この記事は上野健爾著『代数幾何入門』(オンデマンド版)1に対する正誤表です.一読者である私(ことり)が作成したものですので,ミスがあるかもしれません.
l.-nとは,下からn行目であることを意味します.
「(注意)」として誤りではないが注意が必要な箇所について記述しました.
正誤表
p.40, l.-4
式(1.46)はとが逆.
p.44, l.7
という項は倍する必要がある.p.44, l.-10およびp.45, l.2も同様.
p.46, l.-11
誤:
正:
p.76, l.-4
誤:
正:
p.91, l.4
誤:
正:
p.126, l.13
誤:
正:
p.129, l.-7
誤:
正:
p.149, l.1
誤:
正:
p.149, l.-2
誤:
正:
p.169, l.10
誤:
正:
p.187, l.-2
誤:
正:
p.194, l.10
が偶数の場合の議論は本の通りにはいかない気がします.の定め方やp.195, l.1の局所パラメータ表示に対して疑問があります.符号とかがおかしい気がします.
例えば,
の場合.
,
と定めると,
という形に分解され,次の2つの局所パラメータ表示として表されます:
および
後者の局所パラメータ表示でをに置き換えることで次の形にもなります:
および
ここでのの定め方は本の定め方と整合しません.
p.192
有理関数に対する主因子について.の場合は主因子は定義されない,とするのが良いと思います.以降のいくつかの定義や命題では必要ならの場合を除外するのが良いと思います.(ゼロ微分型式に対する標準因子についても同様.)
p.197, l.4
(注意)以降の議論のために,の場合も正因子に含めると解釈するのが良いと思います.また,あとで出てくる記法ですが,2つの因子に対して,「」とは「」という意味だと解釈するといいと思います.
p.199
微分型式に対する標準因子について.の場合は標準因子は定義されないとするのが良いと思います.以降のいくつかの定義や命題では必要ならの場合を除外するのが良いと思います.
p.210, l.-7
誤:
正:
p.223, l.13
の右辺をに変更する.
p.235, l.-4
誤:非特異射影直線
正:非特異射影曲線
p.238, l.-9
「であれば,...ただつ定まるので」とあるが誤り.が素数とは限らないため,定理A.2を適用できない.
実際,例えば, , とすると,となるは存在しない.
の式自体は合っている.本の議論の代わりに,等比数列の和の公式を用いると示せる.
p.246, l.1
解が間違っている.
正しくは,.
最後の2つはのままでも良い.()
p.246
(注意)を導く議論は誤りではないが,無駄がある.次のようにすると短くなる:
本の2つの写像
と
が全単射なので,を固定するとを満たすはただ1つ.
ゆえに,
.
無限遠点を加えてとなる.
p.247,l.-9
(注意)とは,という意味だと解釈するとよいと思います.
p.249, l.2
誤:
正:
また,標数が3の場合も除外する必要はなく同じ結果になる.
p.248, l.-15
誤:
正:
判別式の定義は文脈によって定数倍の違いがあるかもしれないが,右辺の3次式の根をとしたときと定義する場合は,問題の楕円曲線の判別式はこの値が正しい.
p.248,l.-11
の右辺の最初の係数 を にする.
p.256, l.6
(注意)定理 4.2 のステートメントは以下のように変更するのがより正確:
種数 の閉 Riemann 面上の正則微分形式全体は, 上 次元のベクトル空間をなす.
p.262, l.12
誤:
正:
p.262, l.-6~l.-4
誤:
正:
以上です.ミスなどあれば教えてください(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”