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京都大学 2006年 入学試験 前期理系数学 問題4

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本稿は,筆者がタイトルに示す問題を解いたときに頭の中で考えていたことと,実際の解答を記述したものです。

$2$以上の自然数$n$に対し,$n$$n^2+2$がともに素数になるのは$n=3$の場合に限ることを示せ。

$(n,n^2+2)$の値を見てみると,
$(1,3),(2,6),(3,11),(4,18),(5,27),(6,38),(7,51),(8,66),(9,83),(10,102),(11,123),\cdots$
となっており,$n$が3の倍数でないとき$n^2+2$が3の倍数になっていることが予想される。そこで,$n$を3で割ったときの余りによって分類することで証明を試みる。実際,これでうまくいく。

  1. $n$$3$の倍数であるとき,$n$が素数となるのは$n=3$のみであり,このとき$n^2+2=11$は素数である。
  2. $n=3k+1$$k=1,2,\cdots$)のとき,$n^2+2=3(3k^2+2k+1)$$18$以上の$3$の倍数,すなわち合成数となるから,$n$$n^2+2$がともに素数となることは無い。
  3. $n=3k+2$$k=0,1,\cdots$)のとき,$n^2+2=3(3k^2+4k+2)$$6$以上の$3$の倍数,すなわち合成数となるから,$n$$n^2+2$がともに素数となることは無い。

[1],[2],[3]より,正の整数$n$に対し,$n$$n^2+2$がともに素数となるのは$n=3$のときのみである。

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更新日:81

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