この記事では正三角形であって、すべての頂点が格子点上にあるものは存在しないことを示し、その派生としてすべての頂点が有理点上にあるものは正方形のみであることを示す。
正三角形であって、すべての頂点が格子点上にあるものは存在しない。
正三角形
より
となり
しかし左辺は有理数で右辺は無理数より矛盾。よって題意が従う。
今回は正三角形の場合を示したが、一般に正多角形についても同様のことがピックの定理からわかる。( ピックの定理-wikipedia を参照)また、上の証明は格子点上という条件を有理点に変えても同様なことが成り立つことが容易にわかる。
すべての頂点が有理点上にある正三角形は存在しない。
次の命題はどうだろうか。
すべての頂点が有理点上にある正多角形は正方形のみである。
命題1と同様な手順で考察してみる。
まず、複素平面上にて、原点
ベクトルの考え方より
となる。ただし、途中で以下の命題を用いた。
次の等式
のそれぞれ両辺
命題3を示すには一つの点が原点にあるものについて示せば十分である。よって一つを原点におき
となる。ただし
より
が分かる。
例えば
となる。また
もし仮にこれが
証明は、例えば
有理数となる三角関数の値 - くらげnote
が分かりやすい。
これより、
ゆえに、残すところは
先の議論で、
より
となり矛盾する。ゆえに示された。
追記:よく考えたら有理点の場合も格子点の場合とまったく同様にピックの定理から従うことに気づいた。一辺
以上の議論から命題3:すべての頂点が有理点上にある正多角形は正方形のみであることが分かったわけだが、自分がこの問題を考えたきっかけは、高校数学の正四面体に関する問題を解く際に展開図を描いたことである。このとき正三角形の頂点がすべて格子点上にあったら描くの楽だな、と考えていった結果今回の記事のような内容に行き当たった。
また、ピックの定理を使わない別証明を与えられたのは嬉しいが、途中のチェビシェフ多項式の値が計算できるような気がしなくもなくてもやもやしている。そのあたりも今後調べたい。間違いなどあったらご指摘いただけると嬉しい。