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三角関数の中身のずらし方_備忘録

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はじめに

なんとなく、まとめてみたい気分になったので。

$\sin (\pm x \pm \frac{k\pi}{2})$$\cos (\pm x \pm \frac{k\pi}{2})$公式の覚え方

虚数単位$i$の累乗と対応づけて覚える方法がある。
下の表は微分でも同じ並びが出てくるので、覚えておくと良いかも。

$\sin x$$\cos x$のグラフから値を追うことで判断する方法もあり。
加法定理から導くこともできるが、正確に短時間で判断できることが望ましい。

$k$012345
$i^k$$1$$i$$-1$$-i$$1$$i$
$\sin (x+\frac{k \pi}{2})$$\sin x$$\cos x$$-\sin x$$-\cos x$$\sin x$$\cos x$
$k$012345
$i^{-k}$1$-i$$-1$$i$$1$$-i$
$\cos (x+\frac{k \pi}{2})$$\cos x$$-\sin x$$-\cos x$$\sin x$$\cos x$$-\sin x$

求めたいのは$\sin x$$-\sin x$$\cos x$$-\cos x$のどれかなので、
下図のように判断することも可能。
ズレが$2\pi$以上あったり、変数に$-$がついているときは最初にそれを処理するのが良さそう。

脳内でグラフを描くための手がかりとして、
 $\sin x$のグラフ→原点の右側に山がある。
 $-\sin x$のグラフ→原点の左側に山がある。
 $\cos x$のグラフ→原点の位置に山がある。

手順

$\sin (\pm \alpha \pm \frac{k\pi}{2})$$\cos (\pm \alpha \pm \frac{k\pi}{2})$の形の三角関数を簡単にする手順をまとめておきます。
三角関数のグラフを$-\pi \leq x \leq \pi$の範囲でイメージできればいける感じ。

最初に、以下のように記号を定める。
  カッコ内の変数$\alpha$の符号:$\mathrm{sgn}_{\mathrm{v}}$
  カッコ内の定数の符号:$\mathrm{sgn}_{\mathrm{s}}$
  カッコ内の定数の絶対値:$\mathrm{abs}$

  1. 参照するグラフを決める。
      関数が$\cos$$y=\cos x$のグラフ
      関数が$\sin$
        $\mathrm{sgn}_{\mathrm{v}}=+1$$y=\sin x$のグラフ
        $\mathrm{sgn}_{\mathrm{v}}=-1$$y=-\sin x$のグラフ
    $\\[5px]$
  2. 参照すべきグラフの位置を決める。
      $\mathrm{abs}$から適当に$2\pi$を引く
      次のように$\mathrm{abs}$を変換する。変換に応じて新しい符号$\mathrm{sgn}_{\mathrm{t}}$を導入する
    $$\mathrm{abs}=\frac{3}{2}\pi, \frac{7}{2}\pi \implies \mathrm{sgn}_{\mathrm{t}}=-1 ,\quad\mathrm{abs}'=\frac{1}{2}\pi$$
    $$\mathrm{abs}=\frac{1}{2}\pi, \frac{5}{2}\pi, \frac{9}{2}\pi \implies \mathrm{sgn}_{\mathrm{t}}=1 ,\quad\mathrm{abs}'=\frac{1}{2}\pi$$
    $$\mathrm{abs}=0, \pi \implies \mathrm{sgn}_{\mathrm{t}}=1, \quad\mathrm{abs}'=\mathrm{abs}$$
    最終的に、次の$p$を考える。
    $p=(\mathrm{sgn}_{\mathrm{v}} \cdot \mathrm{sgn}_{\mathrm{s}} \cdot \mathrm{sgn}_{\mathrm{t}}) \cdot \mathrm{abs}'$
    $\\[5px]$
  3. グラフを参照し、$x=p$の周辺を観察する
      山の頂点 → $\cos \alpha$
      上り坂 → $\sin \alpha$
      下り坂 → $-\sin \alpha$
      谷底 → $-\cos \alpha$

参照するグラフの種類と参照位置、結果を表にするとこんな感じ

$-\pi$$\displaystyle -\frac{\pi}{2}$$0$$\displaystyle \frac{\pi}{2}$$\pi$
$\sin$${\color{red}-\sin}$${\color{red}-\cos}$${\color{blue}\sin}$${\color{blue}\cos}$${\color{red}-\sin}$
$-\sin$${\color{blue}\sin}$${\color{blue}\cos}$${\color{red}-\sin}$${\color{red}-\cos}$${\color{blue}\sin}$
$\cos$${\color{red}-\cos}$${\color{blue}\sin}$${\color{blue}\cos}$${\color{red}-\sin}$${\color{red}-\cos}$

例題

$$(1)\sin(-\theta+\pi)$$
$$(2)\sin(-\frac{7}{2}\pi-\alpha)$$

解答

定数部分が$\pi$の整数倍のときは
$-\sin$(参照グラフ)の$1$$\mathrm{abs}$) → $\sin$」⇒$\sin(\theta)$
定数部分が$\frac{\pi}{2}$の奇数倍のときは
$-\sin$(参照グラフ)の$-$($\mathrm{sgn}_p$) → $\cos$」⇒$\cos(\alpha)$
みたいに唱えながら解けば、そのうち慣れる気がする。

微分・積分のはなし

$\sin(\pm x)$$\cos(\pm x)$の微分は、元の関数の$x$$\displaystyle x+\frac{\pi}{2}$を代入する。

$\sin(\pm x)$$\cos(\pm x)$の積分は、元の関数の$x$$\displaystyle x-\frac{\pi}{2}$を代入する。

  

投稿日:45
更新日:410

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tanu
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