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a+b+c+abc (OMCB043-A)

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OMCB043-A

  Y0ne 氏による以下の問題をアレンジしてみよう。

OMCB043-A

 $25$以下の正整数からなる組$(a,b,c)$であって、次の値が奇数となるようなものはいくつありますか?
 $a+b+c+abc$
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb043/tasks/13918 より)

$\mod p$バージョンを考える。

$\mod p$

 $p$を素数とする。$0$以上$p-1$以下の正の整数の組$(a,b,c)$であって、次の値が$p$の倍数となるようなものはいくつあるか。
 $a+b+c+abc$

 $a$$b$を決めたら$c$が決まるみたいな方向性で考えよう。$a+b+c+abc=a+b+(ab+1)c$ なので、$a$$b$を固定したとき、$(ab+1)c \equiv -a-b$ を満たす$c$が存在するか考えればよい。$ab+1 \equiv 0$かどうかで場合分け。

 (1) $ab+1 \equiv 0$のとき
 $-a-b \equiv 0$でなければ$c$は存在しない。つまり、$ab+1 \equiv 0$かつ$a+b \equiv 0$を満たす$(a,b)$の個数を求めればよい。$b \equiv -a$なので$a^{2} \equiv 1$、よって$a=1$または$a=p-1$である。$a$$b$$(a,b)=(1,p-1),(p-1,1)$$2$通り。$c$は何でもいいので、$(a,b,c)$$2p$個ある。

 (2) $ab+1 \not\equiv 0$のとき
 $p$は素数なので、$(ab+1)c \equiv -a-b$ を満たす$c$が唯一存在する。
 $ab \equiv -1$となる$(a,b)$$p-1$個ある($a \neq 0$なら、$ab \equiv -1$となる$b$が一意に定まる。$a=0$なら$ab \equiv -1$なる$b$は存在しない)ので、$ab+1 \not\equiv 0$となる$(a,b)$$p^{2}-(p-1)=p^{2}-p+1$個ある。したがって、$(a,b,c)$$p^{2}-p+1$個である。

 以上より、問題の解答は$p^{2}+p+1$個である。

一般化

 次の問題を考える。

 $p$を奇素数、$k$$0$以上$p-1$以下の整数とする。$0$以上$p-1$以下の正の整数の組$(a,b,c)$であって、次の値が$p$で割って$k$余るようなものはいくつあるか。
 $a+b+c+abc$

 先ほどと同じように考えられる。
 $a$$b$を固定したとき、$(ab+1)c \equiv k-a-b$ を満たす$c$が存在するか考える。$ab+1 \equiv 0$かどうかで場合分け。

 (1) $ab+1 \equiv 0$のとき
 $k-a-b \equiv 0$でなければ$c$は存在しない。つまり、$ab+1 \equiv 0$かつ$k-a-b \equiv 0$を満たす$(a,b)$の個数を求める。$b \equiv k-a$なので、
 $a^{2} -ka \equiv 1$
$p$は奇素数であるから、これは
 $(2a-k)^{2} \equiv k^{2}+4$
と同値。よって、$k^{2}+4$が平方剰余であるかどうかで場合分け。

 (ア) $k^{2}+4$が平方剰余で、$k^{2}+4 \not\equiv 0$のとき
 $a$$2$つ存在し、それぞれについて$b$$1$つに定まる。$c$は何でもいいので、$(a,b,c)$$2p$個ある。
 (イ) $k^{2}+4 \equiv 0$のとき
 $a$$1$つだけ存在し、$b$$1$つに定まる。$c$は何でもいいので、$(a,b,c)$$p$個ある。
 (ウ) $k^{2}+4$が平方剰余でないとき
 $a$は存在しないので、$(a,b,c)$$0$個。

 (2) $ab+1 \not\equiv 0$のとき
 $(ab+1)c \equiv -a-b$ を満たす$c$が唯一存在する。したがって、$(a,b,c)$$p^{2}-p+1$個である。

 以上より、問題の解答は、
 ・$k^{2}+4$が平方剰余で、$k^{2}+4 \not\equiv 0$のとき:$p^{2}+p+1$
 ・$k^{2}+4 \equiv 0$のとき:$p^{2}+1$
 ・$k^{2}+4$が平方剰余でないとき:$p^{2}-p+1$
である。

 ちなみに、$p=2$としても上の解答に符合する。

等式なら?(5/24追記)

  umezo 氏によるOMCB012-Cも同じ形の式である

OMCB012-C

$xyz+x+y+z=33$ を満たす正の整数の組 $(x,y,z)$ すべてについて、$x+y+z$ の総和を答えてください。
( https://onlinemathcontest.com/contests/omcb012/tasks/3194 より)

 一般化した問題を考えてみる。

正の整数$n$について、$xyz+x+y+z=n$ を満たす正の整数の組 $(x,y,z)$ はいくつあるか?

 さて、……。どうすんのこれ?
 わからなかったので、解が存在するかどうかだけ愚直に調べてみることにする。

 まず、$x \leq y \leq z$ と仮定しておく。
 $x=1$ のとき、$(y+1)(z+1)=n$ となるので、$n$が素数なら解は存在しない。$n$が合成数なら、$n$の約数の個数の$1/2$個くらいの解がありそうである。

 $x \geq 2$ のときは、$y$にも具体的な数を代入して調べるしかないか……。

 $x=y=z=2$ のとき $n=14$ であるから、$n \leq 13$ のときは、$x \geq 2$ の解は存在しない。よって、特に$n$$13$以下の素数であるとき、正整数解 $(x,y,z)$ は存在しない。あと、$n=1$も無理やね。

 $14 \leq n \leq 25$ のとき、$x \geq 2$ なら $x=y=2$ とならざるを得ない($x=2,y=3,z=3$のとき$n=26$)。このとき、$5z=n-4$ となる。つまり、$n=14,19,24$ のときは $x \geq 2$ の解が存在し、それ以外のときは $x \geq 2$ の解が存在しない。特に、$n=17,23$ のときは正整数解 $(x,y,z)$ が存在しないことがわかる。

 $26 \leq n \leq 35$ のとき、$x \geq 2$ なら $x=y=2$ または $ x=2,y=3$ である。$x=y=2$ のときは $5z=n-4$ であり、$ x=2,y=3$ のときは $7z=n-5$ である。よって、$n=26,29,33,34$ のときは $x \geq 2$ の解が存在し、それ以外のときは $x \geq 2$ の解が存在しない。特に、$n=31$ のときは正整数解 $(x,y,z)$ が存在しないことがわかる。

 $36 \leq n \leq 58$ のとき、$x \geq 2$ なら $x=y=2$ または $x=2,y=3$ または $x=y=3$ または $x=2,y=4$ である。
 $x=y=2$ のときは $5z=n-4$
 $x=2,y=3$ のときは $7z=n-5$
 $x=y=3$ のときは $10z=n-6$
 $x=2,y=4$ のときは $9z=n-6$
である。
 よって、$n=37,41,43,53$ のときは正整数解 $(x,y,z)$ が存在しないことがわかる。

 $n$が与えられたときに $x \geq 2$ の解が存在するか判定するには、考えられる $(x,y)$ すべてに対して $xy+1$$n-x-y$ を割り切るかを調べればよい。のだが、うーん……。それ以上はわからない。

 等式になった瞬間難しいな。$\! \! \mod p$ の場合については、この調子で $a+b+c+d+abcd$ をやるぞ、と思って考えてみたけど、よくわからなかった(>_<)

投稿日:25日前
更新日:15日前
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