3

1×2×3×7×8=4×9+5×6×10

208
1

n=8

  Y0ne 氏による以下の問題をアレンジしてみよう。

OMCB037-A

 (0,1,2,,9)の並び替えである10個の数の組(a0,a1,a2,,a9)であって、以下の等式を満たすものの個数を求めてください。
 a0=a1a2a3a4a5a6a7+a8a9
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb037/tasks/13919 より)

 1,2,,8 で、一般的な式を考えてみる。

n=8

 (1,2,,8)の並び替えである8個の数の組(a1,a2,,a8)と整数1i<j8であって、以下の等式を満たすものをすべて求めよ。
 a1a2ai=ai+1ai+2aj+aj+1aj+2a8

 式の=+は一旦忘れて、1,2,,8を三つのグループに分けることを考える。
 まず、3の倍数は3,6の二つのみである。もし36が異なるグループに属していたとすると、36も属さないグループも3の倍数でなければならないが、これは不可能。よって、36は同じグループに属する。
 次に、偶数は2,4,6,8の四つある。四つすべてが同じグループに属しているとすると、残るは1,3,5,7しかない。さすがに無理やろ。というわけで、三つのグループすべてに、少なくとも一つの偶数が属している。24が同じグループに属しているとすると、「24」「6」「8」は相異なるグループに属する。しかし、どのように=+を組み合わせるとしても、2で割り切れる回数が合わない。同様の理由で、286846も同じグループであることはあり得ない。したがって、26が同じグループであるか、48が同じグループであるか。場合分けやね。

26が同じグループ
 63が同じグループなので、結局「2,3,6を含むグループ」「4を含むグループ」「8を含むグループ」に分かれる。あとは57を考えればよい(1はどこに入れても同じなので無視)。「2,3,6を含むグループ」に57が追加されるのはさすがに無理なので、「4を含むグループ」と「8を含むグループ」に57を追加してみる(4通りある)。具体的に計算すると、7×8=2×3×6+4×5 という解が見つかる。
48が同じグループ
 63が同じグループなので、結局「2を含むグループ」「3,6を含むグループ」「4,8を含むグループ」に分かれる。あとは、57を追加することを考える。まあ高々9通りなのでどうにでもなるが、5をどれかに追加してmod7で考えると絞りやすい(というやり方しか思いつかなかった)。例えば「3,6を含むグループ」に5を追加したとして、それぞれのグループに属する数の積はmod7で「2」「6」「4」と等しい。これらのどれに7を追加してもmod7で合わない。まあそういう感じでちまちま調べれば、結局解はないことがわかる。

 以上より、(a1,a2,,a8)=(7,8,1,2,3,6,4,5),i=2,j=6と、その並び替えと、1を適当に移動させたものがすべての解ということになる。

n=9

 さて、9を加えよう。

n=9

 (1,2,,9)の並び替えである9個の数の組(a1,a2,,a9)と整数1i<j9であって、以下の等式を満たすものをすべて求めよ。
 a1a2ai=ai+1ai+2aj+aj+1aj+2a9

 先ほどと同様に、1,2,,9を三つのグループに分けることを考える。
 2,4,6,8が同じグループとする。さすがに39もそれと同じグループということはないので、「2,4,6,8を含むグループ」「3を含むグループ」「9を含むグループ」に分かれるが、57をどう入れても無理。よって、どのグループにも偶数があるので、先ほどと同じ場合分けをしよう。

26が同じグループ
 3,6,9が同じグループとすると、「2,3,6,9を含むグループ」「4を含むグループ」「8を含むグループ」に分かれるが、57をどう入れても無理。よって、3,6,9は相異なるグループに属する。場合分け。
 1-1:34が同じグループ
 このとき、「2,6を含むグループ」「3,4を含むグループ」「8,9を含むグループ」に分かれる。mod757を追加できるパターンを絞れば、結局解はないことがわかる。
 1-2:38が同じグループ
 このとき、「2,6を含むグループ」「4,9を含むグループ」「3,8を含むグループ」に分かれる。mod757を追加できるパターンを絞れば、4×5×9=2×6+3×7×8 と、3×5×8=2×6×7+4×9 という二つの解が得られる。

48が同じグループ
 3,6,9が同じグループとすると、「3,6,9を含むグループ」「4,8を含むグループ」「2を含むグループ」に分かれるが、57をどう入れても無理。よって、3,6,9は相異なるグループに属する。4,8,9が同じグループとすると、5,7をどう入れても無理なので、「3,4,8を含むグループ」「2,9を含むグループ」「6を含むグループ」に分かれるしかない。
mod757を追加できるパターンを絞れば、2×7×9=3×4×8+5×6 という解が得られる。(5/26追記。 nissy 氏コメントにてご指摘あり。見落としてました。)

