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ロピタルの定理(極限で分母と分子が0になる定理)

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ロピタルの定理(l'Ho^pital's rule)とは,2つの関数f(x),g(x)x=aの周りで連続でC級(無限階微分可能)で,limxaf(x)=limxag(x)=0を満たし,limxag(x)0limxaf(x)g(x)が一意に存在するとき,
limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)
を満たす.証明として,C級の関数f(x),g(x)を2次までのテーラー級数展開(Taylor series extension)をすると,
f(x)=f(a)+(xa)f(a)+(xa)22f(cf)g(x)=g(a)+(xa)g(a)+(xa)22g(cg)
となる.ただしcf,cg(a,x)とする.これより,f(x)g(x)は,
f(x)g(x)=f(a)+(xa)f(a)+(xa)22f(cf)g(a)+(xa)g(a)+(xa)22g(cg)=(xa)f(a)+(xa)22f(cf)(xa)g(a)+(xa)22g(cg)=(xa)(f(a)+(xa)2f(cf))(xa)(g(a)+(xa)2g(cg))=f(a)+(xa)2f(cf)g(a)+(xa)2g(cg)
と計算することができる.ただしここではlimxaf(x)=limxag(x)=0を用いた.これより,
limxaf(x)g(x)=limxaf(a)+(xa)2f(cf)g(a)+(xa)2g(cg)=f(a)+0g(a)+0=limxaf(x)g(x)
が得られ,ロピタルの定理が示された.ちなみにlimxaf(x)=limxag(x)=0の場合は,ロピタルの定理は
limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)
のように入れ子の形となることに注意する.

練習

離散一様分布のキュムラント母関数(cumulant generating function)

ψ(t)=log(1ni=1neit)

に対して,E[X]=limt0ψ(t)tV[X]=limt02ψ(t)t2の関係から,平均E[X]と分散V[X]を求めよ.答えはコメントに書いて!

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投稿日:13日前
更新日:13日前
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投稿者

那覇にある塾.2024年度の合格実績はロンドン大(UCL),エディンバラ大,マンチェスター大,ブリストル大,国際福祉医療大,沖縄職業能力開発大,沖尚中,開邦高です.塾生の1人は理三の合格点に3点足りず,涙を飲む.2023年の卒塾生は東大推薦合格したが,理三の合格点にも達していた.

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