私たちは, この研究 をしている中で, 藤村の三角形問題(Kobon Triangle Problem)について既知の情報がまとめられていないということに気が付き, 整理をすることによってこれからこの分野の研究が行われていく中での指針としようとした. ここでは OEIS006066 内に掲載されている論文とその参考文献を中心にまとめた.
1979年にKobon Fujimuraが自身が著書の”The Tokyo Puzzles”の中で初めて述べた.このことからも分かるように, この分野はまだ数学史的に最近の問題である.
The Tokyo Puzzles
田村三郎が田村の上界(Tamura’s Upper Bound)を証明. この上界は線分の合計(n(n-2))を1つ当たりの三角形に用いられる線分の本数(3本)で割ることによって得られる. 私たちは, この上界をさらに拡張できるかについて考察してきたが, 拡張は不可能であるとわかった.
ユークリッド平面下及び射影平面下における考察が行われた.
P₃≦P”₃≦n(n-1)/3
N₃≦N”₃≦n(n-2)/3
また, これは基本的な不等式である.
Perfect Configurationを導入し田村上界を達成できる配置を特徴付けた.
この論文で偶数における上界の改良が行われ, 最大配置の増殖をPerfect Configuration下においても行うことができるようになった. この研究を応用させたものが私たちの主なテーマである.
※₁Perfect Configuration・・・任意の 2 本の直線が交わり, かつ各線分がちょうど 1つの三角形の辺となる配置である.この論文では, 奇数本の直線の場合にのみPerfect Configurationは存在するということを示している.この論文では, Perfect Arrangementとなっているが次の論文では, Perfect Configurationとなっているためそれに統一した.
※₂N:ユークリッド平面における最大値, P:射影平面下における最大値, “は擬直線配置
2007年にGilles Clement, Johannes BaderがClement- Bader上界を証明. これにより, 田村の上界よりもさらに厳しい上界が与えられた. 経験則としてn≡4 mod6の条件下において, 田村の上界に達するものが存在しなかったということから, mod6で場合分けすることの有益さを示した.
2017年にS.Honmaによって内部領域のでき方についての具体的な考察が示された. 三角形の存在する側は直線に対して交互になることが述べられ, 3直線が1点で交わる点の個数で場合分けするといったアイデアを与えた.
2025年にPavlo Savchuk により機械的に考察をする方法が与えられた. 藤村の三角形問題は, 内部領域という数学的には処理をしにくいという問題点があり, それを解決する手口を作った. このSAT Solvingの説明を軽くすると, 最適配置であるための必要十分条件が存在し, そのためにすべての情報を∧になるように変形していくことによって, 最適配置を出力するアルゴリズムを作った. しかし, 最近できたものであるため, 時間がかなりかかってしまうという懸念点がある.
OEIS A006066にもあるように一部のnでは, 最適解が決定しているものがある. 以下の図(一部)
最適解(一部)
これ に関して意見あれば聞きたいのでコメント欄にお願いします