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ISL2022G6を解いてみよう.

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 お久しぶりです.春合宿の問題を漁っていたら計算がブッ刺さるむずめの幾何があったのでご紹介します.

鋭角三角形 ABCがあり, A から辺 BC に下ろした垂線の足を H とする. 直線 BC 上にない点 P を, PBC の二等分線 k と PCB の二等分線 l が線分 AH 上 (端点を除く) で 交わるようにとる. k と直線 AC の交点を E, l と直線 AB の交点を F, 直線 EF と直線 AH の交点を Q とする. このとき, ある点 X があり, P のとり方によらず X は直線 PQ 上にある ことを示せ.
画像の名前 画像の名前

まず気づくこと

 k,l,AHの交点をRとするとこれは三角形PBCの内心なので,PRBPCの二等分線です.また,BPCP=BHCHが成り立つので,PB,Cを焦点とし,Hを通る双曲線上にあります.この双曲線をπとしましょう.
 上の2つの事実と,多少の二次曲線についての知識によりPRπPでの接線であることがわかります.

次に気づくこと

 AHBCかに関わらず,AH:HR=AQ:QH(すなわちA,Q,R,Hは調和点列)が成り立ちます.
 以上より,次のお気持ちになります.

 もはやB,C,E,Fは考えなくてもいいな、、

ということで次のことを示せば良いです.

双曲線π:x2ay2=1上の点H(1,0),P(x0,y0)(x0,y0>0)と,定点A(0,b)がある.Pでのπの接線とAHの交点をR(1,w)とし,AH:HR=AQ:QHを満たす線分AR上の点Qをとる.Pの位置に関わらず直線PQはある定点を通ることを示せ.

解いてみよう

 x2ay2=1の両辺をxで微分することでdydx=xayを得る.したがってy0wx01=x0ay0なのでx02ay02=1に注意してwについて解くと,w=x01ay0となる.
 Q(1,q)とすると,AH:HR=AQ:QHb:w=bq:qwより,q=b1+b/w=b(x01)x0+aby01を得る.
 PQ:(qy0)x+(x01)y=x0qy0に先ほど求めたqを代入して整理するとPQ:(bx0+y0)x(x0+aby01)y=y0+bとなる.(途中でx02ay02=1を使っているので注意)
 これはP(x0,y0)に関わらず定点(1ab21,bab21)を通るので示された.

 式が与えられている曲線の接線は扱いやすいので結構刺さります.PRを二等分線から接線に捉え直した時点で座標計算に分があると判断します.3段落の式整理は少し大変ですが,その途中に両辺をx01で割る過程があり,そのおかげで得られる直線の式はx0,y0についての1次式となりました.勝ちを確信します.x,yをうまく調整すればx0,y0を消せます.
 以上がISL2022G6の解説になります.読んでいただきありがとうございました.

投稿日:2024614
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natu
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複素座標入門を終わらせたら何するか悩んでます

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