この記事はある高校の数学部の1年生が解く用の問題を並べています
ですが、ユーザーのみなさんにも是非解いていただきたいのでこの場所を借りて問題を作成しています
そこそこの難易度だと思いますので気軽に解いていってください!!
↑そこそこの難易度(大嘘である)(2回目)
$3$の倍数または$3$がつく数をナベアツ数と呼び、$3$の倍数かつ$3$がつく数を二重ナベアツ数と呼ぶことにする。
2026までの自然数のナベアツ数と二重ナベアツ数の個数の差を求めよ。
$4$桁の自然数のうち、連続する$2$個以上の自然数の和として表せないようなものはいくつあるか。
数列$\lbrace a_n \rbrace$を,$a_n=2^n+kn$と定める。
このとき、 $\lbrace a_n \rbrace$のどの項とも互いに素となる自然数が$1$のみになるような自然数$k$を良い数とする。
3桁の良い数を全て求めよ。
$p$を奇素数とする。このとき、$2^{p-3}+3^{p-3}+6^{p-3}$という形で表される素数を全て求めよ
難易度:問一 ★☆☆☆☆
問二 ★★★☆☆
問三 ★★★☆☆
問四 ★★★★☆
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この下に解答があります
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では、解答。
二重ナベアツ数を数える。
千の位が0のときで、3が一つのとき、3が入る位が3通り、残りの二つの位に入る数は大きい位に0,1,2,4,5,6,7,8,9のどれかを入れれば残りの位はそれぞれ3通りずつ可能性があるため、$3\cdot9\cdot3=81$通り。
3が二つのとき、3が入る位が3通り、残りの一つの位には0,6,9のどれかを入れればいいため$3\cdot3=9$通り。
3が三つのとき、$333$の$1$通り。
千の位が1のときで、3が一つのとき、同様に$81$通り。
3が二つのとき、同様に$9$通り。
3が三つのとき、二重ナベアツ数は存在しない。
千の位が2のとき、$2013$の一通り。
よって、$2026$までの二重ナベアツ数は$182$個である。
ナベアツ数の個数は、3の倍数の個数+3がつく数の個数-二重ナベアツ数の個数で、3がつく数の個数は、$2026$から3のつかない数の個数を引いたものなので、$675+1481-182=1974$個であり、求まるものは$1974-182=1792$個である。
$N$を自然数とする。$N=1$は題意を満たす自然数でないため除外する。よって$N$の素因数分解を考えることができる。
$N$が奇素数を素因数に持つとき、$a \geq 0,b \gt 1$が存在し、$N=2^a(2b-1)$である。また、自然数$m$から$n$個の連続した自然数を足した結果は$\frac{n(n+2m-1)}{2}$である(わからない人は等差数列の和を調べてください)。ここで、$2^a \lt b$ならば$n=2^{a+1},m=b-2^a$とすれば$N=\frac{n(n+2m-1)}{2}$である。また、$2^a \gt b-1$ならば$n=2b-1,m=2^a-(b-1)$とすれば$N=\frac{n(n+2m-1)}{2}$である。どちらの場合も$n\geq2$であるから、$N$が奇素数を素因数に持つとき、$N$は連続する$2$個以上の自然数の和で表せる。
逆に、$N$が連続する$2$個以上の自然数の和で表せるとき、自然数$m$と2以上の自然数$n$が存在し、$N=\frac{n(n+2m-1)}{2}$である。このとき、$n$と$n+2m-1$は偶奇が一致しないため$N$は奇素数を素因数に持つ($N=1$は除外したため)。
このことから、題意を満たす$N$は奇素数を素因数に持たない、すなわち$2$の冪乗だということがわかる。
$4$桁の自然数で$2$の冪乗であるような数は$1024,2048,4096,8192$の$4$つであるため、答えは$4$個。
$k$が奇素数を素因数として持つとする。ここで、その奇素数を$p$とする。
