こんばんは。simasimaです。
東科大のチーム「Bocchi The Tech」としてICPC Asia Pacific Championship 2025に参加したので参加記を書こうと思います。
simasima(筆者)
AtCoderに強い。Yokohamaで実装が炎上したので、今大会は実装をせずひたすら考察をする。英語は読めない。
ponjuice
AtCoderに強い。競プロ歴が短く、将来の大成長が期待されている。幾何を担当している。英語は読めない。
Series_205
AtCoderに強い。競プロ歴が3人の中で一番長い。実はJMOで入賞したことがある。構文解析を担当している。英語は読めない。(がこの3人の中では一番マシとされている)
AMATSUKAZEではない3人みたいな感じで組んでいるので、編成がかなり偏っている。
当然WF進出が目標。
WF進出条件
同校のAMATSUKAZEとWADATSUMIに勝利し、なおかつ全体順位でWF圏内(20位以内くらい)に入る必要がある。
AMATSUKAZEは国内予選優勝、Yokohama4位と激強であるため実質AMATSUKAZEとの一騎打ち。
実は某謎解きイベント(?)の運営に入っていたので睡眠サイクルが既に破壊されており、既に体力がマイナス。大会直前まで競プロにあまり触れられておらず良くない状態。
この日は成田のアパホテルに宿泊。
部屋が2×5だったので、WADATSUMIのNzt3と同室になった。謎のアパ名言集があるのでそれを読むなどのイベントが発生。
この日はあまり寝れず苦しかった。でも行きの飛行機の中で寝れたので結局何とかなった。
飛行機でシンガポールへ。機内で遊べるクソゲーで遊ぶなど。
シンガポールに到着。暑い。
この日はResisterのみ。Grabでタクシーを呼んで会場に到着。スポンサーブースで水筒を獲得した。
ホテルの部屋は Bocchi The Tech のメンバーの3人部屋だった。
夕食は謎の屋台の集まりの所で食べた。noyaさんが数学の問題を出してきたりした。
この日はぐっすり眠れた。
この日は開会式とリハーサルがあった。
開会式は非本質!眠すぎ!
でも、スポンサーがいなくなるとICPCが無くなって困るので出来るだけ偉い人の話を聞こうと努力はした。英語が分からないので結局内容はよく分からず。
チーム紹介のパートで我々のチーム名がそこそこウケていた。ぼざろの知名度はそこそこあるらしい。マスコット持って来ればよかったな~と思う。
我々の会場は広い本会場ではなく別会場だった。狭くて小さい。
リハーサルは去年の本番と同じ問題が出ていたらしいが、担当していない問題だったので気付かず。プラクティスなのでチーム全員のモチベが低く、ACは出来なかったが、BもDも解法自体はかなり最適なものを引いていたらしい。去年自分がAに飛び込まなかった世界線が気になる。
スポンサーブースで、noyaさんとオセロをしたり、謎を解くなどした。Jane streetの謎やパズルが去年と変わっていてなおかつクオリティも高くもう逆になんか怖い。
AIがコードを書ける時代に企業がいつまで競プロerに良くしてくれるんだろうかという不安は常に持っている。競プロは将来のために役に立つものであるというふわっとした意識が崩れた時、競プロは廃れるほかない気がしている。自分がICPC引退するまではもって欲しいところ。
夕食の場でpenguinmanと久しぶりに会って喋った。今回の大会の目的を8割くらい達成した感がある。
夕食会場から近かったので、マーライオンを見た。マーライオンだなあ。
この日もぐっすり眠れた。ベッドの問題?
いよいよコンテスト本番ですよ!!!!
コンテスト会場がとても寒かった。
最初ponが環境を作り、自分が後ろから見てSeriesが前から見ることに。
Kが解けそうな見た目なのでKに挑戦。解けない。
Lが通ってるのでLを見るとやるだけ。私が苦手なタイプの実装だったのでSeriesに渡す。
L AC (0:25)
SeriesがAが普通に解けないらしいので、23を固定したら行けると適当に助言する。
Gをponが実装して提出したがWA。全部1の場合がやばそうと適当に助言すると通る。
Hを見ると、花の数さえわかれば良さそうなのでギャグに見える(実際はそうではない)Seriesに解法を渡そうとしたときにギャグでないと気付いた。
G AC (0:45)
この間にJを見るとただの区間DPなので解ける。ponに伝えようとするが、なかなか伝わらない。ここは自分で実装しても良かったかもしれない。
A AC (0:50)
Iは場合分けゲー。自分が得意なタイプなので本当は自分が実装すべきだが、ここで自分が考察できないと困るのでSeries_205に渡して適宜コーナーケースなどを助言する方式に。
この時点でAMATSUKAZEとはかなりタイム差が付いてしまっているので完数が目標となる。
ここで今度こそHが解けるが、ponではなく問題概要を理解しているSeriesに渡したいので、タイム的にはHをやった方がいいがIを続行させる。
この間にDの解法が生えるが実装がかなり厳しそう。
I は 3 5.00 が邪悪なコーナーケースになっていた。
I AC (2:16)
SeriesにすぐHを渡して実装してもらう。
AMATSUKAZEに我々の得意なHIが終わった段階で先を越されているまずい状況になる。
ponもFの考察を持っていたが、ここで自分が重実装をやるとコンテストが終わってしまうので、ponにDのセグ木の実装を投げて自分が他の問題に活路を見出してDF+αで3完増やす戦略に。
H AC (2:49)
FはCHTのライブラリが足りないらしい。(後日冷静になってライブラリを眺めるとLCTは持っていたので足りていたのだが、コンテスト終了まで気付かず。ライブラリはコンテスト前にちゃんと確認しよう。)
Dは自分の考察が悪く、かなり実装難になってしまってかなり時間を食いそう。このようなセグ木を使う問題はこのチームの穴である。(というか、自分が考察苦手な問題が即ちこのチームの穴)
Eはインタラクティブで自分が得意そうだったので考えていたが、解法が見えても実装難になるパターンに見えたので考察を諦める。FのCHTを使わない方針を考えるが、厳しそう。それ以外で一番通ってるKに戻って考察してみるもどうにもならなそう。
Dの実装は難航し、そうこうしている間に、AMATSUKAZEが先にDに提出しペナルティ。
ここで凍結。
Dは嘘が生えるような問題ではないのでAMATSUKAZEの7完はほぼ確定。+2完で8完を目指す展開になる。
ここでC問題をちゃんと読むが、長すぎてよく分からず。
Dは最終的に全てをponに押し付ける形になっていたが、ここでなんとかAC。偉すぎ。
D AC (4:35)
だが、この時点で考察が終わりそうな問題が一つもなく、どの問題にも手が出せない。
AMATSUKAZEはDの再提出後に沈黙しており、かなり7完が固く、勝つためには残り25分で1問新たに問題を解いて実装する必要がある。
俺らの旅もここまでか...
