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1年前のGWに作成した問題とその解説

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まえがき

こんばんは、高3のぱぺです。
去年の途中あたりから作問の能力が落ちてしまったので、とりあえず前に作った問題を振り返る形で今回は問題を投稿します。

問題

a,bを実数とする。方程式z2+a|z|+b=0 を、zCの範囲で解くとき、この方程式の異なる複素数解zの個数を調べよ。










解説

z2+a|z|+b=0 とする。

...z2=a|z|b より z2R
したがって、の解zは実数または純虚数



(I) zが実数のときz=x(xR) と表せる。
...x2+a|x|+b=0
f(x)=x(x+a) とおくと ...f(|x|)=b
ここで、t=|x| とおくと、

{t<0である1つのtに対応するxの値は0t=0に対応するxの値は1(x=0)t>0である1つのtに対応するxの値は2(x=±t)

f(t)=b(t0) を満たすtの個数をそれぞれ考える。
C:u=f(t)のグラフは下に凸であり、t軸と高々2(0,0),(0,a)を共有する。
また、を満たす実数tは、グラフCと直線l:u=bとの共有点のt座標に等しく、
を満たす異なる実数tの個数とC,lの共有点の個数は等しい。

(Ii) a>0 すなわち a<0 のとき
!FORMULA[55][896587593][0] Cu=f(t)(a<0)

図1より、a<0においてを満たす実数解zの個数は、Clの共有点のt座標に対応して

{0(b<a24)2(b=a24,b>0)3(b=0)4(a24<b<0)

すなわち

{0(b>a24)(RA1)2(b<0,b=a24)(RA2)3(b=0)(RA3)4(0<b<a24)(RA4)

また、このとき、z=0(すなわちx=0) を解にもつのは b=0のとき。


(Iii) a0 すなわち a0 のとき

!FORMULA[79][1987616164][0] C:u=f(t)(a0)

図2より、a0においてを満たす実数解zの個数は、Clの共有点のt座標によって

{0(b<0)1(b=0)2(b>0)

すなわち

{0(b>0)(RB1)1(b=0)(RB2)2(b<0)(RB3)

また、このとき、z=0(すなわちx=0) を解にもつのは b=0のとき。

(Ii) (Iii)より、

実数解の個数は
a<0のとき:
{0(b>a24)(RA1)2(b<0,b=a24)(RA2)3(b=0)(RA3)4(0<b<a24)(RA4)

a0 のとき:
{0(b>0)(RB1)1(b=0)(RB2)2(b<0)(RB3)

ただし、z=0(すなわちx=0) を解にもつのはいずれの場合もb=0のときのみである。


(II) zが純虚数のときz=yi(yR,y0) と表せる。
...y2+a|y|+b=0y2a|y|b=0
ここで、(I) の議論でaa, bb, x=y, y0 として同様に進めると、

虚数解の個数は
a<0のとき:
{0(b>a24)2(b<0,b=a24)2(b=0)4(0<b<a24)

a0 のとき:
{0(b>0)0(b=0)2(b<0)

すなわち

a>0のとき:
{0(b<a24)(IA1)2(b0,b=a24)(IA2)4(a24<b<0)(IA3)

a0 のとき:
{0(b0)(IB1)2(b>0)(IB2)



(I) (II)より、について、

実数解の個数は
a<0のとき:
{0(b>a24)(RA1)2(b<0,b=a24)(RA2)3(b=0)(RA3)4(0<b<a24)(RA4)

a0 のとき:
{0(b>0)(RB1)1(b=0)(RB2)2(b<0)(RB3)

虚数解の個数は
a>0のとき:
{0(b<a24)(IA1)2(b0,b=a24)(IA2)4(a24<b<0)(IA3)

a0 のとき:
{0(b0)(IB1)2(b>0)(IB2)


表にすると、以下のようになる。

!FORMULA[158][323304][0]の解の個数を!FORMULA[159][36181841][0]の値で分類したもの の解の個数をa,bの値で分類したもの

したがって、の解zの個数で分類すると、

・解が0個となるような(a,b)はない。

・解が1個となるような(a,b)の条件は
a=0,b=0

・解が2個となるようなa,bの条件は
{a0かつb>0(実数解0個,虚数解2)a<0かつb>a24(実数解0個,虚数解2)a0かつb<0(実数解2個,虚数解0)a>0かつb<a24(実数解2個,虚数解0)

・解が3個となるような(a,b)の条件は
a0,b=0

・解が4個となるようなa,bの条件は
{a<0かつb=a24(実数解2個,虚数解2)a>0かつb<a24(実数解2個,虚数解2)

・解が5個となるような(a,b)はない。

・解が6個となるようなa,bの条件は
{a<0かつ0<b<a24(実数解4個,虚数解2)a>0かつa24<b<0(実数解2個,虚数解4)

以上から、

解答

a=0,b=0 のとき解は1

{a0かつb>0a<0かつb>a24a0かつb<0a>0かつb<a24
のとき、解は2

a0,b=0のとき解は3

{a<0かつb=a24a>0かつb<a24
のとき、解は4

{a<0かつ0<b<a24a>0かつa24<b<0
のとき、解は6

あとがき

ab平面における図示は気の向いたときにしようと思います。

更新欄

2025.6/18.23:40 投稿
2025.6/19.13:10 問題文直後の空白設定

投稿日:21日前
更新日:19日前
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投稿者

高校3年のぱぺです。 文章を作るのは苦手です。数学は好きで、かつ学年の中ではかなり数学が得意なほうです。 ここでは、①作問の投稿 ②高校数学のいろいろの投稿 ③「問題解いてみる」系投稿 を行います。

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