Desargueの定理(デザルグの定理)という、射影幾何を代表する定理があります。この定理を使うと、いくつかの競技数学の問題を解くことができます。
点Oで交わる3直線α、β、γがある。α上に点A₁とA₂、β上にB₁とB₂、γ上に点C₁とC₂をとる。直線A₁B₁とA₂B₂の交点をP、B₁C₁とB₂C₂の交点をQ、C₁A₁とC₂A₂の交点をRとすると、3点P,Q,Rは同一直線上にある。
証明にはメネラウスの定理を使います。証明は巷にあふれているのでここでは書きません(この記事では証明を把握している必要はありません)。
また、Desargueの定理は逆も成り立ちます。すなわち、点P、Q、Rが同一直線上にあるならば、3直線α、β、γは1点で交わります。
この定理を用いることで、「3点が同一直線上にある」ことと「3直線が1点で交わる」を自由自在に言い換えることができるわけです。これが肝であり、競技数学を解くときに役立ちます。では2問見ていきましょう。
三角形ABCは、∠A=90°なる直角三角形で、Dは辺AC上の点である。直線BDに関して点Aと対称な点をEとし、Dから直線BCにおろした垂線と直線CEの交点をFとする。このとき3直線AF、DE、CBは1点で交わることを示せ。(Romanian mathematics Competition 2007)
問1、問題
直線GFとBAの交点P、EFとDAの交点C、EGとDBの交点Qが同一直線上にあれば、Desargueの定理の逆より、題意が示せます。P、C、Qが同一直線上にあることを示します。
∠DCG
=∠ACB
=90°-(∠ABG)
=90°-(∠ABD+∠DBG)
=(90°-∠EBD)-∠DEG
=∠EDB-∠DEG
=∠DQG
より、四角形DGCQは円1に内接します。また、仮定より、5点GDEABも円2に内接します。そして、
∠CQB
=∠CQD
=180°-(∠CGD)
=90°
=∠CAB
より、四角形CQABは円3に内接します。
よって、円1円2円3の根心は点Pとわかり、P、C、Qが同一直線上にあるとわかります。
問1、解答
四角形ABCDは、2組の対辺(AB、CD)、(AD、CB)がいずれも平行ではない四角形である。Aを通り直線BDに平行な直線と直線CDの交点をFとし、Dを通り直線BCと平行な直線と直線ABの交点をEとする。M、N、P、Qを、それぞれ、線分AC、BD、AF、DEの中点とするとき、3直線MN、PQ、ADは1点で交わることを証明せよ。(Romanian mathematics Competition 2008)
問2、問題
線分ADの中点をR、AFとDEの交点をS、ACとBDの交点をTとします。四角形ASDTは平行四辺形だから、3点S、R、Tは同一直線上にあります。また、仮定より、3点Q、R、Nも同一直線上にあります(FQ=QD、AR=RD、BN=NDより)。同様に3点P、R、Mも同一直線上にあるとわかります。よって、Desargueの定理より、A、D、そしてPQとMNの交点は同一直線上にあるとわかります。これで題意が示せます。
問2、解答
Desargueの定理は、発見した時の快感がすごいです。
解法の一つとして知っておいても損はないと思います。
参考文献:平面幾何パーフェクト・マスター めざせ、数学オリンピック