ここで$k$は$p$の倍数であるから、任意の$n$に対して$a_{n}=2^n+kn$は$p$と互いに素である。故に、良い数は$2^m$という形である必要がある。
逆に、$k$が$2^m$という形で表せられるとする。まず、$2$と互いに素でない$a_{i}$が存在する。また、任意の奇素数$p$に対し、$n=(p-1)\cdot (p+2)^{m(p-1)-m}$とすれば、フェルマーの小定理より$p$を法として$a_n \equiv 2^{(p-1)\cdot (p+2)^{m(p-1)-m}}+2^m(p-1)\cdot (p+2)^{m(p-1)-m}\equiv1-1\equiv 0$となるため、$k$はいい数である。
3桁の良い数は、$2^7,2^8,2^9$の三つであり、それぞれ$128,256,512$である。
$2^{p-3}+3^{p-3}+6^{p-3}$を$7$で割った余りについて考える。
$5$以上の素数は全て$6k \pm 1$($k$は$1$以上の整数)という形で表すことができるため、与式は
$2^{p-3}+3^{p-3}+6^{p-3}=2^{6k \pm1 -3}+3^{6k \pm1 -3}+6^{6k \pm1 -3}$
と表される。$k$は$1$以上であるため$6k \pm1 -3=6(k-1)+3\pm 1 \gt 1$である。
よって、与式は$2^{6(k-1)+4}+3^{6(k-1)+4}+6^{6(k-1)+4}$もしくは$2^{6(k-1)+2}+3^{6(k-1)+2}+6^{6(k-1)+2}$である。ここで、フェルマーの小定理よりこれらはmod7で$2^4+3^4+6^4$もしくは$2^2+3^2+6^2$と合同になる。それぞれ計算するとmod7で$0$と合同になることがわかる。すなわち$p \geq 5$では与式は$7$の倍数となる。もちろん、$2^{p-3}+3^{p-3}+6^{p-3} \neq 7$よりこれらは素数でない。
いっぽう、$p=3$の場合、$2^{p-3}+3^{p-3}+6^{p-3}=3$であり、これは素数である。
よって、求まる素数は$3$のみである。
幾何の問題思いつかんかった(謝罪)
しかも、いままで不等式関連の整数問題を出したことがない...
全部modタイプの整数問題なので、次回までに不等式系の問題を作ろうかなと思います。
あと、幾何は思いつかないから数オリ予選から拝借しようかな...なんちゃって
んじゃ、今回の問題のコメントに入ります。
今回は整数重視だったので、しっかり「実験→考察→解答」の流れで解けたでしょうか。問題2に関しては、実験がしやすく、かつ考察もしやすいので答えの予想はすぐについたかと思います。しかし、問題は「解答」の部分です。数オリ予選では答えにアタリをつけててきとーに解答提出したら当たるみたいなことがありえますが、できればちゃんと根拠をもって解答ができるようにしましょう。
問題3は、実験が難しくなるものの、実験さえ終われば実験のプロセスで解答までできてしまいます。とりあえず手を動かすことを大切にしてほしいです。
問題4は、ついに実験すら大変になります。$p=3,5,7$まで実験して、$7$の倍数であることを突き止めた人は偉いです!!しかし、この問題に関しては「知ってたら一瞬」の部類ですので、最小限の知識を身に着けてもらうためにも解説を参照すべきかなと思います。
具体的には、「5以上の素数は$6k\pm1$と表せられる」ことが頭に入っているかどうか、そして、この「6」という数字がmod 7とつながりそうだと思わせる「フェルマーの小定理」。この二つは最小限覚えておいたほうがいいでしょう。(数オリ予選12問目とかに出てくる謎の手法とかは覚えなくていいです)
はい、こんな感じですかね。前回よりも大幅に難化した問題集でしたが、まあ、これくらいは1問あたり1時間以内に解けないと厳しいかなと思います。
今、自分が作問できる最難度の問題は、ジュニア数オリ予選8問くらいのショボさなので、ボーダーギリギリを目指すにはちょうどいいかもしれませんが、高みを目指すためには物足りません。
何を言いたいかって?
もっと精進します。すみませんでした。
ではまたどこかで...