ベクトル$u$と$v$の反可換子とは$uv + vu$という幾何積の和のことで$\{u, v\}$と表します。また、可換子とは$uv - vu$という幾何積の和のことで$[u, v]$と表します。
ベクトル$u$, $v$の反可換子$\{u, v\}$と可換子$[u, v]$を
$$
\begin{align*}
\{u, v\} &= uv + vu \\
[u, v] &= uv - vu
\end{align*}
$$
と定める
これを使うと、可換と反可換を次のように言い換えられます。
ベクトル$u$, $v$について反可換・可換が成り立つことは、反可換子・可換子を使って
$$
\begin{align*}
uv = -vu &\iff \{u, v\} = 0 \\
uv = vu &\iff [u, v] = 0
\end{align*}
$$
と言い換えられる。
また、次も成り立ちます。
反可換子は可換であり、可換子は反可換です。つまり、
$$
\begin{align*}
\{u, v\} &= \{v , u\} \\
[u, v] &= -[v, u]
\end{align*}
$$
が成り立ちます。
次が重要です。可換子と反可換子を足すと$uv + vu + uv - vu = 2uv$です。逆に可換子から反可換子を引くと$uv + vu - uv + vu = 2vu$になります。よってこれが成り立ちます。
幾何積$uv$と$vu$は反可換子$\{u, v\}$と可換子$[u, v]$によって、
$$
\begin{align*}
uv &= \frac{\{u, v\}}{2} + \frac{[u, v]}{2} \\
vu &= \frac{\{u, v\}}{2} - \frac{[u, v]}{2} \\
\end{align*}
$$
と表せます。
面白いのは反交換子$\{u, v\}$は必ずスカラーになるので$uv$あるいは$vu$の結果がスカラー部分と非スカラー部分に分かれたかのような式になっています。これが内積と外積です。
ここで内積と外積という演算を定義します。
ベクトル$u$と$v$の内積$u \cdot v$と外積$u \wedge v$を
$$
\begin{align*}
u \cdot v &= \frac{\{u, v\}}{2}\\
u \wedge v &= \frac{[u, v]}{2} \\
\end{align*}
$$
と定めます。
注意して欲しいのは幾何積で定義しているとはいえ、この演算はベクトルとベクトルの演算ということです。たとえばスカラーとベクトルの内積は定義していません。少なくともこの段階では内積・外積を求めるときは二つの項がベクトルであることを確かめてからでないといけません。
すでに示した諸性質が内積・外積でも成り立ちます。