2024/1/8にあった数学オリンピック2024予選の解説をのんびり書いていこうと思います。
(書き途中です)
本解説が必ずしも正しいとは限りません。
以下の値は有理数である.これを既約分数の形で表せ.
$$ \sqrt{\frac{123!-122!}{122!-121!}}$$
頑張って計算する.
$$ \begin{aligned}\sqrt{\frac{123!-122!}{122!-121!}}
&=\sqrt{\frac{(123-1)122!}{(122-1)121!}}\\
&=\sqrt{\frac{122\cdot122}{121}}\\
&=\frac{122}{11}
\end{aligned}
$$
答:$\frac{122}{11}$
どの桁に現れる数字も素数であるような正の整数を素敵な数とよぶ.$3$桁の正の整数$n$であって,$n+2024$と$n-34$がともに素敵な数であるものはちょうど$2$つある.このような$n$をすべて求めよ.
まず最初に$1$桁の素数をあげていく.当然$1$は素数ではないので,$2,3,5,7$である.
$N=n-34$とすると,$N$および$N+2058$が素敵な数となる$3$桁の正の整数$N+34$を求めることと同値である.
条件を満たすように,一の位から順に埋めていくことで,$N=275,277$となることがわかる.
答:$309,311$
一辺の長さが$10$の正三角形$ABC$がある.$A$を通る円が辺$BC$(端点を除く)と点$X$で接し,辺$AB,AC$とそれぞれ$A$でない点$D,E$で交わっている.$BX>CX,AD+AE=13$がともに成り立つとき,線分$BX$の長さを求めよ.ただし,$PQ$で線分$PQ$の長さを表すものとする.
$$BX+CX=10,BD+CE=7$$及び,方べきの定理より$$BX^2=BD \cdot BA,CX^2=CE \cdot CA$$となることをふまえると,
$$BX^2=10BA,(10-BX)^2=10(7-BA)$$
より
$$2BX^2-20BX+30=0$$
となり,$BX$はこれを満たすもののうち,長い方であることがわかる.
答:$5+\sqrt{10}$
$n$を$0$以上$5^5$以下の整数とする.黒石$n$個と白石$5^5-n$個を横一列に並べ,次の操作を$5$回繰り返す.
石の列を左から順に$5$個ずつ組にする.各組に対して,その組に属する$5$個の石を,それらの$5$個の石のうち多い方の色の石$1$個に置きかえる.
最初の石の並べ方によらず,最後に残る$1$個の石をが必ず黒石であるような$n$としてありうる最小の値を求めよ.
求めるべき値は,最後に残る石が白石になるときの黒石の最大値$M+1$である.よって,$M$を求めれば良い.
結論から言うと,操作後の石が白石になる時は元の石が白石$3$個と黒石$2$個,黒石の時は黒石$5$個になるように取ると,$M$が最大となり,その値は$5^5-3^5$となる.(詳しい証明は割愛する)
答:$2883$個
$10$以上の整数$n$であって,
$$[\frac{n}{1}][\frac{n}{2}]\cdots [\frac{n}{10}]= _n\mathrm{C}_{10}$$
をみたすようなもののうち,最小のものを求めよ.ただし,実数$r$に対して,$r$以下の最大の整数を$[r]$で表す.たとえば,$[3.14]=3$,$[5]=5$である.
与式は,$i$以下の非負整数$a_i$を用いて,以下のようにも表せる.
$$\frac{n-a_0}{1}\frac{n-a_1}{2}\cdots\frac{n-a_9}{10}=\frac{n-0}{1}\frac{n-1}{2}\cdots\frac{n-9}{10}$$
詳しい証明は省くが,これを満たすのは$a_i=i$となるときであり,それぞれの分数が全て整数となるのは,$n$が,$\mathrm{lcm}(1,2,\cdots,10)$の倍数となるときとなる.
答:2519
$AB=AC=5$なる二等辺三角形$ABC$の辺$AB$上に$AD=3$を満たす点$D$が,辺$BC$上(端点を除く)に点$E$がある.点$E$を通り直線$AB$に点$B$で接する円を$\omega$とすると,$\omega$は三角形$ADE$の外接円に接した.$\omega$と直線$AE$の交点のうち$E$でない方を$F$とすると,$CF=10$が成り立った.このとき,辺$BC$の長さを求めよ.ただし,$XY$で線分$XY$の長さを表すものとする.
三角形$ADE$の外接円と辺$BC$との交点のうち、$E$でない方を$G$とする.
$AB=AC$及び$AB$と$\omega$が接していることより,$\angle ACB=\angle ABC=\angle AFB$となる.よって,$A,B,F,C$は共円である.
また,$\angle BAE=\angle FCE$より,$\triangle BAE \sim \triangle FCE$なので,$BE:EF=AE:CE=1:2$である.
三角形$ADE$の外接円と$\omega$が接していることより,$BF//AG$となる.
$AE=a,BE=b$とすると,$EF=2b$,$EC=2a$,$EG=\frac{a}{2}$が成り立つので,方べきの定理を使うことで,$5^2=a(a+2b)$,$2\cdot 5=b(b+\frac{a}{2})$となり,これを解くことで$a=\frac{5\sqrt{65}}{13}$,$b=\frac{4\sqrt{65}}{13}$となる.
答:$\frac{14\sqrt{65}}{13}$
次の条件をみたす$3$以上の素数$p$と$1$以上$2024$以下の整数$a$の組$(p,a)$の個数を求めよ.
$a< p^4$であり,$ap^4+2p^3+2p^2+1$が平方数となる.
$ap^4+2p^3+2p^2+1=n^2$とすると,
$ap^4+2p^3+2p^2=n^2-1$より
$p^2(ap^2+2p+2)=N(N\pm2)$が成り立つ.
$N$と$N\pm2$がともに$p$で割り切れることはないので,$N=mp^2$と置くことができる,
$p^2(ap^2+2p+2)=mp^2(mp^2\pm 2)$より
$ap^2+2p+2=m^2p^2\pm2m$が成り立つ.
$(a-m^2)p^2=2(m-p-1)$となり,$m=Mp^2+p+1$となる($M\geq0$).
よって,$a=m^2+2M$となり,これが$p^4$および$2024$以下となるのは,
$$(M,p)=(0,3),(0,5),(0,7),(0,11),(0,13),(0,17),(0,19),(0,23),(0,29),(0,31),(0,37),(0,41),(0,43)$$の13通り.
$(m^2-a)p^2=2(p+1+m)$となり,$m=Mp^2-p-1$となる($M\geq1$).
よって,$a=m^2-2M$となり,これが$p^4$および$2024$以下となるのは,
$$(M,p)=(1,3),(1,5),(1,7)$$の3通り.
答:$16$通り