本記事では、近傍関係を用いた位相空間論について説明する。近傍関係は近傍系を一般化した概念である。
なにか具体的な定理が比較的証明しやすくなるというわけではなく、「こんな特徴付けもできるんだ」程度の内容である。
$X$を集合とする。$\mathfrak{P}(X)$上の二項関係$\ll$が以下の条件を満たすとき、$\ll$を$X$上の近傍関係(neighborhood relation)と呼ぶ:
$X$を集合、$\ll$を$X$上の近傍関係、$A\subseteq X$とする。
\begin{gather}
A^\circ=\bigcup\{B\subseteq X\colon B\ll A\}
\end{gather}
とすると、$A\mapsto A^\circ$を開核作用素として位相空間が定まる。
$X$を位相空間、$(\ast)^\circ$を$X$における開核作用素、$A,B\subseteq X$とする。
\begin{gather}
A\ll B\mathrel{:\!\iff}A\subseteq B^\circ
\end{gather}
として二項関係$\ll$を定めると、$\ll$は$X$上の近傍関係となる。
$X,Y$を位相空間、$f\colon X\to Y$を写像とする。以下同値である。