タイトル通りです。δ(0)=∞ って合ってるんでしょうか?
$$ \int_{-∞}^{∞}f(x)δ(x)dx=f(0) $$
これを満たす、出力できる「仮想上の」δ(x)をディラックのデルタ関数と呼びます。以下、単にデルタ関数と呼ばせてください。
また、デルタ関数の値は以下のように「考えられて」います。
$$δ(x)= \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 0 (x\neq0) \\ ∞ (x=0) \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
$$\int_{-∞}^{∞}δ(x)dx=1$$
まあまあ単純です。
定義1より、f(x)=1 とすると、
$$\int_{-∞}^{∞}δ(x)dx=f(0)$$
任意のxに対して f(x)=1 なので f(0)=1 より、
$$\int_{-∞}^{∞}δ(x)dx=1$$
実際広義積分でなくとも、積分区間がx=0を挟めば1になります。これは後ほど解説します。
某記事でも正規分布を扱っていますが、分散→0の極限がデルタ関数と同じことを考えるそうです。本題じゃないので飛ばしちゃいます。
直観大事にします。
直観としては確かにδ(0)=∞を満たします。ここで一旦、広義積分のなす意味を考えてみましょう。
$$\int_{a}^{b}f(x)dx=f(a)dx+f(a+dx)dx+f(a+2dx)dx+\cdots+f(b-2dx)dx+f(b-dx)dx+f(b)dx$$
簡単に言えば区間[a,b]の意味する積分とはこうです。直観です。
超準解析の分野ではdxを無限小量の超実数としているため、定数としてみてもおかしくないかも。
$$\int_{a}^{b}f(x)$$と書いてしまうとどの変数で積分してるのかがわっかんないので変数に対する微小定数dxを定めることで「代入して足し合わせ」を実現しています。ここで、a→-∞、b→∞として考えると
$$\int_{-∞}^{∞}f(x)dx=(\cdots+f(-100)+\cdots+f(-1)+\cdots+f(1)+\cdots+f(100)+\cdots)dx$$
と考えることができます。...の中身は密度が高すぎるので省略(f(実数)を超足し合わせてる)。
この広義積分にデルタ関数が作用されると、f(0)のみ残るためにその他の(例えばδ(1)やδ(-π)やδ(10^200000))デルタ関数の値が0と考えられるのは不思議ではなく自然です。ここで表題のδ(0)=∞というのがどういう意味を表しているのか説明します。
$$I=\int_{-∞}^{∞}f(x)δ(x)dx=(\cdots+f(-100)δ(-100)+\cdots+f(-1)δ(-1)+\cdots+f(0)δ(0)+\cdots+f(1)δ(1)+\cdots+f(100)δ(100)+\cdots)dx=f(0)$$
ここにあるδ(0)以外は0とみなすとx=0以外の点で0になり、展開して残るのは
$$f(0)δ(0)dx$$だけになります。この積分値Iはf(0)になるので、よく見ると
$$f(0)δ(0)dx=f(0) \Longleftrightarrow δ(0)=\frac{1}{dx}$$
f(0)が0である可能性をいったん排除します。dxは無限小量であったのでこのδ(0)が無限大量になるというわけです。1/dxに関して変数がxの場合に限りますが。
「後ほど解説する」と言ってたやつについて、つまり積分区間がx=0を挟んでると、結局f(0)δ(0)dxが残りδ(0)の本領が発揮できてるわけ。
$$δ(x)= \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
0(x\neq0) \\
\frac{1}{dx}(x=0)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} $$
1/dxが∞に近づくというわけで、表記としては問題ないのかも。0・∞の不定形に近いので、式ごとに∞の意味を理解する必要がありますね。
もっと∞を自由に使いたいものです。環から外れて輪や草原で考えるのはなかなかめんどくさそう。ちなみに私は射影的補完数直線のarctanグラフを用いた∞が好きです。