超幾何級数における単位引数における値は, Gaussの超幾何定理
によってガンマ関数で表すことができる. 以下, Pochhammar記号はのような略記を用いるとする. 超幾何級数の定義
において, 分母のをに置き換えて和の範囲を整数全体に拡張した
を考える. ここで, 負の整数におけるPochhammer記号は, と定義されるものである. に対して,
はのとき自然にであると見なせるので,
となる. これより, がの拡張になっていることが分かる. Gaussの超幾何定理をに拡張したのがDougallの和公式である.
これは, 次のCarlsonの定理を用いることによって簡潔に示すことができる.
Carlsonの定理
における正則関数はある定数があって, 常にを満たしており, 以上の全ての整数に対してを満たしているとき, 恒等的にである.
(定理1の証明)
両辺にを掛けた式
を示せばよい. 左辺の級数はにおいて絶対収束しており, 両辺はにおいてに収束する. 特にのとき, 両辺はの関数として正則であり, 有界である. を整数のとき, Gaussの超幾何定理より,
となって示される. よって, 両辺の差に対してCarlsonの定理を適用することによって, 定理を得る.