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いつも通りセンター試験をネタにする(2025年版)

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この記事には2025年大学入学共通テスト(センター試験)数学のネタバレが含まれます。受験生の方は先に問題を解いてから閲覧することを推奨します。

今年も大学入学共通テスト(センター試験)の時期がやってきました。つまり、Nayuta Itoが何らかのジョーク記事を書くということです。

今年のネタはこちらです。

2025年大学入試共通テスト数学②第2問(概要のみ)

ある水槽の水草の量は毎日一定の倍率で増えており、$ 3 $日で$ 1.32 $倍になっていることが分かった。$ 14 $日ごとに水草を回収して、回収直前の水草の量が水面全体の$ 60\% $以下になるようにしたい。回収後の水草の量が何パーセント以下であればよいか? 整数で答えよ。

もちろんセンター試験なので常用対数表が与えられましたが、Nayuta Itoには第2ラウンドがあります。対数表が与えられない場合の解き方です。

それでは早速、いつもの方法で解いていきましょう。

方針

$ 1.32 $は完全四度に極めて近いので、答えは$ 500 \cdot \frac{14}{3} = 2333.3\cdots $より$ \frac{60}{4} = 15 $より少し大きいと判断できる。$ 15, 16, 17 $あたりが答えになると予想しておく。

$ 1.32 = \frac{4}{3} \cdot \frac{99}{100} $である。

約分すれば即座に従う。

完全五度の下限

$ 2^{\frac{7}{12}} < \frac{3}{2} $である。

$ 2^{19} = 524288 < 531441 = 2^{12} $であるから、与式の両辺を$ 12 $乗することで容易に示せる。

長三度

$ \frac{5}{4} < 2^{\frac{1}{3}} $である。

両辺を$ 3 $乗することで容易に示せる。

小さい範囲での$ 2 $の冪の近似

$ 0 < x < 400 $のとき、$ \frac{x}{2000} < 2^{\frac{x}{1200}} < \frac{x}{1600} $である。

$ f(x) = 2^{\frac{x}{1200}} $のグラフ$ \Gamma $を考える。点$ A\left(0, 1\right), B\left(400, \frac{5}{4}\right) $を考えると、$ 2^{\frac{1}{3}} > \frac{5}{4} $$ \Gamma $が下に凸であることから、線分$ AB $$ A $を除いて全体が$ \Gamma $より上にある。よって、$ 2^{\frac{x}{1200}} < \frac{x}{1600} $が成り立つ。
$ C\left(-400, \frac{4}{5}\right) $を考えると、線分$ AC $$ A $を除いて全体が$ \Gamma $より上にあるので、直線$ AC $$ C $より左側で$ \Gamma $と交点を持つ。この交点の$ x $座標を$ p $とすると、$ p < x < 0 $の範囲で$ f(x) $に平均値の定理を適用することで$ f'(a) = (AC\text{の傾き}) $となる$ a $$ p < a < 0 $の範囲に存在することが分かる。$ f'(x) $は単調増加なので、$ x > 0$$ f'(x) > (AC\text{の傾き}) = \frac{1}{2000} $であり、$ \frac{x}{2000} < 2^{\frac{x}{1200}} $が示された。

完全五度の上限

$ \frac{3}{2} < 2^{\frac{702.5}{1200}} $である。

$ \frac{531441}{524288} < 1.015 $である。したがって、補題3の$ x $$ 30 $を代入することで$ 1.015 < 2^{\frac{30}{1200}} $が従い、$ \frac{531441}{524288} < 2^{\frac{30}{1200}} $と合わせて$ \frac{3}{2} < 2^{\frac{702.5}{1200}} $を得る。

上の補題から容易に示せる補題をいくつか並べます。

完全四度

$ 2^{\frac{497.5}{1200}} < \frac{4}{3} < 2^{\frac{500}{1200}} $である。

99:100

$ 2^{\frac{16}{1200}} < \frac{100}{99} < 2^{\frac{21}{1200}} $である。

1.32

$ 2^{\frac{476.5}{1200}} < 1.32 < 2^{\frac{484}{1200}} $である。

14日分の倍率

$ 2^{\frac{2223}{1200}} < {1.32}^{\frac{14}{3}} < 2^{\frac{2259}{1200}} $である。

これを使って主定理を示します。

$ 16 < \frac{60}{{1.32}^{\frac{14}{3}}} < 17 $である。

$ 60 \cdot \frac{1}{15} = 2^{\frac{2400}{1200}} $であるから、補題9より

$ 2^{\frac{141}{1200}} < \frac{60}{{1.32}^{\frac{14}{3}}} \cdot \frac{1}{15} < 2^{\frac{177}{1200}} $

が成り立つ。よって、

$ \frac{16}{15} < 2^{\frac{141}{1200}} < 2^{\frac{177}{1200}} < \frac{17}{15} $

を示せばよい。

$ 5^5 = 3125 > 2048 \cdot 1.5 > 2^{11.5} $であるから$ \frac{5}{4} > 2^{\frac{360}{1200}} $であり、$ \frac{3}{2} > 2^{\frac{700}{1200}} $とあわせて
$ \frac{16}{15} < 2^{\frac{1200 - (360 + 700)}{1200}} = 2^{\frac{140}{1200}} < 2^{\frac{141}{1200}} $を得る。
また、$ \frac{17}{15} = 1 + \frac{2}{15} > 1 + \frac{2}{16} =\frac{18}{16} = \frac{9}{8} $であるが、$ \frac{9}{8} = \left(\frac{3}{2}\right)^2 \cdot 2^{-1} > 2^{\frac{200}{1200}} $であることから$ 2^{\frac{177}{1200}} < \frac{17}{15} $を得る。
(Q.E.D.)

いつもの不等式を持ち出すだけで解けてしまいました。

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