0

船旅備忘録

110
0

私の備忘録として書いているので内容は保証できません。
問題番号などは船旅と同じものです。
間違いを見つけた時や他の解法があるときなどはコメントで教えていただけると嬉しいです。

編集記録

2025/1/25 命題4.1から問題4.30まで
2025/1/26 問題4.31から問題4.52まで

第4章 有名構図

命題4.1

PXC=PYC=90
従って4点P,Y,X,Cは共円
円周角の定理より
PCY=PXY,PCA=PKA
PXY=PKA
XY//KA

問題4.2

KPBCの外接円上の点でありBCPKなので補題1.17より示せた.

問題4.3

四角形AHKPは平行四辺形なのでAH//PK,AH=PK
また四角形LAKXも平行四辺形なのでAL=KX
これとKX=KXよりHL=KK
これとAH//PKより四角形LHXPは平行四辺形である.

補題4.4

平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わるので問題4.3よりPのシムソン線、即ち直線LXは線分PHの中点を通る.

問題4.5

直線AC上に点Aについて点Cと反対側に点Cをとる.
半直線AIA,AICはそれぞれCAB,BACの2等分線なのでIAAIC=12CAC=90
CBと置き換えればIAAIB=90

補題4.6

問題4.6と同様にしてIAIBICC,ICIAIBB
3直線IAA,IBB,ICCは1点Iで交わるので題意は成り立つ.

問題4.7
ABCの九点円はそのトリリウムの定理によって示される円の中心を通る.(?)

問題4.8

ABC,ABCは点Aを中心とする相似拡大の関係にあり,ABCに対する点EABCに対する点Xは同じ関係にあるので3点A,E,Xは共線.
BCID,BCIE,BC//BCよりID//IE
従って3点E,I,Dは共線であり点IABCの内心なので線分DEは内接円の直径.

補題4.10

ABC,ABCは点Aを中心とする相似拡大の関係にあり,ABCに対する点DとABCに対する点Yは同じ関係にあるので3点A,D,Yは共線.

問題4.11

BD=CX,BM=CMよりDM=MX
またDI=IEなので中点連結定理よりIM//EX
即ちAE//IM

問題4.12

AKBC,EDBCよりXAK,XEDは点Xを中心とする相似拡大の関係にある.
XAKに対する点Mの関係とtriangleXEIに対する点Iの関係は同じなので3点X,I,Mは共線である.

問題4.13

IDBC,IAXBCよりMID,MXIAは点Mを中心とする相似拡大の関係にある.
MIDに対する点Dの関係とMXIAに対する点IAの関係は同じなので3点M,D,IAは共線である.

問題4.15

Iから直線AB,BC,CAに下ろした垂線の足はそれぞれ点F,X,Eであり,これらは共線なのでこの直線は点Iのシムソン線である.
即ち点IABCの外接円上にある.

問題4.16

IABCの内心なのでBAI=CAI
従って円周角の定理の逆よりBI=CI
IBCは二等辺三角形であり点Xは点Iから底辺に下ろした垂線の足なのでBX=CX

問題4.19

補題4.18の後半2つの条件が成り立っていると仮定する.
ABCと点Pについてチェバの定理(三角比ver.)よりsinPABsinPACsinPBCsinPBAsinPCAsinPCB=1
ABCと点Pについてもチェバの定理(三角比ver.)よりsinPABsinPACsinPBCsinPBAsinPCAsinPCB=1
これらを両辺かけると,仮定より
sinPABsinPACsinPABsinPAC=1
BAC=α,PAC=θ,PAB=ϕとして展開して整理すると
sin(θϕ)=0
θ=ϕ
題意は示された.

問題4.20

ABCと点Pについてチェバの定理より
XCXBZAZBYCYA=1
仮定よりXC=XB,XB=XC,ZA=ZB,ZB=ZA,YC=YA,YA=YCなので
XCXBZAZBYCYA=1
従ってチェバの定理の逆よりチェバ線AX,BY,CZは1点で交わる.

問題4.21

等角共役点の定義から明らか.

問題4.22

正弦定理より
AC:CD=sinADC:sinDAC,AB:BD=sinADB:sinDAB
sinADC=sinADBであり,上2式を辺々割って
ABAC:BDCD=1:sinDABsinDAC
同様にして
ABAC:BECE=1:sinEABsinEAC
DAB=EAC,DAC=EABなので上2式を辺々かけて
BDDCBEEC=(ABAC)2

問題4.23
ABCの外心をOとする.
OAB=OBAであり円周角の定理よりAOB=2ACB
OAB+ACB=90
従って外心の等角共役点をHとしたときAHBCが成り立つ.
即ち外心の等角共役点は垂心である.

