ここでは国際数学オリンピック2017(2)、関数等式の問題を解説していきます。解答に当たっては難しい箇所がいくつかあり、
こちらのサイト
を大いに参照させていただきました。特におそらくこの問題のいちばんのハイライトであろうの単射性を示すパートは殆ど丸パクリの状態になっています。なのでオリジナリティのない内容になってしまいましたが、個人的な備忘録として存在を許していただけると幸いです。
IMO201702
関数で、任意のについて等式
を満たすものを全て挙げなさい。
関数決定の常套手段の一つに「とりあえず良さげな値を代入してみる」というのがあります。そこでまずを代入すると
がわかり、次にを代入してみると
がわかります。さてここで「であって欲しい」と感じるのが人間です(定義)。しかしを第一の式に代入すると任意のに対してになってしまいます。なのでかのどちらかが満たされていることがわかります。以下なものを見つけていきましょう。
さて関数決定の常套手段の一つとして「なるを探す」というものがあります。特に今回はなことがわかったばかりなので、「じゃあなるは何なのか?(そもそも存在するか)」と考えるのは自然なことです。なるを(とりあえず存在するとして)とり、を代入すると
が成り立ちます。一見これがわかったからなんなんだと思いますが、なこととが任意だったことを思い出しましょう。ここで
を代入するとが従いまい矛盾します。なので矛盾を避けるにはの場合しかありません。ここからなるは(存在するなら)のみなことがわかります。さて初めの段階でなことを言っていたので、これによって
なことがわかりました。まずを満たすものを考えていきます。条件式にを代入することで
がわかります。
ここで関数等式の常套手段「とりあえず良さげな値を代入」を使っていきます。を代入し、上で求めた式と合わせて
がえられます。さてここでもし「が単射である」ことがわかっていたとします。このとき上の式から
がわかります。またを代入すると
であり、いま「は単射である」ことがわかっている体で話をしていたので
がわかります。以上からなる解はなことがわかりました。さてなる解は、を掛けるとを満たす解になることを考慮すれば、なことがわかります。
さてラスボスはの単射性です。これを示すために何ができるか考えていきましょう。まずの単射性はの場合で示せばよかったですが、問題の式にを代入すると
がわかります。なので今から示すのはならばであることですが、上記の漸化式によってとして大丈夫です。ここで次方程式
を考えます。の仮定からこの方程式は相異なる実数解を持ち、これらは
を満たしています。元々の式にを代入すると上の漸化式と合わせて
が従い、ここからが従い、前半の議論からないしのいずれかが満たされています。このとき
が従い、以上での単射性が示せました。