンテカルロ法、つまり実際のシミュレーションによって期待値()を推定してみるとその値はどうやら程度になるように見えました。これは上の結果に反する現象ですが、おそらく実際の確率としてはがより若干前後する影響で
と近似され、残るが実測値として現れたのだと思います。
おわりに
つまり実際には勝率のギャンブルならほぼ確実に儲けられる、ってコト!?皆様も賭け事()をするときはマーチンゲール法を試してみてはいかがでしょうか。負けたときの責任は取りかねますが。