問題4.25

正弦定理よりACMC=sinAMCsinMAC,ABMB=sinAMBsinMAB
辺々割って
MCMBABAC=sinMACsinMABsinDABsinDAC
sinMAC=sinMAB
正弦定理よりABAC=sinCsinB
2点M,Dは等角共役の関係にあるのでCAM=BAX,BAM=CAX
以上よりCMMB=sinBsinBAXsinCsinCAX=1

補題4.26(a)

2点A,Kを逆にすれば良い.

補題4.26(b)

円周角の定理よりAKB=ACM
Dは類似中線上の点なのでBAK=MAC
従ってABKAMC

補題4.26(c)

定理4.22よりBDDCBMMC=BDDC=(ABAC)2

補題4.26(d)(問題4.28)

正弦定理よりABBK=sinAKBsinBAK
円周角の定理よりAKB=ACB
また,BAK=MACなので正弦定理より
ABBK=AMCM
同様にACCK=AMBM=AMCM
ABBK=ACCK

補題4.26(e)

BCXAKの交点を点Pとする.
円周角の定理よりBPC=2BAC,BPX=CPX
BPK=BAC
円周角の定理よりACB=PKB
従ってABCPBK
PK=ACBCBK=AC2CMBK
補題4.26(b)よりACCM=AKBKなので
PK=12AK

補題4.26(f)(問題4.29)

補題4.26(d)よりBKCK=BACA
従って一致法よりBCBAK,CAKB,C類似中点

補題4.26(g)(問題4.30)

外角の定理よりAMD=ACM+CAM
円周角の定理よりACB=AKB
補題4.26(a)よりAKB=MKC
従ってACM=MKC
円周角の定理よりBAK=BCK
また,CAM=DAMなので
CAM=MCK
以上より外角の定理よりDMK=MKC+MCKなのでAMD=KMD
従って直線BCAMKの内角の二等分線.
直線AM上に点Mについて点Aと反対側に点Qをとる.
BMX=90なのでXMK=90BMK=12(180AMK)
従って直線XMはAMKの外角の二等分線.

問題4.31

直線ATと円ωの交点のうち点T出ない方を点Sとする.
接弦定理よりTSK=TAM,TKS=TMA従ってSTK=ATM
従って3点A,S,Tは同一直線上にあり,点K,Mはこの直線について同じ側にあるのでT,K,Mは共線.

問題4.32

Mを通る円Ωの接線をlとする.
PK//OM,PKAB,OMlよりBC//l
従ってMA=MBである.
円周角の定理よりABM=MTB
TMB,BMKTMBを共有しているのでTMBBMK

問題4.34

接弦定理よりMCT=KLT
従ってICT=ILTであり点L,Cは直線ITに関して同じ側にあるので円周角の定理の逆より4点C,L,I,Tは共円.

問題4.35

接弦定理よりCLT=LKT
円周角の定理よりCLT=CIT
従ってMKI=MIT
Mを共有しているのでMKIMIT

問題4.37

AIKALの二等分線でありAK=ALなのでKI=IL

問題4.38

補題4.25よりATTKLT類似中線.
Iは辺KLの中点なのでATK=LTI

問題4.39

問題4.38と円周角の定理よりAMC=SMB
AMC=BMC,AMB=CMBなので
SB=SC

問題4.41(Hong Kong 1998)

直線SRに点Qから下ろした垂線の足を点Tとする.
Qは円PRS上にあるので3点H,K,TQシムソン線上の点である.
QHS=HST=STQ=90より四角形HSTQは長方形.
線分HT,QSはこの長方形の対角線なので直線HKは線分QSを二等分する.

問題4.42(USAMO1988/4)

トリリウムの定理よりIAB,IBC,ICAの外心はABCの外接円上にある.

問題4.43(USAMO1995/3)

AからBCに下ろした垂線の足をDとする.
OA1//ADよりOA1A=A1AD
OAA1OA2Aより
OAA2=OA1A
また外心と垂心は等角共役の関係にあるので直線AA2A類似中線.
同様にBB2,CC2もそれぞれB,C類似中線なので3直線AA2,BB2,CC2は共点.

問題4.43(USAMO1995/3)別証

OAA1OA2AよりOA1OA2=OA2=OB2
従ってOBA1OA2B
OBA2=90
従って直線BA2は円ABCに接する.
同様にして直線CA2は円ABCに接するのでAA2ABCA類似中線.
以下同様.

