ある日ふと気づきました。
$\tan1$と$\frac{\pi}{2}$ってめっちゃ値近くね?
およそ0.013差
ということで$\tan1\lt\frac{\pi}{2}$を高校数学で示そうと頑張ってみたのでメモ程度に書き残しておきます。
$$\tan1\lt\frac{\pi}{2}$$
を示せ。
$\pi$の近似値は適当な方法でいくらでも精度高いのが得られるので$\tan1$の近似値のみを考えればよさそうです。
まずは以下の不等式を示します。
$0\leq x$のとき
$$\sin x\leq x-\frac{x^3}{6}+\frac{x^5}{120}$$
$$\cos x\geq 1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24}-\frac{x^6}{720}$$
$$f(x)=\cos x-\left(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{24}-\frac{x^6}{720}\right)$$
とおくと
$$ f^{(1)}(x)=-\sin x-\left(-x+\frac{x^3}{6}-\frac{x^5}{120}\right)$$
$$ f^{(2)}(x)=-\cos x-\left(-1+\frac{x^2}{2}-\frac{x^4}{24}\right)$$
$$ f^{(3)}(x)=\sin x-\left(x-\frac{x^3}{6}\right)$$
$$ f^{(4)}(x)=\cos x-\left(1-\frac{x^2}{2}\right)$$
$$ f^{(5)}(x)=-\sin x+x$$
$$ f^{(6)}(x)=-\cos x+1$$
ただし$f^{(n)}(x)$は$f(x)$の$n$階微分を表す。
$f^{(6)}(x)\geq 0,f^{(5)}(0)=0$より$0\leq x$のとき$f^{(5)}(x)\geq 0$
以下同様に$f^{(k)}\geq0\quad(k=1,2,3,4),f(x)\geq0$も分かる。
$f(x)\geq0,f^{(1)}\geq 0$より定理1の不等式を得る。
ここから次のことが分かります。
$$ \tan1\leq\frac{606}{389}$$
$$\tan1=\frac{\sin1}{\cos1}\leq\frac{1-\frac{1}{6}+\frac{1}{120}}{1-\frac{1}{2}+\frac{1}{24}-\frac{1}{720}}=\frac{606}{389}(=1.5578\cdots)$$
あとは$\pi$を下から評価して終わりです。
$$ \frac{1979}{1260}\lt\frac{\pi}{2}$$
$$\int_{0}^{1}\frac{x^4(1-x)^4}{x^2+1}dx\lt\int_{0}^{1}x^4(1-x)^4dx=\frac{(4!)^2}{9!}=\frac{1}{630}$$
一方
$$\int_{0}^{1}\frac{x^4(1-x)^4}{x^2+1}dx=\int_{0}^{1}\left(x^6-4x^5+5x^4-4x^2+4-\frac{4}{x^2+1}\right)dx=\left[\frac{x^7}{7}-\frac{2x^6}{3}+x^5-\frac{4x^3}{3}+4x-4\arctan x\right]_{0}^{1}=\frac{22}{7}-\pi$$
だから
$$\pi\gt\frac{22}{7}-\frac{1}{630}=\frac{1979}{630}$$
$$\therefore \frac{1979}{1260}\lt\frac{\pi}{2}$$
さらに
$$\frac{1979}{1260}-\frac{606}{389}=\frac{6271}{490140}\gt0$$
より
$$\tan1\lt\frac{606}{389}\lt\frac{1979}{1260}\lt\frac{\pi}{2}$$
となり問題の不等式が示されました。
いろいろ考えたのですが結局むりやりマクローリン展開して近似するだけという芸のない方法に落ち着いてしまいました。$\tan$の中身が$1$という有理数だったのがマクローリン展開と相性が良かったのでしょう。
最初は$\tan1=\int_{0}^{1}\frac{1}{\cos^2x}dx$を使って$\frac{1}{\cos^2x}\leq f(x)$が簡単に示せてかつ$\int_{0}^{1}f(x)dx=\frac{\pi}{2} $となるような$f(x)$を見つけようと頑張っていましたが(そこそこ精密な評価が必要なこともあって)断念しました。そんな都合のいい$f(x)$は存在するのでしょうか...
こんなしょうもない記事をここまで読んでいただきありがとうございました。