まず, 数列の双対数列は
によって定義される. 名前の通り, 双対数列の双対数列はもとの数列に一致する. つまり,
が成り立つ. 定義式の両辺の母関数を考えると, 等式
を得る. よって, 母関数の間の関係を一般化して
と定義されるをの双対関数ということにする. これを拡張して, の双対関数を
によって定義することにする. 定義より, 双対の双対はもとの関数に戻ることが分かる. ここから数列に対して, その母関数の双対の係数として, 数列の双対を定めることができる.
-Hermite多項式
前の記事において, -Hermite多項式として,
を導入した(). その母関数を考えてみると,
よって, -Hermite多項式は多項式列の双対であると解釈できる.
第1種完全楕円積分
類似においてとは特別であると考えているが, の場合の具体例として第1種完全楕円積分を考えてみる. 以降, 双対を単に双対ということにする.
として, 第1種完全楕円積分の変換,
は双対の例で, その類似は
となり, 双対の具体例を与える. この例からも分かるように, の場合はであることによって自己双対になっているので特別である. Hermite多項式によって展開される関数,
を考える. この級数の収束性を示すのはかなり難しいので, ここでは収束性の問題は考えず, 形式的な計算を行うことにする. 直交性によって,
が成り立つ. ここから, Hermite多項式がの双対だったことと, が自己双対だったことを思い出すと,
が成り立つことが分かるので, 適当な条件の元Mellin逆変換などを用いてこの表示からを具体的に調べることができる. 一般に-Hermite多項式と双対の関係はかなり応用が効きそうなので, 類似についても考えてみたいと思った.