かばたんです. 初めまして. JMO2024本選がついこの前実施されました. 自分は4番で誤読をして本来なら解けていたはずのこの問題を落とし, 春合宿に行けるかかなり危うい状況です. 数学のモチベも特にないので, 戒めを含め解説でも書こうかなと思い立ちました.(実は初投稿です)
とりあえず解説を書いていこうと思います.
問題の図
(Geogebraを使うと明らかに見えてしまいますが)コンパスで丁寧に作図すれば, 以下のような予想が立つはずです.
接点を
まずはこれらを示すことを目標にしていきます. 実際一つ目の予想は比較的簡単に証明できます.
内接四角形の定理より
予想が一つ証明できました. 嬉しいですね. しかし二つ目以降はなかなかうまくいきません(簡単な方法があるのかもしれませんが).
これは点
なんだか正しそうですね. ではこれを正当化するにはどうすればいいでしょうか? 以下の二つを示せばいいわけです.
これさえわかればangle-chasingで適当に終わりそうですね(実際終わります). 一つ目の証明の方が素直なのでそっちから.
同一法で示します. つまり,
さて, ここまでは基本的な内容でできるわけですが, 最後の補題の証明は少し難しいです(僕も試験中この証明に苦労しました. 後述). ここで
四角形
三角形
さて,
綺麗ですね〜. 自分が試験中この証明を思いついたときには感動したんですけども(笑). さっきも言いましたけどまるで死んでいたように思える
さてあとは消化試合です. 接弦定理より
ここからはたぶん多くの受験者がやらかし, 僕も試験中にやってしまった誤読についてです. 問題文を載せたときに「辺」が強調されていたことから察していたと思いますが, 以下のような誤読をしてしまいました.
これは接線です
図を見ればわかると思いますが, この誤読が頻発した原因はぱっと見主張が成立している点にあります. コンパス作図でこれを接していないと見抜ける人はいないでしょう. さらに
実は問題を解く上ではそんなに関係ないですが, せっかくなので証明します. まず内接四角形の定理より
先ほどの解説での補題3と全く同じ証明で示せます.
ここまでを導いた僕は, あとは適当にangle-chasingをすれば終わるだろうと思っていました. しかし全然解けない!そりゃそうです. そもそも主張が間違っているので. そうこうしているうちに時間がなくなり, 上の内容を解答用紙に書いたところで試験が終わりました. 終了直後は誤読に気づいていないので, まあ半分はもらえるだろうと考えていたのを覚えています.(その後たけまさとHi_mathと話しているときに誤読に気がついて絶望しました)
誤読には気をつけましょう. この誤読がなければ4番を普通に倒せて春には余裕を持って行けていたと思うのでかなり悔しいです. (図が間違えているので厳しいと思いますが)なんとか部分点が入って春合宿に奇跡的に行けることを期待するばかりです.