0

【自己満足】『数の概念』の乗法の交換律を示す。

38
0
$$$$

前書き

こんにちは、高3のぱぺです。
インフルエンザA型に罹って出席停止になりましたが、今日解消されたので学校行って定期試験受けてきました。

本題

とある機会があって、高木貞治先生の著書『数の概念』がblogに掲載されていたものを読むことになりまして、その一部なあなあにされている説明を私なりに説明してみようと思い立ち、この記事を書いています。

今回は第1章.整数・§5.乗法のページで、画像下段「我々は事実、乗法の内容を知っているのだから、それは容易である。」の部分についてです。
ここはこのような$f(x,a)$の存在を示す部分の一部であり、のちに$(1)(2)(3)$で交換律を示していますが、「乗法の内容を知っているから」は少し大雑把な気がします。
今回は一旦$f(x,a)$の存在を認めたものとして、この交換律を示そうという記事です。(意味がない)

[『数の概念』高木 貞治 著, 和訳済blog掲載物](https://linesegment.web.fc2.com/books/mathematics/kazunogainen/)における[第1章§5](/uploads/mathdown/ubsTdgqmFFFwaKXZZZhG.png) 『数の概念』高木 貞治 著, 和訳済blog掲載物 における 第1章§5

[『数の概念』高木 貞治 著, 和訳済blog掲載物](https://linesegment.web.fc2.com/books/mathematics/kazunogainen/)における[第1章§5](/uploads/mathdown/ubsTdgqmFFFwaKXZZZhG.png) 『数の概念』高木 貞治 著, 和訳済blog掲載物 における 第1章§5

乗法の交換律を示す前に認めること

§5以前の部分から、

$x^{\pm}$ の定義

整数全体の集合において、$x$の次の数、前の数をそれぞれ$x^{+},x^{-}$ と定める。

性質:
・後出の演算"$+$"を用いて $x^{+}=x+1,\; x^{-}+1=x$ である。
$\left\{x^{+}\right\}^{-}=\left\{x^{-}\right\}^{+}=x$は成立。

和の定義

整数$x,a$とする。任意の$a$に対して条件
\begin{cases} F_{a}(0)=a \\ F_{a}(x^{+})=\left\{F_{a}(x)\right\}^{+} \end{cases}
を満たす$F_{a}(x)$が一意に存在するので、これを和$x+a$と書く。

性質:
・加法の可能性・加法の交換律・加法の結合律 など
・減法の可能性 →減法

積の定義

整数$x,a$ の関数であって次の条件を満たす$f(x,a)$は一位に定まるので、それを積$xa$と定める。
\begin{cases} f(0,a)=0 \\ f(x^{+},a)=f(x,a)+a \quad -(*1) \end{cases}

$ $

$f(x,a)$の性質 $f(x,a^{\pm})=f(x,a)\pm x$

以下、$f(x,a^{+})=f(x,a)+x \quad -(*2)$ を示す。

$g(x,a):=f(x,a^{+})-f(x,a)$ とする。
$g(0,a)=f(0,a^{+})-f(0,a)=0$ より $g(0,a)=0 \quad -①$
また、以下より $g(x^{+},a)=\left\{g(x,a)\right\}^{+} \quad -②$
\begin{aligned} g(x^{+},a)&=f(x^{+},a^{+})-f(x^{+},a) \\ &=\left\{f(x,a^{+})+a^{+}\right\}-\left\{f(x,a)+a\right\} \quad (\because (*1))\\ &=\left\{f(x,a^{+})-f(x,a)\right\}+1 \\ &=g(x,a)+1 \\ &=\left\{g(x,a)\right\}^{+} \end{aligned}
$①②$ より、$g(x,a)$$a$によらない$x$の関数であるから$G(x)=g(x,a)$とおくと、$G(0)=0,\; G(x^{+})=\left\{G(x)\right\}^{+}$
従って、定義2から$G(x)=F_{0}(x)=x+0=x$ であるので、
$g(x,a)=G(0)=x$ すなわち $f(x,a^{+})=f(x,a)+x$.

また、$a$$a^{-}$を代用して整理することで、$f(x,a^{-})=f(x,a)-x$.

まとめて $f(x,a^{\pm})=f(x,a)\pm x$(複号同順).

$ $

$f(x,a)$の性質 $f(x,y)=f(y,x)$ (乗法の交換律)

さらに以下、$f(x,a)=f(a,x) \quad -(*3)$ を示す。

まず、 $p(y,a)=f(y+a,a)-f(a,a)$ とおく。

$p(0,a)=f(0+a,a)-f(a,a)=0$ より $p(0,a)=0 \quad -③$
また、以下より $p(y^{+},a)=p(y,a)+a \quad -④$
\begin{aligned} p(y^{+},a)&=f((y+a)^{+},a)-f(a,a) \\ &=\left\{f(y+a,a)+a\right\}-f(a,a) \quad (\because (*1)) \\ &=\left\{f(y+a,a)-f(a,a)\right\}+a\\ &=p(y,a)+a \end{aligned}
$③④$より、定義3から $p(y,a)=f(y,a)$ であるため、
$f(y+a,a)-f(a,a)=f(y,a)$.
すなわち $f(y+a,a)=f(y,a)+f(a,a)$.

$ $
次に $q(y,a)=f(a,y+a)-f(a,a)$ とおく。

$q(0,a)=f(a,0+a)-f(a,a)=0$ より $q(0,a)=0 \quad -⑤$
また、以下より $q(y^{+},a)=q(y,a)+a \quad -⑥$
\begin{aligned} q(y^{+},a)&=f(a,(y+a)^{+})-f(a,a) \\ &=\left\{f(a,y+a)+a\right\}-f(a,a) \quad (\because (*2)) \\ &=\left\{f(a,y+a)-f(a,a)\right\}+a\\ &=q(y,a)+a \end{aligned}
$⑤⑥$より、定義3から $q(y,a)=f(y,a)$ であるため、
$f(a,y+a)-f(a,a)=f(y,a)$.
すなわち $f(a,y+a)=f(y,a)+f(a,a)$.

$ $
以上から、$f(y+a,a)=f(a,y+a)$.
$y+a$$x$を,$a$$y$を代用して $f(x,y)=f(y,x)$.

あとがき

自己満足です。言葉足らずな文章とタイトルだなあと思いながら、でもどう改良すればいいか分からんのでそのままにします。

更新欄

2025.12/3.12:20 更新

投稿日:1日前
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

高校3年のぱぺです。 文章を作るのは苦手です。数学は好きで、かつ学年の中では数学が得意なほうです。 ここでは、①作問の投稿 ②高校数学のいろいろの投稿 ③「問題解いてみる」系投稿 を行います。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中