本アカウントや、絶対値大好きbotのツイート等で使用している絶対値に関するnotationをまとめる。
定義
絶対値式
上の定義の状況において、などを単になどと書くことがある。
以下、のような省略記法を用いることがある。これは代数的な意味であって、最大値の意味でない。
(abnomials)
まずを実数係数の多項式として
とする。さらに一般のに対して
として全ての自然数に対してを定義する。この集合の元を速度の絶対値式という。また集合
の元を絶対値式という。
Tightened Lemmaの仮定の下、次の命題が成立する。
まずを実数係数の多項式として
とする。さらに一般のに対して
として全ての自然数に対してを定義する。この集合の元を深度の絶対値式という。このとき、集合間の等式として
が成立する。
まずを実数係数の多項式として
とする。さらに一般のに対して
として全ての自然数に対してを定義する。この集合の元を長度の絶対値式という。ここで集合間の等式として
が成り立つ。
これとは直接関係ないが、重要な事実として「区分連続多項式全体と絶対値式全体は等しい」というものがある。この二つの命題と、最初の定義を踏まえて次のような定義をする。
絶対値式に対して、となる最小のをの速さといい、で表す。またとなる最小のを深さといいで表し、となる最小のを長さといいであらわす。
区分連続多項式
この辺はちょっとわかりずらいような気もする。
semi-algebraic set
の部分集合が半代数集合であるとは、有限個の代数的等式、あるいは不等式の合併であることをいう。
Continous piecewise polynomial
関数が区分連続多項式であるとは、が有限個の閉半代数集合で被覆されており、各においてある多項式が存在して
ならしめうることをいう。区分連続多項式全体の集合をで表すことにする。
区分連続多項式の特徴づけとして、次の主張がある。
tightened lemma
次の条件を満たす集合は唯一つ存在する。
は点ごとの和と積について環をなす。
なら、
次節で定義する値や絶対値式、区分連続多項式は全て上の主張を満たすので、同一の対象であることが分かる。従って、このどれか一つの対象に定義された概念は他の概念にも自動的に定義されることになる。
classifiation
区分連続多項式に対し、任意にとった測度零でない閉集合でとなる多項式が存在する。このような多項式すべての集合をと書く。
日本語名称は特に定めていないが、「分類」とすると一変数で用いたと被ってしまうという問題点がある。
singular point
区分連続多項式に対して、が無限回微分できないような点の集合をで表す。また、の連結成分の個数をで表す。に対し、をの粗さという。
濃度の記号とややこしいと思うかもしれないが、普通の状況ではの濃度を知りたいことがないのであまり問題にならない。
値
multiple value
Heavysideの階段関数を次のように定義する.
このとき,多重Heavyside関数を次のように定める.
ここで添え字が多項式であり,かつ多項式を係数として
と表せる関数を多重値といい,それ全体をで表す.また級である多重値全体の集まりをで表すことにする.
その他
代入写像
変数区分連続多項式をと表す。また、代入写像を、
とし、特にと略記することにする。