問題
この記事では、以下の問題を4種類の方法で証明します。
数学的帰納法による証明
(i) のとき、であるから成立する。
(ii) のとき、であると仮定する。のとき、
であるから、のときも成立する。
以上(i)(ii)より、題意が示された。
微分による証明
実数に対し、とする。
において
であるから、はで単調増加であり、とあわせるとが得られる。したがって、題意が示された。
二項定理による証明
を二項定理で展開すると、
であり、であればには1項以上の項が存在し、かつそれらはすべて以上である。したがって、
が成り立つ。
冪集合による証明
集合をとし、をその冪集合とする。
の要素の数はであるから、に少なくとも個の相異なる要素が存在することを示せばよい。実際、
は個の相異なるの要素であるから、題意が示された。
コメント
指数と1次式の大小比較を4種類の方法で行いましたが、私は最後の方法が一番好きです。なぜなら、数学的帰納法や二項定理といったちょっとしたテクニックが必要なはずの証明が、数えることによって終わってしまうからです。