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OMC対策(A分野:解と係数の関係)

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本記事の前提知識

解と係数の関係(2次式)

 ax2+bx+c=0の解をα,βとするとき,α+β=ba, αβ=ca

 これは受験数学でも頻繁に使う性質なので,覚えておいてほしい.

証明
a(xα)(xβ)=ax2+bx+cである.
左辺を展開した後に係数を比較せよ.
OMCの例題
OMC037(A)
OMCB024(B)

3次式の解と係数の関係

 まずは一つだけ次数を上げて,3次式のバージョンである.

解と係数の関係(3次式)

 ax3+bx2+cx+d=0の解をα,β,γとするとき
α+β+γ=ba, αβ+βγ+γα=ca,αβγ=da

 証明は2次式の場合を参考に,各自でしてほしい.

 x32x+1=03つの解をα,β,γとするとき,次の値を求めよ.
(1) α2+β2+γ2
(2) α3+β3+γ3


(解)解と係数の関係よりα+β+γ=0, αβ+βγ+γα=2,αβγ=1である.
α2+β2+γ2=(α+β+γ)22(αβ+βγ+γα)=4
α3+β3+γ33αβγ=(α+β+γ)(α2+β2+γ2αββγγα)を使えばα3+β3+γ3=3

 練習問題を用意しておく.(3)には美しい解法があるので,ぜひ考えてみてほしい.

練習問題

 x33x26x1=03つの解をα,β,γとするとき,次の値を求めよ.
(1) α2+β2+γ2
(2) 1α+1β+1γ
(3) (α+β)(β+γ)(γ+α)

略解
(1) 例1と同様.
(2) 通分せよ.
(3) 展開しても解けるが,このような方針もある.
α+β+γ=3より(α+β)(β+γ)(γ+α)=(3γ)(3α)(3β)である.
ここで(xα)(xβ)(xγ)=x33x26x1であることを用いれば,(3α)(3β)(3γ)=33332631=19
OMCの例題
OMCB030(D)
OMCB033(E)
練習問題(OMC109(E)改)

 方程式x3+3x29x+6=0の虚数解の和をSとするとき,Sを解に持つような3次式を一つ作れ.

略解
 方程式x3+3x29x+6=0の実数解はただ一つである(微分すればわかる).この解をkとすると,解と係数の関係からk+S=3である.
 kx3+3x29x+6=0の解なのでk3+3k29k+6=0を満たす.ここにk=S3を代入すれば,方程式S3+6S233=0を得る.

もとの問題
 練習問題を解いたあとに解くことはあまりオススメしないが,載せておく.
OMC109(E)

n次式の解と係数の関係

解と係数の関係(n次式)

 anxn+an1xn1++a1x+a0=0の解をα1,α2,,αnとするとき,k次の基本対称式sk=(1)kankan
 ただし,k次の基本対称式とは,α1,,αnの相異なるk個の積(nCk通り存在する)の総和である.


 以下は確認問題である.
(1) 4次式の場合の解と係数の関係を,上のように省略せずに書け.
(2) n次式において,以下の値を,a0,,anを用いて表せ.
 k=1nαk, k=1nαk, k=1nαk2, k=1n1αk

確認問題の答え
(1) 書くのが面倒なので,他のサイトを参照してほしい.例として Wikipedia
(2) k=1nαk=an1an, k=1nαk=(1)na0an
k=1nαk2=(an1an)22an2an
k=1n1αk=sn1sn=a1a0

OMCの既出問題などを参考に練習問題を用意したかったが,作れなかった.
気が向いたら作る可能性もあるが…どうだろうか.

OMCの例題
OMC197(H)
OMC129(E)
投稿日:4日前
更新日:2日前
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て
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