 以上より、4×5×9=2×6+3×7×8 か、3×5×8=2×6×7+4×9 か、2×7×9=3×4×8+5×6 の構造になるような数の並べ替えが解答となる。

n=10

 さて、10を加えよう。

n=10

 (1,2,,10)の並び替えである10個の数の組(a1,a2,,a10)と整数1i<j10であって、以下の等式を満たすものをすべて求めよ。
 a1a2ai=ai+1ai+2aj+aj+1aj+2a10

 同じ考え方でいこう。偶数2,4,6,8,10について、2で割り切れる回数を考えると以下のパターンに限られる。
・「2を含むグループ」「6を含むグループ」「4,8,10を含むグループ」に分かれる
・「10を含むグループ」「6を含むグループ」「2,4,8を含むグループ」に分かれる
・「2を含むグループ」「10を含むグループ」「4,6,8を含むグループ」に分かれる
・「4を含むグループ」「2,6を含むグループ」「8,10を含むグループ」に分かれる
・「4を含むグループ」「2,10を含むグループ」「6,8を含むグループ」に分かれる
・「4を含むグループ」「6,10を含むグループ」「2,8を含むグループ」に分かれる
 3の倍数については、3,6,9がすべて同じグループであるか、相異なるグループであるかである。
 5の倍数については、5,10は同じグループに属していなければならない。

①「2を含むグループ」「6を含むグループ」「4,8,10を含むグループ」に分かれる
 5,10は同じグループなので、4,5,8,10が同じグループである。しかし、それ以外の二つのグループの数の積の和は最大でも2+6×3×7×9=1135<4×5×8×10なので、無理である。

②「10を含むグループ」「6を含むグループ」「2,4,8を含むグループ」に分かれる
 3,6,9を考えると、以下の3パターンがある。
・「5,10を含むグループ」「3,6,9を含むグループ」「2,4,8を含むグループ」に分かれる
・「3,5,10を含むグループ」「6を含むグループ」「2,4,8,9を含むグループ」に分かれる
・「5,9,10を含むグループ」「6を含むグループ」「2,3,4,8を含むグループ」に分かれる
しかし、いずれのパターンについても、どこに7を入れても式は成立しない。

③「2を含むグループ」「10を含むグループ」「4,6,8を含むグループ」に分かれる
 3,6,9を考えると、以下の3パターンがある。
・「2を含むグループ」「5,10を含むグループ」「3,4,6,8,9を含むグループ」に分かれる
・「2,3を含むグループ」「5,9,10を含むグループ」「4,6,8を含むグループ」に分かれる
・「2,9を含むグループ」「3,5,10を含むグループ」「4,6,8を含むグループ」に分かれる
しかし、いずれのパターンについても、どこに7を入れても式は成立しない。

④「4を含むグループ」「2,6を含むグループ」「8,10を含むグループ」に分かれる
 「8,10を含むグループ」に5が含まれるが、さらに39が入ることは無理(積が大きくなりすぎる)なので、「2,6を含むグループ」に39も入るしかない。しかし、7をどこに入れても式は成立しない。

⑤「4を含むグループ」「2,10を含むグループ」「6,8を含むグループ」に分かれる
 3,6,9を考えると、以下の3パターンがある。
・「4を含むグループ」「2,5,10を含むグループ」「3,6,8,9を含むグループ」に分かれる
・「3,4を含むグループ」「2,5,9,10を含むグループ」「6,8を含むグループ」に分かれる
・「4,9を含むグループ」「2,3,5,10を含むグループ」「6,8を含むグループ」に分かれる
 それぞれに7を入れて計算してみると、2×3×5×10=4×7×9+6×8 と、6×7×8=2×3×5×10+4×9 という二つの解が得られる。

⑥「4を含むグループ」「6,10を含むグループ」「2,8を含むグループ」に分かれる
 3,6,9を考えると、以下の3パターンがある。
・「4を含むグループ」「3,5,6,9,10を含むグループ」「2,8を含むグループ」に分かれる
・「3,4を含むグループ」「5,6,10を含むグループ」「2,8,9を含むグループ」に分かれる
・「4,9を含むグループ」「5,6,10を含むグループ」「2,3,8を含むグループ」に分かれる
 それぞれに7を入れて計算してみると、5×6×10=4×7×9+2×3×8 と、2×3×7×8=5×6×10+4×9 という二つの解が得られる。⑤で得られた解について、62×3を入れ替えたやつやね。

 以上より、解答は以下の四つそれぞれに1を加えたものと、その並び替えである。
2×3×5×10=4×7×9+6×8
6×7×8=2×3×5×10+4×9
5×6×10=4×7×9+2×3×8
2×3×7×8=5×6×10+4×9

11以上のとき(5/26追記)

  nissy 氏が、コメントにて、11以上のときの結果を挙げてくださっている。解がない場合が意外と多い印象。解がない数に特徴はあるのだろうか?時間があれば考えたい。

 解の個数についての一般論や、解を構成する一般的な方法はあるのだろうか……。私の行ったゴミみたいな場合分けをせずに何かわかる方法があれば、教えてください。  

投稿日:25日前
更新日:17日前
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