ここで、見た目が数オリっぽいC問題に目を付ける。サンプルの気持ちになってみると、3本取り除く事は実質2本取り除いているのと同じと言っているように見える。頂点を二つのグループに分けた時の間の辺の数が本質で、結局(辺の数)-(カクタスの奇数の閉路)+1になるではと予想がたった。これで通るならAC数が少なすぎる気もするがこれに賭けるしかない。
考察がちょっとズレる可能性があるので、Seriesにカクタスの閉路の長さの列挙のコードを書いてもらう事に。
考察を進めると構築っぽいものは出来たが、反対側からは抑えられていない状況。数オリあるある。
実装が終わり提出すると、残念ながらWA。
この時点で残り10分。
よく見ると閉路の列挙がバグっている。閉路の列挙はちょっとだけ複雑なようなので、奇数の閉路だけ数える作戦に。これは簡単なのですぐ終わった。
そして提出...
C AC (4:55)
AMATSUKAZEの方を確認するとD以外に提出はない。
ここでCにさらに提出をしてペナ数を錯覚させたり、他の問題に沢山提出して混乱させる作戦も考えたが、8完しているという事実が相手にとって一番プレッシャーになりそうだったのであえて何もしなかった。
コンテスト終了
終了直前にAMATSUKAZEがFに連投したので勝負は分からず。とりあえずWADATSUMIには勝利確定。
結果が分かってしまうと面白くないのでなるべく負けた雰囲気だしとこうかなと思っていたが、流石に嬉しさを抑えきれていなかったと思う。逆にAMATSUKAZEのメンバーは良い雰囲気ではなさそうだったので、8完はしてなさそうという事は察せられた。
謎の心理戦(?)があった後、結果を聞くと7完だったので勝ち。自分は今回勝った場合はWF温存のため来年のICPCは出ないと決めていたので、今後どうするかなどの話をした。実は、来年は自分がAMATSUKAZEに入ってnoya2,simasima,shobonvipの3人で出るいう話があったのだが、その話も白紙になってしまった。個人的にはかなりバランスが良くWFでメダルを取る可能性の十分にある編成だと思っていたので、非常に残念な気持ちに。勝ったのも自分、WF温存するのも自分なので100%自分の所為であるのだが、だからといってここで手を抜くべきだった訳でもないし、来年でWFの権利を使い切ってしまう訳にもいかない。それも運命という事で受け入れてこのチームでWFでメダルが取れるように頑張ろうと思った。
YesNoで、AMATSUKAZEのFの提出回数が減っている謎のドキドキがあったがあったがCEの分減っているだけだった。7完勢が沢山提出していたのでギリギリ銀メダル届くかどうかだと思っていたが、蓋を開けてみれば5位という結果でむしろ金メダルの逆ボーダーだった。
沢山の賞品を貰って嬉しい!
5位
ICPC Replay
TKTYIを見つけて喋った。OMCとか数学が好きでやってるんだなというのを感じた。ネット上の振舞いからすごい怖い人だと思われていたらしくて悲しい... 日頃のツイートが過激にならないように気を付けようと思った。(と思った3日後には、もうOMCのAI云々の話に手を突っ込んでしまっているので本当に良くない)
個人的にはコンテスト後の観光は蛇足で、コンテストの熱狂の余韻を残したまま感傷に浸りながら帰国したいと思っている。これは前回のベトナムの時もそう思った。勝った時は気分よくそのまま帰国したいし、負けた時は観光の気分ではない。
Universal Studio Singaporeは午前中はそこそこ楽しかったけど後半は疲労だった。早く帰国したいよ~早く帰国したいよ~早く帰国したいよ~
空港でバーガーキングを食べて帰国。結局シンガポールで食べたご飯の中でバーガーキングが一番美味しかった
日本は寒いし大雨だったので、ずぶ濡れで凍えてしまった。
飛行機では全然寝れなかったので当然夜のOMC4eに響いて冷え。
このチームでWFでメダルを取るのは実力的に厳しいかもしれない。その中でも少しでも上振れを引くためにWFでは自分も実装をしようと思う。
来シーズンのICPCの事は帰国してからもかなり色々考えたが、結局は権利を温存することににした。次の次のシーズンで本気でWFのメダルを取りに行きたいと思う。