Apostolによる√2が無理数であることの図形証明
25年前にApostolが見つけたが無理数であることの図形証明(文献[1])を紹介する. 非常にシンプルではあるがApostolの深い洞察力に驚かされる. Apostolの論文では「3辺が整数となるより小さな直角二等辺三角形がいくらでも作れるので矛盾」となっているが以下の言い回しの方が簡潔に見える.
が有理数であると仮定すると直角二等辺三角形の3辺が整数比で表せる. いま, 3辺が整数となる最小の直角二等辺三角形において, 下図のようにその内部に直角二等辺三角形を作ると, これもまた3辺が整数となることがわかり, 直角二等辺三角形の最小性に反し矛盾. ゆえには無理数である.
(参考文献)
[1] T.M.Apostol, "Irrationality of the Square Root of Two — A Geometric Proof", American Mathematical Monthly 107.9(2000)