問題4.44(USA TST 2014)

ABCの垂心をHとする.
直線PRは円ABCXシムソン線であるので補題4.3より四角形RXPHは平行四辺形.
RX//PHなので点Hは直線l上の点である.
従って直線lは常にABCの垂心を通る.

問題4.45(USA TST 2011/1)

補題4.6から点HDEFの内心であり,点ADEFD傍心である.
APEF,HQEFよりFP=QEであり点Rは直線PD,QHの交点なので線分QRDEFの内接円の直径である.
従ってHQHR=1

問題4.46(ELMO Shortlist 2012)

接弦定理よりZEP=ZCE
CZE=90なのでtanZEP=ZEZC
直線CPと円ωの交点のうちC出ない方をQとする.
EQCP,FDCPなのでDFP,QEPは点Pを中心とする相似拡大の関係にある.
従って円ω,ω1も同様の相似拡大の関係にあり,特にこれらの中心と点Pは共線である.
補題4.33より直線MZは円ω,ω1の根軸である.
即ちこの直線とこれらの円は点Zで接している.
MZZP
従ってEZPCZMであるのでZEZC=PECM
以上よりtanZEP=PECM

問題4.47(USAMO 2011/5)

まず直線AB,CDが平行でない場合を考える.
交点をRとするとPQ1,PQ2はそれぞれ等角共役点なのでCRQ1=CRQ2
2点Q1,Q2は直線CDについて同じ側にあるので3点R,Q1,Q2は共線である.
Q1Q2//ABかつQ1Q2CDが平行でないとき直線AB,CDが平行でないので3直線AB,CD,Q1Q2は一点で交わる.
しかし,AB,Q1Q2は交点を持たないので矛盾.
従ってQ1Q2//ABならばQ1Q2//CD
逆も同様に示せる.

問題4.48(JMO 2009)

p.330と同じ.

問題4.49

ABCA傍接円と辺BCの接点をEとする.
直線AT,AEは等角共役なのでBAE=TAC
円周角の定理よりABE=ATC
従ってABEATC
AB:BE=AT:TC
BE=CDなのでAB:CD=AT:CT
円周角の定理よりBAT=DCTなので
ABTCDT
BTA=CTD

問題4.50(Vietnam TST 2003/2)

ABCA,B,C傍心をIA,IB,ICとする.
補題4.14より3点A0,D,IAは共線であり,同様にしてB0,E,IBC0,F,ICもそれぞれ共線.
ABCの傍心三角形の傍心三角形XYZを考える.但し,AB//XY,BC//YZ,CA//ZXである.
この2つの三角形はABCの九点円の中心を中心とする相似拡大の関係にある.
それぞれでI,D,E,FO,IA,IB,ICに対応するので4直線IO,IAD,IBE,ICFは共点.
従って4直線IO,A0D,B0E,C0Fは共点である.

問題4.51(Sharygin 2013)

ICABの交点をD,MCABの交点をE,MCIKの交点をFとする.
ICDK,IKCFなので点EIKCの垂心である.
従ってIECK
また,補題4.17,ABCIよりIEAB
以上よりAB//CK

問題4.52(APMO 2012/4)

P.331と同じ.

第8章 反転

問題8.3

実数0<rと実数θを用いてz=reiθとする.
反転の定義より|z||z|=1でありarg(z)=arg(z)なので
z=r1eiθ
これとz=reiθより
z=(z)1

命題8.4

無限遠点は原点に移り,原点は無限遠点に移り原点を通る全ての曲線はこの2点を必ず通るので,3点O,A,Bが共線であるときに5点O,A,B,A,Bが共線であることを示せば良い.
A,BOと異なる点としてよく,このとき問題8.3のrの変域を0以外の全ての実数まで拡張できる.また0θ<πとしてよいので
arg(A)=arg(B)でありarg(A)=arg(A),arg(B)=arg(B)
以上よりarg(A)=arg(B)=arg(A)=arg(B)
したがって5点O,A,B,A,Bは共線である.

これらは有向角を使うと楽になる.
仮定よりOAB=0
これと定理8.2よりOBA=0
従って3点O,A,Bは共線.
3点O,A,AO,B,Bはそれぞれ共線なので5点O,A,B,A,Bは共線である.

参考文献

Evan Chen.(2023)数学オリンピック幾何への挑戦:日本評論社

投稿日:125
更新日:26
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 第4章 有名構図
  2. 第8章 反転