今回は5+7=12を途中式付きで導いていきましょう
$5+7=12$
ええ、皆さんは足し算の定義をいつもどうしていますか?
まあ、ブルバキの方法をとる人は珍しいんじゃないかな、と思います。
最近の人なら大概はノイマンの構成を利用するんじゃないでしょうか?
まあ、今回はペアノによるものに近いものを採用しますね
$\mathbb{N}$は自然数全体の集合である
記号0は数0と解釈する
$\in$は集合と元の包含関係を表す
S(a)は後者関数である
=は等値関係を示す
$\forall$は全称量化記号である
本当はもう少し詳しくやるべきですが、本旨から逸れるので割愛
$\forall a\in\mathbb{N}\forall b\in\mathbb{N}[a+S(b)=S(a)+b,a+0=a] $
はい。
ちなみに今回の自然数全体の集合の定義は以下です
$\mathbb{N}\ni0$
$\forall n[n\in\mathbb{N} \Longrightarrow S(n)\in\mathbb{N}]$
$\forall n[n\in\mathbb{N}\Longrightarrow S(n) \neq0 ]$
そして、忘れてはいけないこと、それは5と7と12の定義ですね
$12=S(11)$
$11=S(10)$
$10=S(9)$
$9=S(8)$
$8=S(7)$
$7=S(6)$
$6=S(5)$
$5=S(4)$
$4=S(3)$
$3=S(2)$
$2=S(1)$
$1=S(0)$
はい、では本題に入っていきましょう
$5+7=5+S(6)$ 7の定義より
$5+S(6)=S(5)+6$ 足し算の定義より
$S(5)+6=6+6$ 6の定義より
$6+6=6+S(5)$ 6の定義より
$6+S(5)=S(6)+5$ 足し算の定義より
$S(6)+5=7+5$ 7の定義より
$7+5=7+S(4)$ 5の定義より
$7+S(4)=S(7)+4$ 足し算の定義より
$S(7)+4=8+4$ 8の定義より
$8+4=8+S(3)$ 4の定義より
$8+S(3)=S(8)+3$ 足し算の定義より
$S(8)+3=9+3$ 9の定義より
$9+3=9+S(2)$ 3の定義より
$9+S(2)=S(9)+2$ 足し算の定義より
$S(9)+2=10+2$ 10の定義より
$10+2=10+S(1)$ 2の定義より
$10+S(1)=S(10)+1$ 足し算の定義より
$S(10)+1=11+1$ 11の定義より
$11+1=11+S(0)$ 1の定義より
$11+S(0)=S(11)+0$ 足し算の定義より
$S(11)+0=12+0$ 12の定義より
$12+0=12$ 足し算の定義より
$これらの結果として、5+7=12は示された$
閲覧、ありがとうございました。
ではまたいつか。