こんにちは、高3のぱぺです。
家の近くの塾がお盆休みで使えないのでダラダラしてしまうんですよね本当によくない。本当によくない。
世界でバズった洞窟の投石実験#shorts @YouTube
今回行うことは上記の動画を見たことがきっかけです。
ある洞窟の崖の上から水平方向に石を投げ入れた。
投げ入れてから$15.33$秒後、崖の下方で石が衝突した音を崖上で観測した。
これらの情報から崖の高さを求めたい。
水平投射をしたのは、今自分たちのいる崖の壁に石がぶつからないようにしたかったからでしょう。水平方向への空気抵抗で向こう側の壁にぶち当たらなければいいですけど。
以下では、水平方向への投射を考えず、自由落下かつ壁に当たらないとして考えます。
高さのわからない崖の上から初速度$0$で石を落とす。石を自由落下させてから$T$秒後に、石が崖の底に衝突した音を崖の上で観測した。音速$V$,重力加速度$g$として崖の高さ$H$を求めよ。
ただし、以下の以下のもとで考えるものとする。
・石は崖の壁に当たることなく崖底まで落下したものとする。
・空気抵抗や気温による音速のムラは考えないものとする。
石を高さ$H$から自由落下させてから、崖底で衝突する直前までの時間を$t_1$として
$\displaystyle H=\frac{1}{2}gt_1^2 \qquad \therefore t_1=\sqrt{\frac{2H}{g}}\quad(\because t_1>0)$
また、衝突で生じた音が音速$V$で鉛直方向に$H$まで伝わるのにかかる時間を$t_2$とすると、
$\displaystyle Vt_2=H \qquad \therefore t_2=\frac{H}{V}$
$ $
以上から、$T=t_1+t_2$であることを踏まえると、
$\displaystyle \sqrt{\frac{2H}{g}}+\frac{H}{V}=T$ を満たす正の実数$H$を求めればよい。
\begin{aligned} \sqrt{\frac{2H}{g}}+\frac{H}{V}=T \\ \frac{1}{V}H+\sqrt{\frac{2}{g}}\sqrt{H}-T=0\\ \end{aligned}
\begin{aligned} \sqrt{H}&=\frac{V}{2}\left\{-\sqrt{\frac{2}{g}}+\sqrt{\frac{2}{g}+\frac{4T}{V}}\right\} \quad (\because \sqrt{H}>0)\\ H&=\frac{V^2}{4}\left\{\frac{4}{g}+\frac{4T}{V}-\frac{4}{g}\sqrt{1+\frac{2gT}{V}}\right\} \\ &=VT-\frac{V^2}{g}\left\{\sqrt{1+\frac{2gT}{V}}-1\right\} \end{aligned}
したがって $\displaystyle H=VT-\frac{V^2}{g}\left\{\sqrt{1+\frac{2gT}{V}}-1\right\}$
$V=331.5+0.6t \; (t:$摂氏$)$であるので、気温によって高さが微妙に変わるでしょう。
氷洞窟を除く多くの洞窟の気温は大体$10\degree\text{C}$ほどであるそうなので、$V=331.5+0.6\times 10=337.5$ とする。
$V=337.5, \; g=9.8, \; T=15.33$ を代入すると、$H=816.694$
したがって、この洞窟の崖の深さはおよそ$8.2\times 10^2 \text{ m}$であると推定できます。
どの洞窟で、どれだけ深いところにいたか、気温はどれだけかが判明しないと詳しい値は出ないと思いますので、現時点での有効数字は$2$桁として提示します。
また、頭の上から投げたため、身長の分$($およそ$1.7\text{ m}$程度$)$の高さを$H$から引いた$H-1.7$でより詳しい値が出せそうですが、有効数字$2$桁の前ではそれほど変わりません。
以下、次の値を用います。
\begin{aligned} V&=337.5 \\ g&=9.8\\ H&=816.694 \end{aligned}
\begin{aligned}
t_1&=\sqrt{\frac{2H}{g}}\\
&=\sqrt{\frac{2\cdot 816.694}{9.8}} \\
&=12.910\cdots \\
&\approx 12.91
\end{aligned}
したがって、$12.91$秒後
\begin{aligned}
t_2&=\frac{H}{V}\\
&=\frac{816.694}{337.5} \\
&=2.4198\cdots \\
&\approx 2.42
\end{aligned}
したがって $2.42$秒間
$t_1+t_2\approx 12.91+2.42=15.33$ となるので、ちゃんと計算できていそうですね。
\begin{aligned} \frac{t_1}{T} &\approx \frac{12.91}{15.33} \\ &=0.8421\cdots \end{aligned}
したがって、およそ$84\; \%$
\begin{aligned} v&=0+gt_1\\ &=g\sqrt{\frac{2H}{g}} \\ &=\sqrt{2gH} \end{aligned}
\begin{aligned} v&=\sqrt{2gH} \\ &=\sqrt{2\cdot9.8\cdot816.694} \\ &=126.52\cdots \\ &\approx 127 \text{ m/s} \end{aligned}
二次方程式で$H$を求めるのがかなり面倒くさかったです。
それにしても、洞窟内の谷って$820 \text{ m}$ も深さがあるんですかね。数値が大きすぎるので計算違いしているような気がしてならないです。数値計算は$\text{Wolfram Alpha}$ を用いているので大丈夫でしょうけど。
2025/8/14.15:00 投稿